【ブロンプトン】SR目指して400km・和歌山の山と海【ブルベ】

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 2024年のブロンプトンでのブルベ・SR獲得を目指して第2弾。昨年300kmと600kmを走るも、ACPのBRM規定の変更によりチャラになってしまい、3月に200kmの認定を得るも、まだ距離を積み重ねる必要があった。時期と距離、走りたいコースがマッチしたのが、BRM420近畿400km泉佐野 和歌山一周だった。

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<目次>
□ ヤッホー、日高川
□ なつかしのSR600KW
□ アタックすさみ
□ ヘロヘロ、雄ノ山峠
□ 所感

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□ ヤッホー、日高川

 400kmでRide with GPSでは累積標高4200m程度だが、案内ページでは約4506mとのことだった。重量があるブロンプトンでは登坂はなるべく遠慮したいのだけど、山も川も海も岩も景色のよい和歌山県を走るのが私は好きなので、あまりコースに抵抗はなかった。ロードバイクであれば、普通の400kmは仮眠なしで23時間台で走ることが多い。目標は24時間切りとしつつも、せいぜい25時間台ゴールかなと予想していた。例年、和歌山を走るときはモバイルスタンプラリーのWAKAYAMA800(ウェブサイト)をこなすべく寄り道することが多いが、さすがにその余裕はなさそうだ。
 スタート地点はりんくう公園。スタート時間は遅いほうを選択。自宅から当日始発に間に合うよう出発、なんばからラピートに乗れば前泊不要なのが助かる。スタート近くのコンビニで補給食におにぎりと5個入りチョコクリームパンを買ってから向かう。
泉佐野
ブロンプトンでブルベに出ると大抵目立つ。スタッフさん、参加者さんに話し掛けられるので、工夫は必要だけど”意外と走れるんやで”という話を毎度している。ブロンプトンはロードバイクに比べると遅いけれど、気軽に輪行できて移動が楽、サッと展開して走ってまた折り畳めるので駅から距離がある宿も選択肢に入れられる、というメリットがある。ブロンプトンで走る参加者が増えれば自然にローテーションができて走行も楽になるのではと思っていて、仲間を増やそうと日々考えている。
 最初は信号が多いので、本格的な登りが始まるまではロードバイクと一緒に走れた。徐々にバラバラになり、15kmで相当な登坂を経験した。府道64号から和歌山県道64号に至る、大阪府阪南市から和歌山県岩出市に入る雄ノ山峠(おのやまとうげ)である。泉佐野発ブルベでは定番の峠らしい。登りより下りのほうが急勾配であった。今回のコースは最初と最後の30kmが同じ道である。嫌な予感しかしない。
川辺橋
 一旦町に出て紀ノ川を渡る。川辺橋(かわなべばし)を通行しているときに、キジの鳴き声が聞こえていた。いかにも4月っぽい。
伊太祁曽神社
 伊太祁曽神社前を通過。親の推し神社である。ちなみに、親は私がスポーツバイクに乗っていることを知らない。
 またじわじわと登り、またまた泉佐野発ブルベで定番の黒澤牧場に向かう。かなり勾配のきついところがあり、そこでスタッフさんが撮影のために待ち構えていた。貴重な登板の写真を撮ってもらった。

黒沢牧場の後に迂回路があり、ここはものすごい勾配がきついところがあって押し歩きした。見晴らしが良くてみかん畑が壮観だった。
有田川町
有田川町(ありだがわちょう)の集落より。
 55km地点で予定していたコンビニ休憩をはさみ、次なる登坂に備える。ここでのタイムはトントンか少し借金を想定していたが、50分くらいの貯金が得られた。ここからも登坂多めであったが、幸いにも信号は少なくて思ったよりはタイムの出やすいコースだった。
Tsubakiyama_Lake_Bridge
フォトコントロール 椿山レイクブリッジヤッホーポイント駐車場
ヤッホーはせずに先を急ぐが、夏っぽい緑がかった川の色に惹かれて1枚だけ撮影。
初湯川
初湯川(うぶゆがわ)大橋より。初湯川は日高川水系。

□ なつかしのSR600KW
 この時点で右脚に坐骨神経痛が出ていた。過去、左脚にたまに出ることはあっても右脚は初めてだった。感覚的にサドルが低いのだろうなと思っていたが、痛みは軽かったのでそのまま進んでいた。フォトチェックから5kmほど進んで、やはりサドルが低いと感じてサドルを3mmほど上げた。そしたら今度は腰の左側が痛くなった。上げ過ぎた気がしたが、サドル高調整が容易なブロンプトンといえど、これ以上細かい調整が自分にできるとも思えず、時々立ち漕ぎで腰を伸ばしながら走る。
 98km地点の道の駅 水の郷日高川 龍游に寄って、遅めの昼食とする。
しいたけバーガー
2年前のブルベでここを通った。

過去記事:
南部梅林と千畳敷

そのときは存在を知らなくて食べ損ねたしいたけバーガーを、今回は迷わず注文した。中身はしいたけだけかと思っていたが、ベーコンもあっておいしかった。外に出ると、私と同様にぬいぐるみをお供にしているShinさん(Twitter (X)・相棒は楽天パンダ)もできたてのバーガーを食していた。Shinさんには今年度よくお会いした。私はロードバイクでもブルベを走るが、ブロンプトンの人と認識されていそうだ。
 ここから有名どころの龍神温泉までは20km余りで、頻繁に案内が出ていた。サイクリングにはまる以前、家族旅行で車で来てそれなりに秘境だと思っていた場所なので、”りんくうタウンから半日もあれば自転車でも行けるんだなぁ”と、自分の自転車での距離感が変わったことを実感した。
 次のPCの近露(ちかつゆ)までは地味に登った。去年SR600を走ったのと逆の方向なので、なんとなく道に見覚えがある。えっちらおちら進んでいると、反対車線から子どもの絵本でしか見たことがないようなクラシックカーが何十台もやって来た。後で調べてみると、「ラ フェスタ プリマベラ」というクラシックスポーツカーのイベントで、年に一度5日間にわたって名古屋から京都まで2府4県1200kmを巡るというものだったらしい。登坂時のちょっとした気分転換になった。子どもに見せてやりたかったな~とも思った。
Aコープ紀南 熊野古道ちかつゆ店
 PC1 近露のAコープではスタッフさんが待機していた。有人だとバイクにギアを多少置いたままにできるのでありがたい。ここの敷地内は道の駅のようになっていて、ゴミ捨てもできたので荷物も整理した。貯金は1時間。まだちょっと登るらしい。
 そろそろ下りたいなーと思いながら耐えて登る。登りが終わってからしばらくして、SR600KW紀伊山地で寄った小船キャンプ場をちょうど17時の夕焼け小焼けのチャイムを聞きながら眺めた。意外にもペースは順調だ。
小船キャンプ場

 ブロンプトンは下りで遅い。理由はいろいろあるけれど、ロードバイクの空気抵抗の少なさ、ブレーキ性能のよさには敵わず、どんどん差が広がる。178km地点の新宮のコンビニPCで1時間50分程度の貯金があったが、前後とも人を見かけなかった。

ここからは補給の心配がぐっと減るので少し気楽だった。

□ アタックすさみ
 紀伊半島の海岸沿いを時計回りに、西進する。ブルベでは定番のルートで、こっち向きもあっち向きも何度も走ったことがある。この日は風は味方でも敵でもなく、串本まで天候は悪くなかった。交通量がやや多いので、車に気をつけて走った。221km地点の串本のコンビニPCでは貯金が2時間を超えた。それはよいことだが、たまに雨粒を感じるようになった。安全のため少しペースを落ち着けることにする。海沿いで湿気が多くて蒸し暑く感じ、しばらくは登りが多いのでレインウェアは着ずに、寒さを感じたら着ることにした。
 ここから先、周参見(すさみ)はアップダウンがきついので覚悟していた。が、それまで―すさみに出るまでの串本町内のアップダウン、というか登りが結構きつかった。すさみまでもきついじゃないか。 24kmほど進み、道の駅すさみで飲み物休憩にした。屋根のある所で参加者4人組がレインウェアを着て身支度をしていた。「まだ登り多いので寒くなったら着ますわ~」と言って先に出発したが、変な人と思われたかもしれない。
 すさみの中心部に向かっている途中に長井坂(ながいざか)という看板が見える(場所)。
Nagaizaka.jpg
Googleマップのストリートビューより。
長い坂なら仕方ない。しばらくして道の駅イノブータンランドの表示が見える。すさみのアップダウンはイノブータンランドから北が本領である。JR周参見駅までが遠い遠い…。
 周参見を通過し、290km地点の田辺のコンビニPCにも貯金を維持して到着。PCに到着するまでは少し空腹を感じていたが、到着すると食欲が失せていた。調子に乗って24時間切りのゴールを目指していたが、どうやらこの強度で走り続けるのは胃に負担が大きすぎたようだ。雨も降っていることだし、トラブルになると厄介なので、目標を時間内完走に切り替えた。
 それはそうと、ここは治安が悪いコンビニだった。中華そばを買って店先で立ちながら、道路と駐車場をローリング走行する軽自動車数台を見ながら急いで胃に詰め込んだ。一方、次の57km先のコンビニPCは特に印象に残っていない。

□ ヘロヘロ、雄ノ山峠
 早朝、400kmでは過去に出たことがない幻覚の前兆が出た。反対側の歩道の柵に並んで付いていたライトが、自転車の前照灯のように感じた。見なくてもよいのに、右側の歩道に視線を向けたくなる。眠気はなかったけれど、強度次第では幻覚が出うるのだなと思った。視線が本当に引っ張られるほどではなかったので、日が出れば大丈夫だろうと思っていたら案の定そうだった。
 幻覚は解決したが、375km辺りで今度は自転車のハンドル付近から不規則な異音がするようになった。道路脇の駐車スペースで一応見える範囲のフロント回りのネジが緩んでいないかチェックしたが、分からなかった(後日、ショップにでヘッド回りの緩みを締め直してもらって解決)。
 進むにつれて、天気予報通りに段々と雨が強くなってきた。往路で写真を撮った川辺橋をもう一度渡った辺りで空腹を感じ、買っていたおにぎりを雨の中で食べると同時にレインウェアを上だけ着た。下はゴールのマクドナルドでイスを濡らさないように履こうかと思っていた。もう24時間切りは目指していないし、パンクでもして時間をロスする方が問題なので慎重に行くことにした。


ブロンプトンでキューシートを見るために、普段はラミネートして四隅に穴を開けて単語帳のリングでフロントバッグのベルトに固定している。が、雨天時はバッグにカバーをするのでベルトが使えなくなってしまう。そこで、この日は四隅の穴にいわゆるパンツのゴムを通しておいて、フロントバッグの左右に回してバンドする方法にしてみた。前からの風でばたつくが、たまに確認していれば外れることはなかったし、一応合格かと思われる。問題はページをめくるのが難しいことと、ゴムの色が白でダサいことだ。
 残りおよそ11km、行きも通った同じ道であるが往路よりもはるかに厳しい。行きはよいよい帰りは怖いの勾配。南から越える雄ノ山峠は本当に厳しかった。
 ゴールのマクドナルドには24時間余りで到着。駐輪場でレインウェアを拭いたり荷物を整理したりしていると、スタッフさんが写真を撮りに来られた。


 すぐ近くのファミリーマートにゆうパックスマホ割(ウェブサイト)で入浴セットと着替えをリュックサックで送っておいたので取りに向かう。100サイズ以下であれば、いくらか制限はあるもののコンビニで荷物を受け取ることができる。荷物を回収して背負い、最寄りの温泉、平野台の湯 安庵(あんあん)に向かう。朝風呂で100円安くて、ブルベのゴール後にはちょうどよかった。

□ 所感
 ブロンプトンでの400kmブルベは初めてだったが、もともと400kmは得意とする距離なのと、600km完走した経験から、やや天候が悪い中でも安定して走行できた。累積標高は多めだったが、山の中の信号の少なさでタイムが稼げるコースだった。100kmより手前で左腰の痛みは生じたものの以降は悪化せず、疲労や体へのダメージは一応想定内で、ブロンプトンでのブルベにだいぶ慣れてきた。雨天でのキューシートの固定方法に手ごたえもあり、装備も少しずつブラッシュアップされている感があった。
 こうしてSRに一歩近づくことができた。半年も前には、ブロンプトンでブルベを1週間おきで走ることは体への負担が大きくて考えられなかったが、この翌週には300kmを予定していた。
 次回へ続く。

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