![]()
今年もブルベでSR獲得を目指して、3月から5月にかけて3本をクリア。
残るは600km。近年酷暑の日本、7~8月は600kmブルベが2本しかなく、早めに6月に走ってしまいたかった。で、6月の土日の中で一番都合が付けやすい週で、惹かれたコースがAJ西東京開催の600kmだった。前週に400km走っているので、疲労がまだ残っているかもしれない。スタート地点の近さや交通費も考えると翌週のオダックス近畿のを選ぶのが順当だったが、子どもの習い事と重なっており、振り替えると半日の有給休暇を2回取らねばならないということに耐えられなかった。なので、自分にとっては思い切った勝負だった。
– – – – – – – – – –
<目次>
□ 準備
□ 静岡
□ スパランドヌール/ズ
□ 諏訪湖~甲府盆地
□ 富士半周~道志
□ 課題・目標
– – – – – – – – – –
□ 準備
今年はリハビリ期間の位置づけ。今回もくロードバイク(HGSBT)で走る。

AJ西東京は初参加だが、東京発着のブルベは昨年AJたまがわを走っている。
制限時間ぎりぎりのゴールとなったこのときの反省はいくつかあるが、その1つが、計画より行程が遅れてコンビニ受け取りのセルフドロップバッグが役に立たなかったことだ。ほとんど中身を入れ替えず、バッグを送り返す時間だって惜しいのに、まさに徒労。なので、今年からはできるだけ“荷物全部持つ”スタイルでいく。コインロッカーやドロップバッグは使わない。…その気になれば荷物は少なくなるもので、意外と重くならなかった。
さてこの諏訪湖600、距離602.4kmに対して累積標高6,905m、後半に登りが待っているという心理的ハードルは高めのルートである。
早朝スタートの600kmの場合、仮眠場所は330~360km辺りで探すことが多い。このルートであれば327km地点という絶好の場所に諏訪の快活クラブがある。が、東京のブルベは参加者が多く、皆考えることは同じだろうと、あえてここは候補から外した。PCの制限時間がなくなったのを利用し、もっと手前の270km付近のむかわの湯で温泉に入り、付近で仮眠を取る作戦にした。近くにコインランドリーがあるのが決め手だった。アルミブランケット、マット、ランドヌール/ズにはお手製輪行袋でおなじみのPEKOさんのULお着替えポンチョ(販売サイト(不定期))、100均の使い捨てパンツ、靴下などを準備した。梅雨でもおかしくない時期だが、幸い雨はほとんど降らない予報。

もちろんレインウェア上下は持って行く。新幹線の終電に乗りたいので、飛び乗った後に着替える軽装もパッキングした。
体調のほうは、仕事やら先週の400kmブルベやらの疲労が残っていて、あまり予習はできなかった。このブルベの過去のレポートを検索してみたが、豪脚さんのレポートが多いと感じ、あまり参考にならないと判断した。新幹線終電に間に合うには38時間台ゴールがマスト。近い時間帯のレポートを探し出して参考にした。
前日、職場から最寄りのJR駅に自走して輪行。ひさしぶりのディスクロード輪行で手際が悪く、早めに職場を出たものの、予定通りの電車になってしまった。新幹線輪行は、去年アプリのスマートEXの存在を知って、PiTaPa(関西の私鉄系ICカード)で在来線で乗り降りできるようになってすごく楽になった。職場で夕飯を買っておいたので余裕を持って乗り換えできて、新横浜まで楽々。古淵駅周辺のコンビニで夜食と朝食、補給食を買って、ネットカフェにイン。早めに寝ることができた。
□ 静岡
3時過ぎに起きてスタートに向かう準備をする。他に参加者がいそうな場所だったが同業者はおらず。地元の人が多いのかもしれない。スタート地点の公園に行くと、すでに参加者がいっぱいいた。40人まで数えたところでブリーフィング開始。

5時出走。男女問わずついていけないほど速い人がやたら多く、自分が本調子でないのを実感する。脚の合う人がおらず、抜かされたと思ったらドラフティングできれば余裕でついていけて中途半端だったり、6人以上のトレインの最後尾に追いやられてしまって走りにくかったりした。適宜先頭に出るが、誰かとローテーションを組める雰囲気にはならず。前回と前々回、いかに楽させてもらっていたかを実感する。
時々富士山が見える。あまり景色を見ていないので、誰かが写真を撮っているのを見て気づく。カジュアルに富士山が存在する地域が関東にはあることに軽い衝撃を受ける大阪人―。

平塚にて。ベルマーレ平塚の平塚でしょ?サッカーチームがあるような都市で富士山が見えるだなんて。
ペースは良好で、2時間以上経過してもグロス22km/hだったので驚いた。65km地点、真鶴(まなづる)のコンビニで休憩。休憩しなくても113km地点のPC1まで行けそうだったが、脚が合わない問題で少しうんざりしていたので気分転換することにした。涼しいと感じていたが、停まると滝汗が出た。これから暑くなりそうだ。


熱海の景色はよい。この後に4kmほどのヒルクライムがあり、結構しんどかったので、”こんなんで終盤の富士山周りは大丈夫なのか?”と不安になった。それにしても意外と静岡県が近かった。
113km地点、PC1のコンビニに、目標時間より50分ほど前に到着。目標時間というのは、終電クリアに加えて、途中で温泉に入って仮眠するための時刻設定。余裕があることに安堵する。スタッフさんもおられて、このルートが約10年前から走りやすいように改良を重ねて来られたものであることを知る。次の補給は73km先のPC2の予定だったので、しっかり補給しておく。
まだ快調に走っているところ、前を快速で走っていたパンダ耳を付けた女性ライダーが停まっていた。富士山が見えると教えてもらったので、私も写真を撮ることにした。あまり景色を見ずに走っているので知らせてもらえるのはありがたい。

深沢川のほとりにある伊豆の国市の広瀬神社
余談だが、仮装とかデカぬいぐるみとか過剰積載とか、空気抵抗や重さを増して走っている人はすごいと思う。

オプション1、千本浜公園、沼津の海沿いの道。残念ながら富士山は雲の中。少しスマホを触っていたら、もう誰もいなくなっていた。オプションから普通ルートに早めに抜けた人もいるようだ。
お昼、気温は天気アプリ上では24~25℃だが、日差しがあって暑い。県道380号、国道139号に出たところで、臨時で飲料休憩を取ることにする。若干お腹がチャポチャポするが、しっかり飲んでおく。フローズンレモンもゲットして、首筋に突っ込む。あまり暑くないから溶けないかと思ったが、次の通過チェックに着いたときには適量溶けていた。やはり結構暑かったのだろう。
何kmかすれ違い区間があり、

172km 通過チェック1 東海道広重美術館/由比本陣公園 広重美術館の石碑
温泉プランから50分くらいの余裕がある。さらに14km、走りやすい道が続く。186km地点、PC2のコンビニに到着。暑いが食欲も大丈夫。体の調子はよさそうだ。
□ スパランドヌール/ズ
山梨県に入り、南部町という所で誰かが写真を撮っていたので、よく分からないがつられて撮る。

後から調べると、福士洞門という長いシェッドが写っていた。
255km地点、韮崎市のPC3のコンビニに、温泉プランから50分くらいの貯金で到着。貯金が増減していないので、まあ最初以外の計算の正しいこと。温泉プランが実現しそうで嬉しかった。夕飯+仮眠前後の補給など食品を多めに購入。トマトパスタを食べ、蒸しぱん・梅おにぎりを運ぶことにする。飲み物は甘い物に飽きて、少しならカフェインを摂ってもよいかとお茶にしてみた。ふと見ると山の方を見ると富士山が見えた。

19時前にむかわの湯の近くのコインランドリーに到着。事前に調べた通り自販機が併設されていて、小銭を準備しておかなくてもよいのがありがたい。お着替えポンチョを使って洗濯を開始、レインウェアファッションで温泉に向かう。レインウェアにはポケットがないが、今年からの試みで補給食をサコッシュに入れる運用をしていたので、そこに諸々突っ込むことができた。

ブルベ中に温泉に入ったのはこれが初めてだ。長湯にならないよう気をつけて入浴。再びコインランドリーに戻って乾燥開始。その間に小腹が空いたので蒸しパンを食べる。乾燥が終わり次第、おきがえポンチョでウェアを着る。慣れてないので着にくい。空調が効いてないのでちょっと暑い。
目星を付けていた場所に移動して仮眠。曇りだが月がわりと明るく、目が慣れたらそれほど困らなかった。が、フロントライトをヘルメットに取り付けられるマウントはあったほうがよかったなと思う。カエルやホタルで癒され、少し貯金を残し、タイトルの諏訪湖を目指す。
□ 諏訪湖~甲府盆地
富士見峠を警戒したが大したことはなく、諏訪湖から折り返した参加者を4人ほど見かけた。皆元気そうで、こちらに気づくと反応してくださる。

諏訪湖の夜景を望む。
316km地点、PC4のコンビニには25分の貯金で到着。スタッフさんがおられて雑談。まだ到着していない参加者もそれなりにいて、途中で見かけなかったか尋ねられた(全く見なかった)。快活クラブは案の定いっぱいになっていたらしい。次の補給は83km先なので多めに食料を持った。
16kmほど進み、諏訪湖を回り切って往路の道に合流する。ちょうどPC4の仮想クローズ時刻の2:00頃、諏訪湖に向かってわっしわっしと力強く登って行く自転車を2台見た。PCの制限時間がなくなって、こういう思い切った戦略が取れるのはよい。不安なのでマネはできないけど。
北上してきた富士見峠を今度は南下して登る。昨年のフレッシュで通った道(過去記事)。ペースが落ちた場所だったので警戒していたが、南下方向も大したことなかった。おかげで眠気と軽い幻覚を覚え、コーヒー休憩にした。
以降は快調で、368km地点、通過チェック2 日野春駅に貯金55分で到着。

しかし誰にも会わない。
どこかの山中っぽいところで雨が少し降る。1人参加者を見つけて調子よく抜き去ったら、千切れることなくついて来られた。今回、初のSRが掛かっているそうだ。まだ休憩していないとのことで、石和健康ランドに吸い込まれて行かれるまで前を引いた。完走されているとよいな。少し先、400km地点の通過チェック3のコンビニに貯金70分で到着。温泉・仮眠してこの時点でスタートから24時間ジャスト、ここまでは快速である。
□ 富士半周~道志
ここからアップダウンが続く。身延(みのぶ)まで来て思い出に残る見覚えのある場所が。

昨年のフレッシュで夜桜とバイクを写真に収めた所だ。

この後、真ん中の私の自転車が倒れた。
意外と覚えているもので。が、ここを過ぎたら下れると記憶していたが、まだ登り返しがあって、記憶は全く当てにならないのであった。
富士川沿いを走っていると、また雨が降って来た。それなりの粒で、レインウェアを着るか迷ったが、長くは続かないはずなので諦めて走り続けた。473km地点、富士宮芝川のPC5のコンビニに貯金1時間50分で到着。ここで、今年から試しでブルベで履いているモンベルのトレール レッグカバー ライト(#1107632)がきつくて痛すぎて、脱ぐ。400kmまでは大丈夫だったが、普通の状態でコンプレッション効果を感じる物はやはり無理だった。日焼け止めを塗るのをさぼったので、南側の右足が後で皮が剥けるほど焼けた。また、グローブは今回エルゴグリップ ロングフィンガーシックパッドの新しいバージョンに買い替えていたが、同じサイズなのに一回り大きくなっていて、たるんだ布が掌を圧迫して痛み、念のため持参していた古い物に交換した。最悪。今年新調したビンディングシューズも合ってなくて痛いし、新しく自分に合う物を探すのは本当に面倒くさい。
ここから朝霧高原の表示のほうへ行く。朝霧高原と聞いても富士山と結びつかなかったのだが、たまに富士山が大きく見えて足が止まる。


雨は止んでいても湿度が高く暑い。自販機で水を買って掛けてみたが、効果は一瞬だった。次第に車が増えて圧迫感を感じて走りにくくなる。そもそも遅くて歩行者に毛が生えた程度の速さなので、もう少しスペースを空けてもらえたらなぁ…。
鳴沢の下りで稼ぐも、車が多く走りにくい。下り切ったら川中湖に向かってまた登る。幸い、日陰があってあまり暑くなかった。ヒグラシが鳴いていたが、関西よりも鳴き声が甲高くて気になった。535km地点、PC6 セブンイレブン山中湖旭ヶ丘店で遅い昼食にする。他にも数人の参加者に会った。その中でもシングル固定ギアの太いタイヤの自転車が気になって、持ち主に思わずジャンルを伺ったが、ピストではないとのことで謎のままだった。下りではディスクブレーキを常に掛けながら進むため、下りで稼げないらしい。マニアックである。
河口湖周辺は人・車とも多く、早く脱出したいなと思った。「キャンプの聖地」と呼ばれる道志村に入ると下り基調に。2日前に開店したばかりの話題のローソンに寄ることにしていた。

554km地点、ローソン道志店
キャンペーン中とのことで、ポン太の着ぐるみがお出迎え。暑い日でなくてよかったね。

サイクルラックもあり。
お土産が豊富という事前情報のもと、子どもにお菓子を買って、サドルバッグのショックコードに挟んで結び付けた。

グミとマシュマロを購入。
下り基調ではあったが、アップダウンがあって車も若干多くてしんどかった。570kmで2kmほどのオプションルートを走り、590kmくらいから最後までは平坦。サイコンが残り2kmで電池が切れたが、リアラック付きやや重装備の参加者に引いてもらえて助かった。目標時刻より2時間前にゴールのコンビニに到着! 新幹線で食べるお菓子を購入してレシートをゲット(σ・∀・)σ ゴール受付は今野製作所駐車場。ケルビムのフレームビルダーさんだそうで。

クマのぬいぐるみたちと記念撮影。
時間に余裕があり、快活クラブでシャワーと補食を済ませてから帰ることができた。
最後に、写真だけまとめたTweetを貼っておく。
2014年から毎年(コロナ禍除く)開催、快速ルートに改良されて今に至るそう。実走での累積標高は5800mくらい。3.5時間のまとまった休憩を取っても36時間台だったので、新幹線終電も余裕。天気がよければ富士山の景色付き。遠征ブルベにオススメしておきます。 https://t.co/c2KcINuRFE
— 門川彩雷(かどかわあいら) (@ayalalmngl) June 10, 2025
□ 課題・目標
完走してみると、本格的な梅雨の前で天気に恵まれ、しかも快速ルートで、勝負に出て正解の600kmブルベだった。交通費課金でもぎ取った600km認定、SR獲得だった。一方で疲労は溜まっていて、特に姿勢が悪くなったり、首がすぼまったりする問題があった。しばらくはブルベは休んで、体力作りを優先することにした。そして、次は今年こそは、6年ぶりに1000kmブルベに出る予定だ。





コメント