去年はブロンプトンSRでしたねぇ。 pic.twitter.com/KBhwo5PAvD
— 門川彩雷(かどかわあいら) (@ayalalmngl) June 23, 2025
ブロンプトンでのブルベ・SR獲得を果たしたことを思い出す。たまたま同じブルベにブロンプトン参加者が他にもいたり、Brompton Lovers Meeting (参考記事)に参加したらブルベ民がいたり、ブロンプトンブルベ仲間が少し増えてきた。第二子出産前最後のブルベ、”イバラキイバラキイバラキ ~petit~”では往路300kmを韓国のブロンプトンランドヌール ソンさんたちと走った。その後の流れで4月のフレッシュ(Flèche)を皆で走ろうということになって手を挙げたものの、産後4ヶ月でほんまに360km走れるのか不安で、何か1本走っておくことにした。本当は200kmで調整するつもりだったが、BRM314守口発300kmに北海道からブロンプトンで3人参加されると聞いて、そちらに出ることにした。
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<目次>
□ 準備
□ 淀川ダンジョン
□ 荒れる琵琶湖へ
□ 淀川再び
□ まとめ
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□ 準備
第一子のときはロードバイクでローラー練を積極的にして、産後半年でそこそこ走れるようになった。そのときよりだいぶ捲かないといけないし、しかもスピードで劣るブロンプトンでである。産後3週間でT Lineのほうで25km走り、1ヶ月でC Lineで25km走り、1ヶ月半でヒルクライムコースを含む50km走って…と実走で調整した。本当はストレッチや筋トレ、ロードバイクのローラー練のような基礎練をしたかったけども、夜寝ない幼児がいるので平時よりできていなかったし、いわんや赤子のいる状況をや。ここ2年くらいまともなトレーニングができておらず、身体を傷めやすくなってしまっている…。
琵琶湖大橋を渡ってビワイチして、瀬田川・宇治川を回って帰って来るルート。300kmで累積標高2204mと平坦で、リハビリライドにはもってこいだ。天気予報では後半が雨だったが、日が近づくにつれて後ろにずれていった。琵琶湖東岸はよくある向かい風予報。平坦の楽さが相殺されて、条件としては通常と同程度と見積もった。夜スタートなので眠気も少し心配だ。1週間前からカフェインレスに努めた。
□ 淀川ダンジョン
夜の子守をベビーシッターさんと夫に任せて夕飯時に家を出発。保育園入園前かつ離乳食が始まる前だと、ミルクの量の指示だけで申し送りが済むので楽っちゃ楽。モノレール門真市まで出て、スタート地点のたきい公園までは自走。ちょっと道路の横断がややこしくて、帰りに利用した大日駅のほうが近くて、地下も自転車で通れてよかったかもしれない(ただし出口が分かりにくかった)。
たきい公園でさこっちさんと北海道から参加のコウキヘイさんと合流。紫芋兄さんはDNS。しばらくして、1時間後スタートの2人のOさんが来られる。以前のブルベで少し一緒に走ったメタルさん(と勝手にお呼びしている)と3人で走るそう。Oさんはこの日予習で85km走ったとかで、目が点になる。


この後の苦労を想像もせず和やかに集合写真を撮る。
他に珍しい自転車としてタンデムを見かけた。以前のブルベで会った方で、そのときはソロで、キャプテン(タンデムの前の人)としてブルベを走るため鍛錬で参加されていた。今回は白杖持ちの参加者と一緒だった。淀川のメタルクワガタ(淀川サイクリングロード(通称)で異常繁殖している凶悪なバイク止め)が大変だったのではないかと想像するけれど、リザルトを見るとよいタイムでフィニッシュされていた。
スタート前に意識的に食べて、いよいよリハビリライド開始。さこっちさんが先頭で、快適に淀川リバーサイドを飛ばしていただく。…ただ26~27km/hはしんどい。メタルクワガタで停まるのでちょうどよいくらいだった。メタルクワガタは以前に比べて若干間引かれ、凶悪さも少しマシな物に変わっているようだったが、それでも鬱陶しい。ブロンプトンは持ち上げなくても通れるが、コウキヘイさん、クワガタに1回変速をやられる。
25km地点、PC1のコンビニには18km/h弱で到着。さこっちさんは仕事のためここでDNF。見送っていただく。私の休憩はサクッと済んだので、コウキヘイさんをおいてリスタート。すぐ追いついて来られるかと思ったが、以降会えず。何だか申し訳ない。
河川沿いのサイクリングロードはどこでもそうだと思うが、橋をかわす所がややこしい。夜だとなおさらよく分からない。27kmくらいで、この淀川ダンジョンで「行き止まり~」と言って戻って来たグループがあった。ルートは更新された最新のものを入れていたので、”そんなことあるかいな??”と思い停車していたところ、後ろからリドレーとTern(ターンだけはなぜか英語で書きたい)の2人組がそのままガーミンの示す前方へと進んで行った。引き返して先ほどのグループを追うか迷ったが、2人組について行くことにしたら普通に道があった(謎) まだこの時点では元気だった私、お二人と脚が合ったので、そのままPC2まで引いていただいた。Ternさんはビワイチは初めてで楽しみだという(夜は虚無なのに…?)。私もビワイチ自体は過去1回しかないが、琵琶湖沿いは何度か走ったことがあるので、”明け方や山の雪がきれいですよ”というような話をした。
□ 荒れる琵琶湖へ
観月橋(かんげつきょう)から大津に出る道は、ブルベを始める前に3回ほど走ったことがあるがすっかり忘れていた。そこそこの登りがある。その頃はブロンプトンでこの道を走れるだなんて思ってもいなかったな、と振り返る。
66km地点、PC2は大津のコンビニ。グロスは17km/hちょっとで悪くはない。空腹感はなかったが食べておいたほうがよいと思い、おにぎり2個を買う。カルピスを飲みたかったが普通のは量が多いので、小さい機能性表示食品のを選んだ。最初「腸活ケア」のほうを選びかけたが、「睡眠」と併記されていたので眠くなったら嫌だなと何となく避けて「免疫サポート」のほうにした。出発するタイミングが先ほどのリドレー・Ternのお二人と合ったので、「ついて行けるところまでご一緒させてください」とお願いした。
琵琶湖大橋を渡り、琵琶湖東岸に入る。満月だったので虚無というほどではなかったが大して変わらず、特に見どころなく過ぎて行く。Ternさんに「琵琶湖どうですか」と聞くと「楽しいです」「道路がきれいで走りやすい」というお返事Σ(◎_◎;) リドレーさんもだが、このお二人は終始ポジティブだった。淀川ダンジョンで進む判断をしたのも、そういう前向き思考からなのだろうと思う。
近江八幡は辺りからいつもの強めの向かい風。リドレーさんはミニベロペースで走ってくださっているが、それでも自分には速めなので前傾ポジションでがんばってついていく。PC3まであと少しというところでエネルギー不足の感触があり、フロントバッグのサイドポケットからクリームパンを取り出そうとしたが、しっかり仕舞ってあって取れなかった。今回初めて用意したサコッシュから、プロテインバーとジェルを取り出して何とか摂取。この方法にしておいてよかった。
111km地点、PC3は彦根のコンビニ。時刻は4時。何ごはんかよく分からない時間だが、スパゲッティを食べてシュークリームを詰め込み、マシュマロを補給食に追加。走っている間は眠気はないが、休憩になると若干ぼーっとした感じがあり、カフェラテでカフェインを摂っておく。店のドアを出ると、1時間後に出発した昨年のフレッシュチームメンバーと出会う。ロードバイクは快調だなぁ…。しばらく閑談の後、リドレー・Ternさんたちと出発。
途中でリドレーさんがライトの電池交換と休憩で停車したので、Ternさんと先に行くことに。「風が弱まりましたねー」と言っていたら、その先そんなことはなかった。

夜明け前、白波の立つ琵琶湖。
写真でも撮らないとやってられない。その後、奥琵琶湖、旧賤ヶ岳トンネルやら他のトンネルやらを抜け、途中写真撮影で停まらせてもらいながら進む。

伊吹山地を眺めて。

高島市より敦賀方面を眺めて。
向かい風やら登り基調やらで、165km付近のPC4、メタセコイヤ並木道にはグロス16km強で到着。

Twitter (X)で振り返ると、しんどかったらしい。
風が強くて心が折れそう。
#BRM314 pic.twitter.com/gv6zEgcDMd— 門川彩雷(かどかわあいら) (@ayalalmngl) March 14, 2025
リドレーさんが来ないので先に行く。途中でリドレーさんからTernさんにLINEがあり、最寄りのコンビニで合流することに。リドレーさんは150km地点で10時間を過ぎていて借金状態だったそうだ。今回私は予定到着時刻を決めずに走っていたとはいえ、”ギリギリ隊なのか? そんなはずは…”と思うも、現に3人ここに一緒にいる…。内心焦る私と対照的に、リドレーさんは「さっき(東側)風強かったからこっちはそんなことないやろ」と追い風に期待するポジティブさ。
リスタートして先頭はリドレーさん。24~25km/hだとこのときの体力ではついていけなくて、登りも立ち漕ぎが長続きしなくて2人との差が開いていく。下りと平坦と信号でやっと追いつく。情けない、と気持ちが後ろ向きになる。しかしポジティブ2人組にそんな気持ちでついていくのは申し訳なく…と、どうにもネガティブモードからなかなか切り替えられない。こういうときは些細なことでも自分を褒めるようにしているが、このときは本当に何も思い浮かばなくて、とりあえず”勝”という文字が目に入ったので頭の中で“勝ぁ~つ!”と何度か唱えてネガティブ思考を一瞬だけ、繰り返しぶっ飛ばしてメンタルを維持する。このとき目に入った”勝”は北船木勝野線という県道304号線の表示で、ほどなくPC5の舟木大橋に到着。

「舟木大橋からの景色」がフォトチェックだが、何を撮ったらよいか悩む。いろいろな写真があるだろうに、これで何十人もチェックできるスタッフさんはすごいな、と思った。後から計算するとグロスは16km/hを切っていたけれど、40分くらい貯金があるとお二人に伝えるとホッとされていた。
□ 淀川再び
ここからは車が増えて来て走りにくい。213km地点で、リドレーさんが空腹で休憩を希望されてコンビニへ。固形物は食べる気にならなかったが、私もインゼリー(180kcal)、プリンドーン(474kcal)、カフェラテ(144kcal?)で700kcalちょっと、70km分のカロリーを詰め込んで、手持ちの補給食でゴールまで足りるようにしておいた。ざっと次のPC6の到着時刻を見積もり、予想の貯金をお伝えする。
ここからさらに車が増えて来て走りにくくなった上に、雨がぱらついてきた。大津に入るとTernさんが「もうすぐ1周ですね」とか「雨もちましたね」とか言っている。ほんとにポジティブ。PC6までもうちょっとというときにリドレーさんのサイコンの電池が切れたため、私が率先して路地を案内する。

235km地点、PC6 UNBOUND
予想通り、約1時間の貯金。パンクのことを考えるとちょっと心もとない。お二人はコンビニ休憩したいと言われ、「不要だったら行ってください」とのことで、240km地点のコンビニでお別れ。実に200km以上引いていただいて、本当に感謝だったm(_ _)m
長いこと引いていただいたおかげで脚が残り、快調に天ケ瀬ダムまで進めた。この日は交通量が少なかったことも幸いした。

PC7 白虹橋(はっこうばし)への道は車両通行禁止みたいな看板があって、行ってよいか迷った。先行の参加者が進んで行ったのが見え、戻って来ないので行けると分かって進んだ。

この辺りで雨が本降りになってきた。残り40kmで、長く見積もって残り3時間ほど。着るか迷ったが、しばらく進んだところでレインウェアを着ている人がいたので自分も着ることにした。
宇治のどこかの道は、車の減速帯なのか凹凸のある石ブロックが周期的にあるガタガタ道を通らなければならず、パンクしないよう願った。車も多く、うまく道を渡れない所もあって距離のわりに時間が掛かる。観月橋(かんげつきょう)で序盤の道にまた戻るが、ちょうどその辺りのオシャレカフェに休憩中の旧フレッシュメンバーが! 声を掛けようと一瞬思ったが、”この人たちは1時間遅い組だった!”と思い出してスルーした。数分後には余裕で追いつかれ、淀川ダンジョンマスターのまんきぃさんがいるので、ついて行かせてもらう。しかし、ロードバイクなら流しの速度だが、体力が削られていてついていくのがしんどかった。
淀川サイクリングロードに戻るとホッとしたのと、雨天恒例のブロンプトン外装変速の不調で一気にペースが落ちてしまった。帰路のメタルクワガタは、行きより気分的にしんどかった。さらに10km残しでエネルギー切れ。補給食を入れたサコッシュの上にレインジャケットを着てしまっていて、また手袋は防寒テムレスで太くて操作性が悪く、補給食を取り出すのに手間取った。サイクリングロードから上がる坂道で、ギアの切り替え忘れで1ヶ所押し歩きになってしまって悲しかった。
珍しく泣き言を言いながらヘトヘトでゴール受付のコミュニティセンターに到着。雨はそれほど強くないのに、疲労で荷物の整理が遅々として進まず、建物の中にスッと入れなかった。ゴール受付をしてようやくフィニッシュ。お菓子やカップラーメンが提供されていて、食べたいのになかなか動けない。旧フレッシュメンバーに配給してもらって、じわじわと動けるようになり、カップラーメンを食べてやっと復活。皆先に帰られ、私はリドレー・Ternさんの到着を待って、引いていただいたお礼を改めてお伝えした。当初は後発のブロンプトンお三方の到着まで待つつもりでいたが、疲労のため気になりながらも帰宅した。
□ まとめ
その後、コウキヘイさんの惜しいDNF、後発3人組全員のフィニッシュの報が入る。私はたまたま大半の区間をロードバイク先頭で引いてもらうという好条件に恵まれたが、ブロンプトン単騎や風除けの恩恵の少ないブロンプトン同士のトレインだと、あの向かい風は本当に大変だったと想像する。しかも北海道から、まだ雪で十分トレーニングできない3月に…。その精神力に感服しきりである。
復帰一発目で300kmの認定を得られて、時間的にも金銭的にも大きかったし、自信にもなった。一方、このブルベで試したハンドル周りのグッズの配置はダメダメだったし、ポジションがしっくりこない問題は足・脚の痛みとして出てきたし、やはり走っておいてよかったと思った。フレッシュまで約1ヶ月、改善に取り組むが……?
次回、フレッシュに続く。

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