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前回の記事に書いた通り、昨年ご縁のあったブロンプトンブルベライダーで春の祭典、フレッシュ(Flèche)を走ることになった。紫芋兄さん(Twitter)、さこっちさん(Twitter)をリーダーとして2チーム発足、オダックス近畿のフレッシュに申し込み、抽選とメンバー調整を経て、ブロンプトンズチームで参加することになった。メンバーはさこっちさん、韓国からソンさん(Twitter)、ダサロイさん(Instagram)と私の4人。ブロンプトンズ2号チームは、紫芋兄さん、20000さん(Twitter)、コウキヘイさん(Twitter)の3人。さてどんな行程になるのやら。
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<目次>
□ 準備
□ 前日
□ 激!坂
□ さわやかな景色と…
□ DNF小話
□ ナイスプレイス
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□ 準備
フレッシュのリーダーは忙しい。過去2回のリーダー経験があるものの、今回は申し込み前後が出産前後と重なって到底実務ができる状況にはなかったので、何とか手引きになるものを作りたいと思って記事を作成した。
紫芋兄さん、さこっちさんとも初リーダーで、コース作成まで請け負っておられたので苦労されたようだ。できるだけスムーズに進めるルート選択・PCの置き方のコツはあるものの、お伝えできる機会がなくて、見た目のわりに歯ごたえのあるルートとなった。

フレッシュという意味の通り、矢のようにほぼ一方向に神戸の市街地にゴール、ナイスプレイスには輪行で移動する。最初のぴょんと飛び出た標高は見なかったことにして、全体的には平坦である。
自分個人の準備としては、まず300kmブルベを走っておいた(前回の記事)。その結果、ハンドル周りやポジションに納得がいかず、ついにカスタムすることにした。今年走る予定の1000kmブルベに間に合えばよいなと考えていたが、ショップに相談するとすぐに仕上がるとのことだったので、フレッシュ前に間に合わせることができた。
←アフター ビフォー→
カスタムで格段に乗りやすくなったのだけど、パッと見何が変わったのか分からんレベル😅#ブロンプトン pic.twitter.com/Hpy5JfqWDE— 門川彩雷(かどかわあいら) (@ayalalmngl) April 6, 2025
C Line Explore (6速・Sハンドル)のステムをMハンドル用に変えて2cmほどハンドルを低くし、アップライト過ぎる体勢を改善。ハンドルにマウント類を付けやすいよう、クランプ付近の真っ直ぐ部分が長い日東(NITTO)のハンドル(B861 Slat Bar 25.4mm/685mm)に変更、何cmかカットしてもらっても以前よりは長くした。身長に比して長いデフォルトのクランク170mmを、160mmに変更、歯数はとりあえずそのまま。結果、すごく走りやすくなった。
フロントバッグの軽量化にも着手。今まで輪行袋をぐしゃっと入れていたがために容量が多いバッグが必要だったので、かさばらない畳み方を練習した。うまくやればサドルバッグのショックコードに取り付けることもできそうだった。

手持ちのブロンプトンフロントバッグのフレーム(取っ手除いて縦20cm×横23cmという特殊サイズ)に、モンベルのドライ アングラー ショルダーバッグ(450g・14L・#1126201)をAmazonのフロントバッグホルダーで固定。
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釣り用バッグで防水性は高めなので、雨が降っても途中でカバーを掛ける手間がないので時短になる。使い勝手はベストではないものの合格点。
□ 前日
スタート前日の金曜、あらかじめ家族の乗る車にC Lineと荷物を積んでおいた。T Lineのほうで出勤し、いつも通り職場で朝食を食べたときに、すぐ満腹感を感じたので何かおかしいと感じた。午前だけ仕事をして、昼食時にはまだ空腹ではなかったが、肉肉しい弁当を食べきった。胃が重い感じがして、すっきりさせようとコーヒーを飲んでから自転車でゆっくり退勤したが、途中から”これはアカン”という感触を覚えた。何とか帰宅して、胃腸によさそうな漢方薬を服薬。普通のブルベならDNSだが、とりあえず広島まで行ってどうするか決めることにした。子どもたちを保育園に迎えに行き、フレッシュのために振り替えた長男の習い事に向かう。待ち時間や長男の食事の間に少し寝たら少し回復した。家族に車で迎えに来てもらい子守を交代、新大阪駅まで送ってもらって新幹線に乗った。フレッシュ当日はいきなり25℃になるという予報で夏用のウェアにしていたが、車内は少し寒くて眠れず。レインウェアをサドルバッグの奥に詰め込んでいて、防寒着として使えるようにしていなかったのは失敗だった。
広島駅で食料を買い込み、ホテルまでは徒歩で移動。道がよく分からなくて遠く感じたが、予定通りに到着。カプセルホテルとしてはとても快適だったので紹介しておく。
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固形物が食べられず、インゼリー2個とエクレアを何とか胃に入れ、朝まで睡眠確保に全力を注ぐ。空調は快適なはずなのに寒かったり暑かったり、睡眠はこまぎれにしか取れなかったが、休めた感触はあった。
□ 激!坂
朝起き上がるとやはり胃の不快感はあったが、インゼリーなら食べられて、輪行解除・バッグ装着と準備はスムーズに進み、順調に感じた。スタート地点のコンビニには2時間後出発のブロンプトンズ2号チームのメンバーも集まっていた。リーダーさこっちさんと2号リーダー紫芋兄さんに体調不良を伝えたが、皆と喋っていると胃の調子も一時気にならなくなった。

ソンさんからアイテムをいただき、気分は上がる。

鉄製のブロンプトンならではの簡易PCメモもいただいた。裏に磁石が入っていて、ずっと落ちることなく走行できた。
7時、食べられそうなパンを買ってレシートを取得して出発。序盤にミスコース。自転車不可の道を引いたルートになっていて少々迂回。事前にチェックする余裕があればなーと思いつつ、気を取り直して33km地点のコンビニPCに向かって進む。海田(かいた)から熊野方面の登りでやれやれと一息つくも、その後灰ヶ峰方面の神山峠(じんやまとうげ?)。ソンさんが速いのはもちろんのこと、ダサロイさんはヒルクライム大好きでサクサクと、さこっちさんはサンダルでP Lineカスタム7速でシャコシャコと登っていかれる。私だけが遅い。峠には自販機があり、胃が万全でなくても飲みやすい炭酸飲料を投入。まだ暑さは本格的ではないが、汗がダラダラと止まらない。
ここから下りだ、ヒャッホイ。…とはいかず、速度の稼げない急降下な細い道。


並行して県道が走っているので、こんな道は最短ルートを行くフレッシュならでは。急勾配過ぎて、ブロンプトンのブレーキだとフルでもズルズル進んでしまうほどで、いくらか押し歩き…。2号チームのほうは、どうやらここを逆向きに神山峠まで登ったらしく…(||゚Д゚)

急勾配の対価は眺望であった。ダサロイさんが「パダ(海)!」と歓声を上げていた。
□ さわやかな景色と…
残りは平坦基調ではあるが、町をつなぐように走るため信号が多くてあまり速度が稼げない。ゴールは神戸の新開地…このコース、やっぱり速度が伸びないのでは。平坦路イコール幹線道路で交通量と信号が多かろうことは予想はしていた。海岸沿いは大抵アップダウン付きだ。加えて、複数人で走るとタイムで延びがちなので、余裕なしのギリギリゴールになりそうだった。
33km地点、PC1コンビニ。峠越えをしたのだから、この地点で借金なのは仕方ない。130km地点のPC3で返せればいいと考えていた。固形物はやはり食べる気がせず、一応補給食としてチョコクリームパンを買ったほかは、ポカリスエット、オロナミンC、プリン、ヤクルトなど液体中心となる。熱中症対策に、ツゥランも食べておいた。バナナをソンさんからいただくが、すぐには食べられないので運ぶことした。
呉を抜けるのにアップダウンがしばらく続くが、まずまずのペースで走れたと思う。しかし、思ったほどは借金が減っていない。天気はよく、海岸を走ればカキの臭い、潮の臭いが漂ってくる。体調がよければ広島気分を味わえるが、気分よくない。せっかくのチームライドなのに、気の利いた会話ができない。
78.5km地点、PC2の三原のコンビニに借金15分で到着。24℃超えにまだ体が慣れていない時期。水の消費が多い。まだ固形物を食べたくないので、ポカリスエット、コーラ、インゼリー、クーリッシュといった買い物構成となる。さこっちさんの余った氷を分けていただいて、背中とインナーの間に入れる。
しばらく平坦路が続く。風がよいので体調不良でも1人でも23km/hほどは出せるが、何とかさこっちさんに引いてもらおうと追いつくと、引っ張ってくださろうとしてすーっと加速されて離されていく。ロードバイクでトレインを組む場合は、多少前と離れていても恩恵が感じられるのに対して、ブロンプトンでは少し離れるだけで一気に恩恵がなくなる、と感じる。また、恩恵が感じられる間隔というのが結構近く、たまに一緒に走る同士、かつ、路面状況を把握していない道だと追突のリスクがあってなかなか詰められない。ただ、さこっちさんのペースで走れないとオンタイムに戻らないな、と思った。
120kmほど走ると気温が若干下がり、胃の調子は回復して、ぐっと走りやすくなった。が、胃の不調が今度は大腸のほうに移動していった。ガスでお腹が張る。炭酸を飲んだにしてはゲップが少なかった気がするから、下のほうに移動したのか。そしてたまにポンポンペイン。デュムランという語句が頭に浮かぶ。ロードレースをほぼ観ない私でもなぜか知っているその名。急遽トイレ休憩を所望。今までに経験したことがないくらいの、自分でも驚くほどの大量のガスを排出。幸いピーピーはしていない。これで落ち着けば、ペースも上げられるし走り続けられるがどうだろう…?
リスタートしてほとなく130km地点のPC3、ファミリーマート福山鞆町店に借金17分で到着。再びガスを大量に出すが、ここまでコーラでカロリー摂取しているような状況なので、懲りずにまた購入。この辺りは他にも数チーム通過していたようで、”チームぐるぺっとふぁいぶすたーず!”の皆さんと出くわしたほか、リスタート後にも道中で他のチームを見かけた。なんかこう、がんばるぞという気持ちになる。
さこっちさんがペースを調整してくださったのか、脚も回るようになったのか、ついていけるようになった。が、デュムランという語句がまとわりつく。デュムランはトイレストップしても総合優勝しているので、名前が思い浮かぶのも本当は失礼な話であるが、”DNFになれば単なるポンポンペインサイクリストだ”などと、くだらない思考が巡る。継続したい気持ちもまだ余力もあるが、お腹と相談というか、もっと際と対話状態。晴れで海沿いで景色はよいのに。せっかくのチームブルベ、フレッシュなのに、会話する余裕がない。
160km地点、借金15分でPC4の郵便局に到着。

韓国ではこういった証明写真は自撮りなのだそうだ。所変われば品変わるというものだ。
その後、ソンさんの計画した簡易PCメモの通りに164kmのコンビニで休憩。からあげが食べられるくらいまで胃は回復していた。ソンさんが先頭に出て24-25km/hで引くと提案される。しかし、お腹(下)の調子次第だ。まだ半分も来ていない。フレッシュは最低3人、同時ゴールが認定条件―私以外の3人ならもっと登りは速く行けるし、完走確率が上がる(断言) 地図を見れば、ここからJR新倉敷駅まで14km。…余裕で離脱可能だ。リーダーさこっちさんにDNFすることを伝えた。
駅までのルートは、途中までフレッシュと同じルートなので一緒に進む。そこそこの登りがあり、やはり3人との速度差は大きい。とあるT字路で、本来のルートは右に行くところ、左側に曲がって手を振りながら離脱した。完走の望みを託して、実にすがすがしい別れだった。
□ DNF小話
DNFの後は小さなエピソードがつきものだ。この後、住宅街の三叉路で迷ったり、Googleマップがうまく機能せず自分の位置が分からなくなったり、散々だった。何となくの方角で、駅があるであろう東へ進む。大きな道に出たかったが立体交差で出られず、自分の位置も分からないし暗くて田んぼに囲まれて途方に暮れていた。新幹線が走り去る音が聞こえて、田んぼ(畑?)の中に高架を発見。高架を駅まで辿ることにした。岡山出身の私、この高架沿いの道を昔通った気もする。川があってスムーズに進めない所もあって、大した距離でなくてもちょっと気が滅入る。後から聞いたことだが、同じく倉敷で2号チームもいろいろなトラブルでDNFとなったそうだ。
駅の北口に着き、手早く輪行袋に詰め込む。フロントバッグの軽量化もしていたので、全行程で移動が楽だった。新幹線の時間に余裕があったのでトイレに行っておく。が、新幹線が停まるような駅なのにトイレットペーパーはなかった(怒) 入口に一応掲示はあったので、ブルベのときいつも携帯しているお尻拭きを持って入る。ここで役に立つとは…。岡山駅までこだまで出て、乗り換え時にのぞみではなく自由席が近かったみずほを選んだので新大阪駅への到着が数分遅くなったが、家まで数km自走できるくらいの元気はあった。
翌朝5時起きで、やはりブロンプトンで自走と輪行を交えて新開地に向かう。皆を出迎えたい。10分前、まだ来ない。余裕を持って一息ついてからレシートを取りにいけるといいのだけど。5分前、、まだ来ない。間に合うだろうか。6:58…


キタ━━━━( ´∀`)━━━━!!!!
なんとダサロイさんは普段200km専門で、300km以上は初めてとのこと。ナイスファイト(・∀-)b
□ ナイスプレイス
ナイスプレイスの神戸ホテルフルーツフラワーには電車やバス輪行で行くつもりで事前に調べていたが、ダサロイさんが疲労困憊でタクシー移動になり、ご一緒させていただくことになった。着いてからは、DNFしたおかげで冴えた頭でブルベカード記入やら写真アップやらリーダーのお手伝い。手続きが終わるとほっとした。

DNFでもいただけたアイテム。
DNFしても温泉に入るし、その後のBBQにも参加する。温泉は茶褐色で鉄分が多く、有馬温泉に似ているな―と思っていたら、実際有馬温泉と同質らしい。その後、BBQ会場に移動。屋外だと思っていたら屋内という至れり尽くせりの会場で、またその広さを見て今回のイベントの規模の大きさを実感した。主催の皆さんに感謝しきりである。ソンさんは顔が広く、引っ切りなしに交流されていて、ブルベお守り(?)のブリのアイテムも増えていた。私の体調も戻っていて、おいしくお肉を食べることができた。普段なら際限なく食べそうなところ、1人前で足りてしまったが。
三田駅までの特別バスに分乗し、私だけがJRだったので、他のメンバーが神戸電鉄の改札を通るのを見送った。終わってみればあっという間の3日間だった。またどこかで一緒に走れますように。


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