◇ストレッチと筋トレ
ストレッチの威力を知ったのは、ロードバイク・サイクリングには関係ないときでした。脳梗塞で入院した知人を見舞いに行った2回目のこと。前回会ったときには麻痺でほとんど動かなかった指が動いているじゃないですか。「動くようになったんですね!」と言ったら、「さっきリハビリの先生が来て、ストレッチしてくれたんです」と。そうしてしばらくすると動きが鈍くなって、自分でストレッチしてまた動きがよくなる、という状態を見せてくれました。麻痺で体が固まるのを予防するために動かしたりストレッチするのは知っていましたが、運動面で即効性もあるんだなぁと感じた出来事でした。
ストレッチを日常的にするようになったのは、人生2回目の100km試走で腸脛靭帯炎になったのが切っ掛けでした。いわゆる腸脛靭帯ストレッチを始めて(靭帯がストレッチくらいで伸びたら困るので正しい表現ではないけど)、自分の体の固さが分かるようになりました。そのうちに、筋トレするにも筋肉が十分な範囲動かないと鍛えられないことに気づき、ストレッチの種類を増やしていきました。走った後に痛くなりやすい筋肉はよく使う部分と心得て、そこを鍛えるためにまずストレッチ(あるいはマッサージ)で動くようにするとともに、動きやすい筋肉に過度に負担が掛かってしまっているかもしれないことも考慮して、周辺の筋肉のストレッチもしています。
<上半身・上肢>
・肩甲骨周り
【肩甲骨を伸ばすストレッチ/ コニカミノルタランニングプロジェクト】
肩甲骨周りが硬くて猫背のように姿勢が悪いと呼吸に悪影響がある、とよく聞くので取り入れています。またこれにプラスして、脇の下の前側(大胸筋)と後ろ側(広背筋)をよくもみほぐすと腕の回転がよくなるので、四十肩の予防と思って続けています。大胸筋はロングライド後に筋肉痛になったことがあるので、わりと酷使していると思います。
・広背筋
上の続きで広背筋のストレッチについて。広背筋ストレッチというと、

だいたいこういう感じの絵が多いですが、広背筋はいろいろな骨から生えているので、本当はいろいろな方向に伸ばさないと伸びやすいところしか伸びないのではないかなと思います。体を横に倒すと横っ腹も伸びるので、せめて座って肋骨の下は真っ直ぐにして横っ腹の動きを制限して、上半身だけ伸ばすほうが効果的かなと。なかなかそれが難しくて、私はこういう方法になりました。

入浴中に浴槽の縁に肘をつけて置いて、体はほぼ横向きにして、肘や腕は曲げたままでぶら下がり、気持ちよく伸びていると感じる方向を探します。始めた頃は、肋骨の後ろ側に強力なガムテープが貼られたようなビシっとした痛みがありました。異常に硬かったようです(汗) 私の場合、同じ広背筋でも腕側はさほど硬くなく、脇の下の後ろ側を時々もみほぐすくらいです。
・腹斜筋
ロングライド後に横っ腹の筋肉痛によくなり、どうやら外腹斜筋の位置に相当することが分かりました。
外腹斜筋のストレッチは、ねじる。

膝を片方伸ばしてやる方法もありますが、その場合は腰が丸まらないように注意。伸びた感じはあまりしなかったですが、体が段々横に回るようになりました。
しかし、自分の筋肉痛にはあまり効果がなくて、今はこんな感じ。

入浴中に浴槽の縁に手を置いて、体はほぼ横向き、肘や腕は曲げて体につけて、お尻は底につけたまま体を持ち上げて横っ腹を伸ばす、というのをやっています。腹斜筋は肋骨と腸骨とつながっているので“多分”腹斜筋のストレッチだと思っているのですが、検索しても似たような体勢は腰方形筋ストレッチでしか出てきません(痛いのは背中側でなくて腹側なんだけど…)(´・ω・`)
1つのストレッチが複数の筋肉に作用することもあれば、1つのストレッチだけで1種類の筋肉全体に働きかけられるとは限らないのではないかと思う今日この頃です。自分の体と相談しながらやっていくしかないですね。
<参考書>
整体やマッサージは施術者にお任せ、という人も多いかもしれません。が、パーツの知識があればより満足のいく車体のメンテナンスができるように、筋肉の知識があれば「どういう動きのときにどういう症状があるのか」を自分で分析・把握して伝えることができ、より効率よく施術を受けられるかもしれません。興味がある人におすすめの2冊を紹介しておきます。
・ボディ・ナビゲーション ~触ってわかる身体解剖~
絵がきれいで筋肉の触診方法が丁寧に解説されていて分かりやすい。これで5000円未満は安いと思う。
・クリニカルマッサージ ―ひと目でわかる筋解剖学と触診・治療の基本テクニック (DVD付)
イラスト・写真が豊富で分かりやすい(DVDは未視聴)。筋肉とその関連痛がひと目でわかるようになっている。
前回: 筋トレ上半身・上肢編 備忘録

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