ソロキャンプで野菜―食品乾燥機の活用

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□一人分の生野菜
 ソロキャンプかつ自転車キャンプで、不足しがちな野菜をどうやったら摂れるか?キャンプ飯の回数が増えるにつれて真面目に考えるようになりました。ソロだと消費できる野菜の量が限られますが、都市部を離れた道中で、単身世帯向けの量の野菜を売っていることは稀です。通常のファミリー向けの量を短期間では調理しきれないし、仮に日持ちしたとしても重くてかさばる野菜を自転車で運ぶのはつらい。体力があれば家から持ってきてもいいけれど、できるだけ現地に近いところで入手したいところです。
 一人分の野菜として今まで道中に買ったことがあるものは、カット野菜ミックス、ピーマン、カットねぎ、もやし、きのこ、ルッコラ。カット野菜はジンギスカンに使いましたが、確か200gくらいあって野菜だけで満腹になりかけました。ピーマンは1袋4個入りのことが多く、ほぼ空洞なので1人でも余裕で食べられます。カットねぎは野菜の量としては物足りない。もやしは緑成分が足りないけど、加熱するとかさが減って1袋でも食べ切れてしかも安い。キノコもかさが減るので食べ切れる。ルッコラは…飾りです。あまり選択肢がないのが実状かと思います。
□乾燥野菜・天日干し
 先日、ツーリングのルート上によさげな店が見当たらない、というのが切っ掛けで情報収集をしていたところ、乾燥野菜という手段に辿り着きました。
YAMA HACK
【装備軽量化の最前線】意外と手軽!?乾燥野菜を作って荷物を軽くしよう!
生野菜にクオリティは及びませんが、キャンプで野菜を食べられるということが大事。早速よさそう!とやってみました。私が乾燥に使ったネットは、Coleman(コールマン)「ハンギングドライネット」です。キャンプ場で洗い物を乾かすのにいいと思って買ったのですが、真ん中に食器が集まってしまって乾きにくいのと、布巾で拭くほうが結局速いことに気づいて、1回でお蔵入りになったものです。

野菜も真ん中に集まるのかよ(笑) 軽い野菜なら大丈夫だと思っていました。
丸3日の天日干しで乾くはずなのですが、そもそも野菜の切り方が分厚い、低いところにしか吊るせないので十分に日が当たらない―ということで、3日で少し縮んだものの乾く気配がありませんでした。
□乾燥野菜by文明の利器
 結局、キャンプの日にちも迫ってきたので食品乾燥機を買いました。私が買ったのはEstaleの「ドライフードメーカー MEK-70]」。温度調整ができる(35~70℃、5℃刻み)、タイマーが付いている(30分刻み)、という条件で選びました。

先ほどの野菜を45℃・8時間で乾燥させてこのとおり。

正確には、乾きが少し悪かった玉ねぎとじゃがいもの一部は追加で乾燥させました。乾燥させた後は念のため冷凍庫で保管。

ついでに干し肉、もとい乾燥肉も作り(後述します)、固形ルーを分割してカレーセットにしました。レトルトカレー1食分が185gのところ、75gまで軽量化できました。

 実際に何度かカレーを作ったのですが、「何かが硬い・歯ごたえが過剰」「もとの風味が強くて馴染んでいない」という感じで、空腹スパイスがあればまぁおいしいと言えるけれども、という状況が続きました。原因は、乾燥に時間がかかった野菜はそうでない野菜と同時間水に浸けても戻り切らないこと、戻り切らない状態で煮ても煮込んだような状態にはならないと気づきました。市販の乾燥野菜セットならこのあたりがうまくいくように製品化されているのでしょう。そこで、乾燥完了が同じ時間で済むように、以下のように工夫しました。
乾燥温度は45℃、乾燥時間は8時間のままとして、
・ニンジン、ナス、エリンギ: 薄切りにしてそのまま乾燥
・タマネギ: 薄切りかつ少しばらばらにして電子レンジで加熱→乾燥
・ジャガイモ: 薄切りにして電子レンジで加熱→乾燥
ニンジンと加熱したジャガイモのbefore←→after

ジャガイモは透明になりかかってます。
加熱したタマネギbefore←→after

これで乾燥状態でも食べてもいいと思える(まずくない)味に(個人の感想です)。これらを使うときは、30分水に浸してから調理しています。30分というのは、カレーライスのために米からご飯を炊くのにそれくらい掛かる(=その間鍋が使えない)というだけで、特に根拠はありません。水が多過ぎるとカレーのとろみが出にくいので入れすぎ注意。ジャガイモ、玉ねぎが食べられる状態で乾燥されているので、煮立ったらカレールーを入れて煮込むだけ。家のガスコンロで火を使った時間は25分くらいです。

ようやく合格点に達しました。
□食品乾燥機の活用・番外編
・牛肉
 野菜を持って行くなら肉も持って行きたい。肉の低温調理の場合は、食中毒予防の観点から「63℃30分間加熱殺菌」するのが食品衛生法で基準となっているよう。それにならって65℃で乾燥。

牛肉の薄切り両面に塩を振り、65℃・4時間乾燥させるといい感じのジャーキーに。脂が多いとしたたり落ちてくるのと、冷えたときに脂っぽさを感じるので脂少なめのほうがオススメ。私はこれを冷凍保管しておやつにしていますが、中毒性があるので食べ過ぎ注意。ちなみに凍った脂肪部分は一口目がアイスクリームの食感です。つまりアイスクリームは脂肪のかたm…。

さらに乾燥させたもの。65℃で肉の厚みに合わせて8~12時間。4時間乾燥のものは肉を噛んでいる感じがありますが、長時間乾燥させたものはパリッと割れます。キャンプで数日持って行くならここまで乾燥させたい。
 そもそも生食用でない肉の低温調理に問題がないとは言えないので、鶏肉や豚肉、夏場の牛肉は避けて、火を通したもの・調理したものを乾燥するほうがよいとは思います。
・果物
45℃・8時間をめやすに、厚みや好みに応じて乾燥時間を延長。

みかんは皮まで食べられてめちゃうまい。りんごは生ではびみょーな味だったのが、甘味が凝縮して食べ過ぎ注意な味に。
□食品乾燥機のQ&A
Q. 電気代はどれくらいですか?
250Wで24時間稼働、1kWh 30円計算で180円くらい。いろいろ悩む時間、道中で店に寄る時間、重量・かさのあるものを運ぶ労力、現地での調理時間を考慮すれば安いのでは。
Q. 音はうるさいですか?
静かではない。慣れればどうということもないけれど、個人差・機械の種類によるでしょう。
Q. 悪かった点はありますか?
・サイズが大きいので使っていないときは置き場所・しまう場所に困る。今は使用頻度が高いので出しっぱなし。
・肉を乾燥させると、トレーの目に脂が入り込んで洗いにくい。二度洗いまたはアルコール併用している。
 キャンプ時の乾燥野菜を作るために買った食品乾燥機ですが、実際には食べ切れない果物の乾燥に一番使っています。おかげでしばらくはおやつ要らずです。食品保存の一助としてもいいかもしれませんね。

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