まだ暑いのですが、暦は10月―10~11月といえばブルベの開催スケジュールの更新時期。ブルベ春の風物詩、チームで走るフレッシュ(Flèche)の準備を始めよう♪
2023~2024年の2回、私はフレッシュにチームリーダーで参加した。”来年フレッシュに出たい”という声を身近で見聞きしているので、初めてリーダーをする誰かの参考になればと思い、チームリーダーの仕事を中心に記事にすることにした。
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2023年のフレッシュ(過去記事) Flèche Japon2023・目指せ熊本ナイスプレイス |
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2024年のフレッシュ(過去記事) Flèche Japon2024・木曽川-富士川お花見フレッシュ🌸 |
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<目次>
□ フレッシュのチームリーダー≠統率力の高い人
□ ローカルルールを紐解こう
□ ゴール後のチームリーダーのお仕事
□ よくありそうな疑問
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□ フレッシュのチームリーダー≠統率力の高い人
フレッシュの詳しく正確なルールはAudax Japanのウェブサイトを参照いただくとして、簡単にまとめると、フレッシュはイースターの日にある場所(ナイスプレイス)に集結すべく、自転車3~5台で24時間ちょうどで360km以上を走るというイベントだ。フレッシュ(flèche)は矢という意味で、折り返したり交わったりしない矢のようなコースを自分たちで考える。イースターは「春分の後の満月以降の最初の日曜日」なので、検索しておけばあらかじめ日程が分かる。満月に近い日で晴れていれば、夜道を”ほぼ満月”を眺めながらチームで走ることができ、ことさら特別感が味わえるし、桜の時期と重なることもある。地域によっては時期をずらして開催されることもある(2024年AJ北海道は6月、韓国は10月など)。Audax Japanのサイトに「フレッシュは準備、開催、結果整理に大きな労力を要するので、すべてのクラブが開催するわけではありません。」とあるが、実施される場合はおよそ10~11月に公開されていることが多い。特にランドヌ東京(R東京)、AR日本橋、ランドヌール熊本(R熊本)はここ例年開催されている。来年はオダックス近畿でも予定されている。
初めて参加した2023年度のR熊本フレッシュのときの当チームのスケジュールを参考に載せる。
| 10~11月 | メンバー集め、チーム結成 |
| 11月 | コース案募集 |
| 1月中旬 | コース決定 |
| 1月下旬 | チーム名決定 |
| 2月1日 | 申込受付開始。同日、申込ファイル送付。 |
| 以降、ルート・PC修正、メンバー変更、参加費用支払いなど。 | |
| 3月中 | 諸手続き完了。ブルベカード到着。 |
| 4月7日(金) 6:00~4月8日(土) 10:00 スタート。当日までにブルベカードをメンバーに配布。 |
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参加申込は2024年度の場合、AR日本橋が最も早く11月1日から、R東京は12月22日から、R熊本は1月10日からとなっている。R東京は予告では1月初旬~中旬となっていたので、準備はしていたものの慌てた記憶がある。フレッシュのチームリーダーは、上記の事務作業を抜かりなく淡々とこなし、主催の担当さんとやり取りをするのが仕事。なので、年末~年度末に掛けて超多忙であるとか、ルート修正が苦手(≒Ride with GPSがうまく使えない)とか、普段から事務作業でミスが多い、文章の見落としが多い、行間を読むのが苦手、な人には負担が大きくて向かない。作業自体を他のメンバーに依頼することはできても、窓口はリーダーなのでTo Doが一旦自分に降り掛かり、それを処理する必要がある。そういうわけで、”リーダー”といえばチームの旗振り役や走行計画ができる人だと思いがちだが、フレッシュのチームリーダーはちょっと違う。
チームリーダー最大の仕事は、ブルベカードを管理すること、だと思っている。チーム全員分がまとめて送られてくるのを、当日までにメンバーに会えなければ、忘れずに全てをスタート地点まで持って行かなければならない…。私のチームは皆比較的近くに住んでいたので、2回目のときは事前打ち合わせの場をもうけて各人に押し付けたε-(´∀`*)ホッ 事前に記入する部分もあるので、前日までにメンバーに配布するのが理想的である。
□ ローカルルールを紐解こう
フレッシュを開催するクラブは限られるので、フレッシュで初めて参加するクラブも多いと思う。クラブ別にローカルルールがあるのが普通なので、普段のブルベの実施要項や規定はまず読んでおく。余談だが、R東京のBRMではブルベカードは各自印刷、BフォームというGoogleフォームを使って出走受付・スタート車検済み・DNF連絡を行うという、興味深いシステムになっていた(フレッシュはBRMではないので当てはまらない)。それらとは別に、フレッシュにもローカルルールがあることが参加してみると分かり、以下はコース作成について記していく。
フレッシュのコースは、PC間が最短距離になるように通さなければならない。回り道するならPCを設定する必要がある。これがなかなか面倒で、1回目のときはRide with GPSでいろいろなルートを作ってみては比較し、PCを設定しまくった結果、13個にもなってブルベカードが2枚になってしまった(担当さんから削ってよいPCを指示され最終9個になったが、ブルベカードは最初のバージョンの印刷でいただいた)。2回目、R東京ではNAVITIMEの自転車ルート検索(ウェブサイト)の利用が必須になっていた。これがスマホでは実質使えず、しかも直感的に扱えず、慣れないと非常に使いづらくて戸惑った。が、検索条件を「距離が短い」とすることで最短ルートが分かるという、フレッシュの用途には最適なサイトだった。このたび、旧中山道の未舗装路が真の最短ルートだった箇所があったが、そこは舗装路に回避されていたので、あまり疑わずに使ってよいと思う。
フレッシュでは24時間で走行した”距離も”認定される。事前に申請したコースの±20%以内、かつ360km以上が条件。22~24時間の2時間で25km以上走行している必要がある。R熊本では、”予定のナイスプレイスに早くついて時間調整するチームは追い出される”という旨の注意があり、”24時間しっかり距離を稼ごう”という気持ちでコースを作った。その他、事前に22時間地点を申請する必要はなく、例え申請したPCより手前で22時間になっても、実際の場所・距離・時刻を証明できればよい、と自由度が高かった。24時間地点(ゴール)も同様となっている。場所柄、コンビニレシートでの証明が難しいコースもあるからだろう。当チームではPC9が22時間予定だったが間に合わないためPC8に変更、下りを生かして2時間38kmで、24時間地点はギリギリ360kmのここだった。

事前にGoogleマップのストリートビューで見たときは白くなかったんや…。
時刻の証明はスマホのデジタル時計アプリで見やすく写真に撮れるようにした。
R東京では、22時間地点と24時間地点(ゴール)はコンビニなどのレシートでの場所・時刻の証明が必須だった。つまり、22時間が近づいたらコンビニに困らない場所に出るようなコースを作る必要があった。22時間地点とゴール間にPCは設定できず最短距離になるよう指定があり、予定のゴール地点に時間に余裕を持って到達しても、それ以上は距離が伸ばしづらい。参加チームが多いため、事前申請をきっちりやって、ゴール手続きをスムーズにしようという工夫だろう。
距離は、どちらも安全・通行止めなどの理由での迂回は実情に沿って認定されるようである。ただ、実際にゴール後に”○km伸びたんです”と証明するのは、疲れやら受付の慌ただしさやらで大変そうだと感じた。ちなみに当チームのR東京フレッシュでのコースは、NAVITIMEの最短距離でゴール予定は360.1km地点(ルート上は364.4km)で、実際のゴールは3.6km先のコンビニに変更したので確か363kmで申請した。
□ ゴール後のチームリーダーのお仕事
ゴール後、チームリーダーにはゴール手続きをするというお仕事が残っている。到着時間にもよるが、24時間経過後のボーっとした頭で、メンバーにブルベカードを記入してもらい、全員分のブルベカードとレシートを回収し、PCで撮った写真はお気に入りにしておいてすぐ提示できるよう準備して、ゴール受付に行く。全員行くと狭くて邪魔になるので基本1人で行く。ブルベカードには各PCに到着した日付+時刻、22時間地点の場所・距離、24時間地点(ゴール)の場所・距離を記入する。


認定証は1年以上経過して忘れた頃に各メンバーに届く。

フレッシュにはメダルはないが、このような記念品をいただけることも。
□ よくありそうな疑問
以下、少ない経験から勝手にQ&Aを作成。間違いあれば指摘してください。
Q. 休憩は2時間までだそうですが、合計ですか?(((((;゚Д゚))))ガクブル
A. 1回の休憩が2時間までです。
Q. フェリーを使って海を越えてもよいですか?
A. OKです。ただし、距離には含まれず、停車してから2時間以内に走り出さないといけません。 (R熊本定番(?)の国道九四フェリー 三崎港~佐賀関港は、うまく調整するとちょうど2時間弱です。)
Q. 道が交差するコースはダメだそうですが、立体交差は大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。
Q. 最短距離を行かなければならないので、行きたい所があるのですが寄り道は絶対ダメですか?
A. 寄り道してもダメではないですが、認定距離は増えません。 (フレッシュには距離が認定内容に含まれるため、”距離を稼ぐ”という理念があります。大きくコースから逸れるとその理念に反する可能性があります。寄り道が休憩と見なされれば、2時間以内の制限があるかもしれません。)
Q. ゴールとナイスプレイスは遠くてもいいんですか?
A. ゴール受付に間に合えば移動手段は自由です。ただし、ナイスプレイスに向かう兆しがあまりにも見えないようなゴール位置だと、主催者から注意される可能性があります。
Q. レシートによる証明が必要な場所で、メンバー全員が同じ時刻のレシートを取れなかったらどうなりますか?
A. トイレ・その他はできれば後回しにして、まず買い物を済ませて、できるだけ同時にレシートを取得しましょう。あとは主催者の判断になります。 (メンバー間で15分の差があって、認められなかったという噂があります。)
Q. 他のチームとゴール場所と時刻がかぶって、メンバー全員が同じ時刻のレシートを取れなかったらどうなりますか?
A. 各チームのリーダーが優先して24時間ちょうどのレシートを取得、メンバーはその後にできるだけ続いて取得しましょう。あとは主催者の判断になります。
Q. ゴールに早く着きました。ちょっとくらい早い時間のレシート(写真)でも大丈夫ですか?
A. ダメです。必ず24時間経過していなければなりません。数分の遅れは、主催者の判断によります。
来年のフレッシュ初参加の人たちに幸あらんことを(・∀-)-★



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