【大阪から】夜スタートブルベ、諸々との闘い【琵琶湖1周】

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 今年のSR獲得には残すは600km 1本。この前はDNFしてしまったので、日程と難易度と相談しながら大阪市内発、琵琶湖を見ずに、大きく囲むこのブルベにした。
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<目次>
□ 計画
□ ドタバタ出走
□ 思い出
□ 九頭竜湖、そして雨
□ 逆伊賀越え
□ ラスボス
□ 所感

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□ 計画
 夜スタートのこのブルベ、ほぼ丸一日経過する400km超までPC(時間制限あり)となっているのが心理的に難易度が高くなっているところだ。当初の計画では、一部は過去2回走ったことがある道なので所要時間が計算できたため、暗くなる前に某無料キャンプ場で仮眠を取って、それからクローズ時間付近でPC到着を狙うことにしていた。…が、エントリーしてから問題発生。ゴール日の子守要員が確保できなくなった。そこで家族には仕事に行くのを午後からにしてもらって、昼までにゴールして子守を引き継ぐことにした。つまり宿を取らない計画に変更。過去600kmで一度寝ないで走ることも経験しているので(過去記事: 【足に】季節移れば難易度変わる【やさしい】)、無理のないペースに抑えて走れば累積標高が増えても+3時間くらいでいけると思った。”ペースを抑える”と走行時間は長くなって疲労が増えるはずだと疑問を持つ人もいるかもしれないが、これはすごく個人的の感覚によるところで、具体的な速度やパワーでコントロールはしていない。600km走り続けられるペースをずっとイメージして、残りの距離と自分の状態を照会してイメージを更新しながら走ることになる。普段のブルベが常にMaxの6~7割くらいの力で走っている感覚だとすれば、6割以下の感覚を持っている。
 GPSサイコンも奮発してGarmin Edge1040 Solarを購入(公式ページ)。

(楽天市場)

大画面で、バッテリー省エネモードなら600kmでも充電なしで行けるはず。さらにバッテリー省エネモードでも画面が完全には消えないので、方向音痴の私でも迷いにくい。ただ、タッチパネル式で、雨天だと画面をロックしても雨で画面表示が切り替わってしまうらしいのが難点らしい。ちょうど雨の予報なのでどれくらい困るか試してみたかった。念のため、今まで使ってきたEdge530も携行することにした。
 体の準備としては、まず週初めからしっかりカフェインを抜いた。気を付けていないと1日3~5杯ほどコーヒー類を飲んでしまうのを、どうしても飲みたいとき1日1杯までに減らした。耐性ができてしまっているのでもうものすごく眠くて、日中仕事中は何とかコーヒー1杯で耐えて、帰宅して21~22時台には眠すぎて子どもと一緒に寝落ちするように寝ていた。その甲斐あって、5日目には寝貯めしたいのに6時間睡眠でパッと目が覚め、日中のコーヒーも不要になっていた。

□ ドタバタ出走
 当日午後は休みにしていたが、ブルベに使うのとは別の自転車の修理をショップでしてもらったところ、予想以上の時間が掛かってしまい、仮眠時間がなくなってしまった。多頭飼いの身には”自転車の看護休暇”みたいなのが欲しい。また、今回のブルベ用のロードバイクのタイヤの交換をしたが、空気圧を確認するとスローパンクしていた。急遽ホイールを近所のあさひに持って行き、チューブ交換をしてもらった。帰宅したらもう子供と一緒に夕飯の時間で、疲労感満載だった。
 何とか細かい部分の準備も整えたが、電車輪行で行く元気がなくなってしまったので、家から受付までタクシーで行くことにした。今回は宿泊費が掛からないのだから、これくらいはいいだろう。輪行袋に自転車イン、GOタクシー! 便利な世の中になった。
 受付に到着したのはブリーフィング終了直後だったようだ。受付後、簡潔に個別ブリーフィングをしていただき、申し訳なく感じながら輪行を解除していく。みんな出発して1人だけ残ったので、スタッフさん総出でじっくり眺められながら車検を受け、数分遅れで出発した。
 夜間の大阪市内はかなり走りやすくなっていた。信号はそこそこあるが峠というほどでもない。宿泊しないので荷物も200kmのときとさほど変わらなくて軽くて、25~26km/h台で快適に走れた。周りに参加者がいなかったので、つられてペースが速くなることもなくて、ちょうどよかったかもしれない。約40km地点、最初の通過チェックのコンビニは予定通りグロス20km/hで到着、参加者2人を確認。スタートが遅れてしまったが、さほど遅れていないことにホッとする。コンビニでは食べられる限りは、おにぎり+何か甘い物を毎回食べることにして、ここではプリンを選んだ。フロントバッグには定番の補給食である5個入りミニパンを入れるつもりだったが、恐らく先行者により全て収穫されたのだろう。ハムマヨパン3個入りを代わりに買った。

↑ ハムマ ヨ。フロントバッグはR250のドラム型フロントバッグ スモール(公式サイトAmazon楽天市場)

□ 思い出
 次は京都市内から若狭を目指す。出発してすぐの道に見覚えがあった。伏見稲荷から東福寺に掛けて、昔習い事で数えきれないくらい通った道だ。方向音痴の私でも覚えているくらい雰囲気は変わらない。歩いて電車賃を浮かせて途中の駄菓子屋でアイスキャンディーを買ったっけ…。懐かしさで涙が出そうになる。それが切っ掛けで過去のことをいろいろ走馬灯のように思い出す。大丈夫か、今日…? 京都市内の信号峠が続くとノスタルジーは吹っ飛び、タクシーのマナーの悪さというか大阪でもなかなか見ないような違反には閉口した。
 京都~滋賀~福井の県境はそこそこ登る。それほどきつくはなかったが、これも休めていない夜スタートの弊害だろう、お尻の痛みや、足のむくみによってシューズ内で右足小指が圧迫される痛みなど、100km前後にして早々に出てきてしまった。数年前1000km走ったときの苦痛を思い出してしまった。また1000km以上を走るなら、これらを解決しなくてはならない。
 次の124km地点のPCにもグロス20km/hで着いた。予定よりかなり順調だ。おにぎりとシュークリームを食べ、飲料を追加して750mlのボトルをフルにする。ここでも5個入りミニパンはない。先ほどのハムマヨは、マヨが遠いほうから口に入れるとパサパサ感が強くて満足度が低いのでイマイチだった。今度はいちごみるくスティック(66kcal×6本)を選択。フロントバッグにうまく収まり、口を開封したところからすぐ取り出せてなかなかよかった。


 ここからしばらく日本海近くを東進?北上?する。いつしか信号は降雪地帯を象徴する縦型になっていた。路面はひび割れでやや荒く、パッドなしの薄手グローブだったので手の痛みもつらくなってきた。主幹道路なので大型車の交通量が多くて嫌なところもあったが、海沿いに出ると気持ちよく走れた。曇りで暑くもなく風もよくて最高だった。

以前来たときは夜だったな。
調子が良かったので、次のPCまでコンビニ休憩なしで行ってみることにした。5kmほど前で飲料が切れ、スティックパンがなくなり、ソフトフラスクに入れていたジェル200kcal弱を飲み干し、飴をなめてしのいだ。それでも118kmくらいストップせずにいけたようで、何年かぶりに自己最長記録を更新。

□ 九頭竜湖、そして雨
 コンビニPCに着くと誰もいない。みんなカニでも食べているのだろうか…。ここではおにぎりにヨーグルト、inゼリー、飲料を購入。少したんぱく成分でも取ろうかと思って買ったinゼリープロテインは口に合わなかった。ようやく5個入りミニパンを見つけたが、好きなチョコやクリームはなく、あんぱんしかない。普段あまり好んで食べないが、試しに食べてみようと買ってフロントバッグにセットした。時間に余裕があったのでしっかり休憩することにして、右足小指の痛い所には保護クリームのプロテクトJ1を塗った。ここから分割していたルートの後半を読み込もうとしたが、サイズが重かったのかフリーズしてしまって困った。仕方なくEdge1040ではなく、予備で持って来ていたEdge530を使うことにした。350kmくらいで固まらないでほしいなぁ。しばらくすると、過去のルートをGPSサイコンに入れてしまってコマ図で走っているという方が到着(後に過去同じブルベを走ったことがあるlupusさんと判明)。道に迷いながら来ていると言われるわりに速く、よく心が折れないなぁと思った。
 ここからは登る。まずは休憩予定の道の駅九頭竜のコンビニを目指す。途中で予想より早く雨が降り出し強くなってきて、しかも冷たい雨粒だったので、道端でスマホを袋にしまってレインウェア上下を着て、手袋も透湿防水機能のあるテムレスに替えて備えた。でも走り出してしばらくすると止んだ(怒) 結局、本格的な登りの前に上下とも脱いだ。九頭竜湖は深緑で水をたくさん湛えていた。写真を撮りたかったが、大型車も頻繁に通るのでよい場所で止まるのが難しくて、結局撮れなかった。
 この辺り、ブリーフィングで道が悪いと聞いていて、確かに荒れていた。次第に、その荒れたひび割れがひらかなに見えるという幻覚が出始める。読めるわけない、そこに集中力を割くべきでないと分かっているのに、読もうとしてしまって目が、注意がなかなか離れてくれない。注意力障害ってこんな感じなのかもしれない。必死に頭から振り払いながら進む。
 どこかで今度は本格的に雨が降り出し、屋根があるバス停でレインウェアをまた着込む。道の駅九頭竜でコンビニに入ろうとすると、スタッフさんが出張しておられた。おにぎりの差し入れをありがたくいただくことにした。コンビニでは飲み物追加、シュークリーム、念願の5個入りミニチョコパンをゲット。前のPCで買ったあんぱんは、ライド中でもやはりあまり食べる気にならず、フロントバッグにあまり手が伸びなかった。トイレ休憩のついでに保護クリームをお尻に塗る予定だったが、1つ前のPCで片付けたときに行方不明になってしまったようでショックを受けた。あと半分の距離、耐えられるのだろうか…。


15分ごとに動いて雄叫びを上げる恐竜のオブジェ。
 十分に休憩してから出発、登りももう少しだが、相変わらず時々大型車が近くを通り過ぎて行くのが怖い。道の駅で会った参加者と一緒に走ったほうが正解だった。登りの終盤でやはり”ひび割れひらかな”の幻覚が見える。畑にある土留めが動物のキャラクターの看板に見えるが、進んでいるのに角度が変わらないのがどうしたっておかしいので幻覚と分かる。幻覚と戦っていると、コマ図ライダーのlupusさんに追いつかれて声を掛けられた。すると幻覚はすっと消えて、それ以降は出なくなった。lupusさんは次のPC付近の郡上(ぐじょう)で温泉に入るという。”次の次もPCなのに? DNF宣言?”と失礼ながら思ったが、きちんと完走されているのでやはりすごい精神力をお持ちの方だった。
 Edge530の案内は1040に比べると不親切で、よく分からない道を何とか下って越えた。下りになると雨と汗で体や腕に張り付いたレインウェアで、寒さを感じるようになった。一方で、登りが終わると右足小指の痛みは少しマシになった。登りが続いて踏み切れなくなってくると、母指球側でなく小指球側に力が掛かるようになって指が動いてしまうという変な癖があり、シューズの中で小指が当たって擦れているようだった。
 次の約350km地点のコンビニPCもおよそ予想時間通り、18km/hで到着。寒くてレインウェアを脱いで入ることができず、できる限り水滴を振り落として入店した。パスタ、プリン、カフェラテを選択。ここで今回初めてカフェイン投入。おしぼりタオルを買ってレインウェアを拭いて、イートインで食事した。気温が低いわけではないので走っていれば寒くはないだろうと思われたが、これ以上重ね着できる物を持って来ていなくて不安だ。アルミブランケットは今回は大事なオフトゥンになるかもしれないので今は使いたくない。そもそも寒いのは撥水が落ちたレインウェアが体に張り付いたからで、体とレインウェアの間に空間を作れば改善するはずだ。そこでタオルを2枚買って体の前後に挟むことにした。セブンイレブンなのでダイソーのタオルも買えたのに、存在に気づかず2枚で700円余りもする高級タオルを買ってしまった。絶対に持って帰らねば。
 雨は1~2mmで降り続ける予報だった。夜間になるし交通量も多い道なので、青いモンタベアを付けたお兄さんに同行させてもらえないかと打診、快諾いただいた。お互いフェンダーをしていないので近くには寄れず、ドラフティング効果は望めない。が、車へ存在をアピールしたり、後ろから照らしたりいくらか協力できたと思う。車は十分横幅の間隔を空けて抜かしてくれて、少し感動した。対向車のライトが眩しくて、アイウェアで乱反射して視界が悪くて、1人だったら絶対に出せない速度で前を40kmも引いてくれた。交通量が減って視界が改善したところで前を交代し、20kmほど走ってコンビニPC到着。ここで18km/hを少し割る。空腹感はなかったので、チキンの串を2本とカフェラテを摂取、飲料を補充した。
 次は60km先、コンビニの通過チェック。それまでの間に仮眠を取る人が多い。コーヒーのおかげで眠気はないし、まだ走るのに支障はなさそうだ。そのまま進み、眠気が出た所で休むことにした。途中、夜間1人での迂回路で苦労した所もあったが、木曽川・長良川沿いをずーっとほぼ信号なしで楽に走ることができた。とはいっても、さすがに速度は平坦でも22km/hほどに落ちていて時間が掛かり、コンビニに到着時にはグロスは17km/hまで落ち込んだ。食欲はまだしっかりあって、おにぎり、カフェラテを摂取。フロントバッグには今度はミルクツイストパンをセット。


□ 逆伊賀越え
 残り125kmほど、眠気が出たらすぐ休むつもりで出発したが、主幹道路で大型車がたくさん猛スピードで飛ばして行くのでしっかり目が覚めていた。ここは雨の未明に走るべき道ではなかった。日が出るのを待ちわびていたが、そのうちに空が白んできて美しい宿場町に出た。

思わず足を止めた関宿(三重県亀山市)の景色。
 そして登り基調になった。とはいってもそれほどきつくはない。残り80km地点のフォトチェックを済ませたところで、ちょうどEdge530が電池がなくなった。1040に期待していて、フル充電にしていなかったんだった…。幸い、これまでのPCで停まったときにEdge1040が復活していることが分かっていたので、ここからは再びEdge1040を使う。雨はかなり小降りになっていて、水滴誤作動不快度テストはできなかった。


 信楽のコンビニで長めの休憩をして、アメリカンドッグ、カフェラテを摂取、inゼリーをソフトフラスクに移してフードポーチに仕込む。お尻がとにかく痛くて眠気が入り込む余地はない。雨はやんでいたが、暑くないのでレインウェアはそのまま着ておいて、手袋だけサイクルグローブに戻した。次のコンビニPCに着く頃には、山から降りてきて日が出て来ていて暖かくなってきたので、お腹と背中に挟んでいたタオルは外した。暑くはなかったのでレインウェアを脱ぐ時間が惜しくて着たままにして、レシート取得のためにチロルチョコだけを買って、残り30km、ゴールへ向かう。

□ ラスボス
 それは長い30kmだった。最近累積標高の多いブルベに出たり、ブロンプトンで六甲山を登ってみたりして登坂に耐性ができてきた私にとっても、京都から奈良、奈良から大阪は紛うことなき峠であった。京都から奈良は県境という名もなき峠(鳥谷池辺り)、その後の短い激坂、そして清滝峠。そして物理的に平坦になってからは、おびただしい交通量と荒めの運転。さらに信号峠。お尻の痛みは下りや平坦で特に強くなり、信号でのストップ&ゴーでは激痛を感じるまでになっていた。しかも雨がまた時々降るという…。
 結局、予想より40分ほど遅れてのゴールとなった。ご飯とみそ汁、飲み物が準備されており、ありがたくいただいた。行きのタクシー代を取り戻すべく自走で帰宅、無事子守を交代して昼寝中の子どもと一緒に寝た。

□ 所感
 自分でも驚くほど眠気が出なかった今回。後半でカフェインが効くよう、約1週間前からカフェイン摂取を控えていたのが効いたし、寝貯めよりは連日きちんとした睡眠時間を取ることが大事だと分かった。初めての経験なので次もうまくいくかは分からないけれど、200kmとほぼ同じ荷物のまま走れて、宿のチェックイン時間を気にしなくてもよいので、条件が整えばこの走り方も悪くないなと思った。
 ゴールデンウイークにヘブンウィークと呼ばれるブルベシリーズや、1000km以上のブルベが各地で開催された様子をTwitterで見ていて、また1000km走りたいなと思っていた。が、今回夜スタートというだけで、600kmだけで、体のいろいろな場所が痛くなってしまい、過去走った1000kmのときのつらさを思い出してしまった。実際にエントリーする前に課題を思い出せてよかったと思う。
 これで今年も何とかSRを獲得できた。今年は400kmの100周年記念ブルベもあり、もう少し参加する予定にしている。[場所・大阪][場所・京都][場所・滋賀][場所・福井][場所・岐阜][場所・愛知][場所・三重][場所・奈良]

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