いこうよ、ブロンプトンでブルベに♪ ~SR獲得への道~

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 この記事は、payanecoさん(Twitter (X))主催のロードバイク Advent Calendar 2024 17日目に参加して書いています。前日はNなAおOさん(Twitter (X))の「韓国料理のおすすめ」です。NなAおOさんのTwitter (X)の固定ポスト、”宮城1000 ママチャリの大冒険”の際には同じブルベに参加していて(ロードバイクで)、竜泊ラインをご一緒させていただいた思い出があります。
 ロードバイク Advent Calendarには過去にも参加し、以下のような記事を書きました。

毎年投稿の場をもうけてくださり、ありがとうございます。
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<目次>
□ はじめに
□ 勝算
□ ポジションと漕ぎ方
□ 装備・パッキング
□ 走行記録
□ 最後に

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□ はじめに
 最初に簡単な自己紹介と自転車遍歴を。7年ほど前にクロスバイクからの乗り換えでブロンプトンを購入。ロードバイクでなくていいや、と旅行や出張先に輪行しようと思って買うも、1年も経たずに速さに憧れてロードバイクを購入。しかし乗る機会が少なくてもったいないと感じ、距離を増やそうと2018年からロングライド・ブルベを始め、初年でSRを獲得できてブルベにはまりました(連続SR獲得を更新中)。2年前のとあるブルベ前日夜、輪行状態で歩き回る用事があり、移動が楽なブロンプトンでブルベを走ってみることにしました。それで200kmブルベを完走できたことでなんとなくブロンプトンでのSR獲得を目指したのですが、修理やらDNFやらでその年度は叶いませんでした。その翌年というのが今年になるわけですが、幻のブルベ新年2023年11~12月に600km・300kmを完走、その後は200・400・300・600kmの順に完走しました。参加しているうちに、ブロンプトンは省スペースで輪行が楽なこと、輪行と自走の切り替えが容易なので前泊の宿が駅から離れていても苦痛でないことから、できればなるべくブロンプトンでブルベを走りたいと思うようになりました。
 本当はそれぞれの走行記録をアップしてから総括する記事としてAdvent Calendarに臨みたかったのですが、産休・出産に重なり、予想以上に時間が取れませんでした。産休中にできると思いますやん? できなかった理由はここでは省きますが、後日走行記事を追加していくつもりですので、よかったらTwitterでフォローしていってください。寝不足も相まって文章のまとまりが悪いであろうこと、後日加筆修正が入るであること、ご容赦くださいませ。
 この記事を書いた理由は、ブロンプトンブルベを布教し、トレインを自然発生させて楽に走りたい&トラブルで共助したい、という願望からです。記事を読んで、すでに手元にブロンプトンがある方にはブルベの相棒としての可能性に気づいていただき、ブロンプトンを買おうか迷っている方にはどの車種でどんなカスタムをしてブルベを走るか思い浮かべて近日ショップに足を運んでいただきたいのです。

□ 勝算
 ブルベで時間内に完走できるかどうか、という見込みについて。いわゆる山岳・グラベルなど特別ハードなブルベでない100kmあたり累積標高1000m前後のコースに限定した話です。私はロードバイクでの完走経験から、600km程度の距離をこなすことに関しては自信があり、休憩場所・時間の計画にも慣れているので、そこから見積もっていきます(世の中には小径車・ブロンプトンだけでブルベに挑戦する人たちもいて、ちょっとすごすぎて私にはマネできません…)。まず200~300kmであれば、ロードバイクの速度より全区間で1割引き、で概算できると思います。ロードバイクでのグロスが17km/hであれば、10%落ちるなら17km/h×0.9=15.3km/hとなり、200kmの最低速度約14.8km/h、300kmの15km/hを上回ります。ね、走れそうでしょう? 400kmも最低速度は約14.8km/hなので、仮眠が不要であればいけますね。ロードバイクでグロス18km/h望める人であれば、18km/h×0.9=16.2km/hとなり、600kmブルベだと3時間ほどまとまった休みに充てられます。ね、走れそうでしょう?
 さて、私がどれくらいの走力があるかと言いますと、ブルベでは平坦路でネット20km/hを切らないよう走っているにすぎません。過去ロードバイクで測定した私のベストFTPは160W (PWR 3.08)で、トレーニングできてない最近は多分3倍もないと思います。距離をクリアした経験さえあれば、普段の平坦路で25km/h以上を無理なく3分くらい維持できれば十分だと思います。早朝スタートの600kmの場合、1週間前から睡眠負債をなくしてカフェインレス生活をした上で、350km地点をめやすに仮眠、コースに応じて貯金ゼロ~借金30分まで休む計画にしています。これはロードバイクでもブロンプトンでも同じです。ペースを上げすぎると疲労で眠くなるため、睡眠時間を稼ぐためにペースを上げるということはあまりしません。
 ブロンプトンではなぜスピードが落ちるのか…? 難しいことはよく分かりませんが、とりあえず車体が重い(約12kg)。体勢がアップライトになるから空気抵抗が大きい。アップライトだとお尻も痛くなりやすい。ブロンプトン愛好者がしばしば物を詰め込み過ぎるフロントバッグが空気抵抗を増している。ブレーキが利きにくくて、特に下りであまり稼げない。車体の剛性が低いらしく、降雪地帯でよく見られる縦溝(グルービング工法)の下りに至ってはシミー現象が起こる。速度が落ちて時間が掛かる分、休憩回数が増えてグロスタイムはさらに落ちる。だけどブロンプトンで走りたい―以上のような問題点をいくつか克服できれば、速度は落ちにくくなるはずです。

□ ポジションと漕ぎ方
 私のブルベの相棒は内装3段・外装2段の6段変速・リアラックなしのC Line Exploreで、ほとんどカスタムはしていません(チタン製12速のT Line Exploreでも走りましたが、その話は最後のほうで)。登りでの足への負担を考えると変速は多いに越したことはないですが、デフォルトのままでも結構走れるんですよ~という話をしたいです。この項目では、自転車を体に合わせるごく手軽なカスタムと、体を自転車に合わせるコツについて書いていきます。
 ブロンプトンはワンサイズで適応身長は145-185cmとされています。私は155cmで現状のポジションに大いに不満がありますが、カスタムからのトラブルに漠然とした不安があり、フレーム保証が利かなくなったり、ブロンプトンの特徴・メリットが失われたり、単純にお金が掛かったりするので、慎重に進めたいと考えています。
 ポジションを決めるにはまずサドル位置から。ブロンプトンに限らず決め方の1つとして、ペダルを逆回転させて回しやすい位置にするというのがあります。折り畳みでシートポストを頻繁に伸縮させるにあたって、サドル上限を決められる「サドルハイトインサート」という樹脂製のパーツがあります。これ、便利です。道中でサドル高を気軽に調整できるのが折り畳みの利点なので、少し余裕をもたせた上限がよいと思います。サドルの前後位置は、私は後ろ寄りにしています。ワンサイズのため身長が低いとサドルは前に出がちで、急ブレーキの際に体が前に吹っ飛ぶ恐れがあるためです。ブレーキを掛けるときは、両足首を甲側に曲げて股関節もロックして、ペダルを踏んで反作用で体を前に出さないようなイメージをもっています。
 ハンドル位置は、高さが変えられないのが悩ましいところ。C Line Exploreは最もハンドル位置が低い車種ですが、私のサドル高だとハンドルのほうが高くなり、かなりアップライトな姿勢になります。

最近知ったことですが、実はMハンドルのほうがステム高は低く、ハンドルを変えればハンドル高を下げられるそうです。ブロンプトン購入検討中のサドル低めの人はこれも念頭に。その他、ライザーバーという本来はハンドル高を上げるものを前後上下の位置調整に使えるようで、私も検討中です。ただ、ブロンプトンの場合、ハンドルを前に突き出すと折り畳み時に付属ステアリングノブがキャッチャーに届かなくなってパカパカ開いてしまうので、取り付け方か畳み方のどちらかが制限されます。
 私は現時点ではハンドルはそのままで、グリップをエルゴン(ERGON) GP5にして、角(バーエンド)を前に出して取り付けています。

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畳むときは、バーエンドがリムに当たる部分は保護し、ハンドルバーステムとヒンジより前の部分をマジックテープやベルトで固定して、開かないようにしています。
Brompton折り畳み
このひと手間をどう捉えるかは人によるでしょう。このグリップの角のおかげで、DHバーのように前傾を取る、坂で引っ張って体を引き付ける、押す、引くなど、いろいろな体の使い方ができます。

貴重な走行写真。こんな感じで12%くらいまではシッティングでゆーっくり登ります。それ以上は立ち漕ぎか押し歩きです。
 ポジションを突き詰めることができたらベストではありますが、私の場合は自転車に体を合わせました。ペダリングに影響の大きいクランク長が、デフォルトでは170mmで、身長155cmの私には長めです。身長に適合する市販のロードバイクでは恐らく165mmがデフォルトで、今はわざわざディズナ(DIXNA)のラ・クランクの155mmを使っているくらいですから。クランクが長いと上死点付近でやや股関節が窮屈になる一方で、サドルを上げて股関節を楽にしようとすれば、下死点が低いのでお尻が下から押されるようになって痛くなってしまいます。なので、股関節はやや窮屈のまま、ペダリングの際にチェーンに沿うような前後を意識した漕ぎ方、11時〜1時で漕いで上死点で死なないようにして、後は脚の落ちる力を利用するようなイメージで漕いでいます。
 この前後を意識した漕ぎ方で最大の難点は、雨天で靴がペダルから滑りやすいことです。下りでペダルから足が外れると危険。なのでデフォルトの片側折り畳みペダルから、ピンがしっかりしていて取り外しのできる三ヶ島(MKS)のALLWAYSに変更。
ALLWAYS
ペダルの剛性もやや上がるようで走りやすいですが、重くて厚いのでベストだとは思っていないです。かといってビンディングペダルにするのもねぇ…。
 靴底の適度な剛性も、足の負担を減らすためには大事なことだと思っていて、私はアウトソールが硬めのゴアテックス(GORE-TEX)のウォーキングシューズを購入し、ソールスターのツアーインソールを使っています。一生懸命漕いだ力が速度に反映されず、アウトソールの変形にしかならないのはもったいない。…と思っていたのですが、サンダルとかマリンシューズとかで走れちゃう人もいます(汗)

 C Line Exploreの6速は当然1段階の差は広く、ちょうどよいギアを選択するのは難しいです。軽いギアでケイデンスを上げて速度を上げるのは上記のポジションからして難しく、また左手外装2段と右手内装3段をガチャガチャする度に足を緩めて失速してしまうので、ギアを変えるのは少なくして重めのギアでの立ち漕ぎが多めになっています。脚への負担はロードバイクに比べると大きいと感じていて、外装7段のカスタムが流行っているのも頷けます。

□ 装備・パッキング
 ブロンプトンはコンパクトなベルとフェンダーが標準装備だからブルベ向きだよね。前照灯のうち1灯は、デフォルトでは反射板が付くブレーキキャリパー前にキャットアイ(CATEYE)のマウントを挟むのが定番。もう1灯はハンドルに付ける人が多いでしょうか? 私のSハンドル(バーハンドル)はハンドル径がテイパーしているのと弧を描いているのとで、真っ直ぐ前を向かないのが難点です。リアライトはやはりデフォルトでは反射板が付く場所にキャットアイのマウントを付けるのが定番。ロードバイクよりもかなり低い位置にあるので、リアライトはもう1灯付けることをお勧めします。
 積載量に関してはブロンプトンはあまり心配が要りません。フロントバッグをはめるキャリアブロックの耐荷重10kgまで。リアラックはオプションになりますが、取り付けると10kgまで積むことができます。リアラックに積載すると”おすわり”のスタンドが使えなくなるので、スタンドを付けるか立て掛けるかする必要があります。
 以下、私の装備を写真で簡単に紹介します。


<ハンドル周り>
サイコン(Garmin)
Bone シリコン製 スマホホルダー
キャットアイ フロントライト(下付け)
アピデュラ(Apidura) フードポーチ(多分0.8L)×2個
1つはボトル用、もう1つは補給食とごみ入れ用
<トップチューブ>

トゥーフィッシュ(TWOFISH) クイックケージアダプター(Quick Cage Adapter)
横向きボトルに炭酸飲料を入れると、軽微な振動でも盛大にブシャるので注意。
アピデュラ ドライ エクスペディション トップチューブバッグ レギュラー (0.5L)
トップチューブバッグは仕切りを取り除いてあり、ブルベカード、結束バンド、はさみ、レジ袋などをイン。
<三角のあの隙間>
R250 ブロンプトン用フレームインナーバッグ
工具入れとして使用。以前はハンドルバーステムにトップチューブバッグを取り付けていたが、これを使うようになってからは出番なし(空いたハンドル周りのスペースに、2つ目のフードポーチが鎮座)。
<バッグ>
フロントバッグ: LA LA LA Company ブロンプトン ミニツーリングバッグ
メーカーが廃業したのか商品ページが消滅。内寸 横33cm×幅15cm×高さ20cm程度(10L?)。雨のときはレインカバーをして、ラミネートしたキューシートをバッグにゴム紐で取り付けている。
サドルバッグ: アピデュラ(Apidura) レーシング サドルパック (5L)
タイヤとのクリアランスを考慮しなくてよいので大型も取り付け可能だが、高重心で振られる感じがするのでほどほどに。5L程度なら大型フロントバッグ1個にまとめて入れることもできるが、サドルバッグで後輪荷重を助けてブレーキを利きやすくしている。

□ 走行記録
 今まで走ったブルベを距離ごとに並べました。ブログに記事があるものはそちらをリンク、ないものは後日でき次第順次リンク予定です。まとめてみると、雨ではDNFしたりになったり速度が落ちたりと、難易度が上がっているのがわかります。
<200km>
赤いブロンプトンで紅葉狩りブルベへ ~本編~

初ブロンプトンブルベ、200km・累積標高2500mのコース。トラブルなしのビギナーズラック。11時間台ゴール。
今年初のブロンプトンブルベ、牛窓@岡山県瀬戸内市まで
パンチのある坂はあるも、走ってみれば走りやすい快走コース。12時間台ゴール。
<300km>
ブロンプトンでブルベ&SR獲得を目指して300km@2戦目

幻となった昨年12月のブルベ。申し合わせていないのに4台集結、全員完走!
紫芋兄さん(Twitter (X))とさこっちさん(Twitter (X))とのんびりゴール。
BRM428近畿300km姫路 コウノトリと天の橋立
【ブロンプトン】SR目指して3戦目・姫路から天橋立300km【ブルベ】 (2025/1/6追記)
300km・累積標高3100m。パンチのある坂は時々あるも、姫路を抜ければ信号の少ない走りやすいコース。17時間台ゴール。
<400km>
BRM420近畿400km泉佐野 和歌山一周
【ブロンプトン】SR目指して400km・和歌山の山と海【ブルベ】 (2025/1/1追記)
400km・累積標高4500m。雄ノ山峠というきっつい登坂が最初と最後にあるが、山中は信号が少なく意外とよいペースに戻せるコース。終盤で雨に降られるも24時間台ゴール。
<600km>
雨中DNF: 新車ブロンプトンで600kmブルベへ
ブロンプトンブルベ2戦目。雨でサイコン・スマホでのルート確認を怠り、休憩後に道に出る方向を間違え8km逆走の末DNF。
ブロンプトンで600kmブルベ+自転車キャンプ風味 ~海の郷 山の里~
SR獲得に向けて早めにチャレンジした600km、しかし幻となった昨年11月のブルベ。天候に恵まれ完走したものの、右足の第2-3趾がしびれ痛くなるというモートン病に。無理(・A・)イクナイ!! 39時間台ゴール。
BRM601鬼怒川600
【ブロンプトン】【半分】SRリーチ・AJたまがわ 鬼怒川600【大雨】【ブルベ】 (2025/1/8追記)
AJたまがわに初参加。600km・累積標高5100m。妊娠3ヶ月、トイレが近くて停車のたびにトイレ休憩を要して時間をロス。最後20kmを切ってから、突然それまで好んで飲んでいた飲料を受け付けなくなった(多分つわり)。関東ならではの渋滞、後半の雨天で速度が伸びず、3分前ゴールと苦戦するも、念願のブロンプトンSR獲得!
BRM622近畿600km茨木 イバラキイバラキイバラキ ~petit~
大阪の茨木から金沢の茨木までの300kmを往復するコース。往路のみ300kmと同時開催で、韓国のブロンプトンランドヌール ソンさん(Twitter (X))の来日・参加に合わせて、紫芋兄さん、さこっちさんと一緒に参加。妊娠4ヶ月、楽に楽しく走りたかったのでT Lineを選択。序盤は27km/hで琵琶湖沿いを快走する皆さんについていくのがしんどかったものの、250kmを過ぎるとソンさんと2人だけに。T Lineは男女差、妊娠による不利を埋められる機材といえる。男女ペアでブロンプトンを楽しむならCとTの組み合わせがきっとベストだ。後半は天候不良で、SRも確定していて無理に走る必要もないと思い、またソンさんと300kmゴールまでご一緒できたことに満足したので紫芋さん、さこっちさんとともにDNF。なお、続行した方々は荒天で通行止め・迂回に遭遇し、普段余裕の時間にゴールを決める猛者たちが39時間台でゴールされていた…。

□ 最後に
 長々と書きましたが、手元のブロンプトンもしくはこれから購入するブロンプトンで200km走ってみましょう。次のPBP、今から走行を積めば間に合うかもしれません。ブロンプトンは皆同じグループでスタートらしいですよ?
 明日のロードバイク Advent Calendar 2024はばるさん(Twitter (X))の「携帯可能な電動ポンプの歴史と現在」です。

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