赤いブロンプトンで紅葉狩りブルベへ ~本編~ で昨年200kmブルベを完走した話を先月アップした。その後、ペダルが回らなくなるというトラブルで近所のショップに預けてしばらく経ち、ようやく応急処置を済ませて帰って来たので準備編を書くことにした。実車が手元にないとどうも書きにくい。本編と重なる部分もあるし、今後変えていく可能性も高いが、最初の記録として残したい。
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<目次>
□ シューズとウェア
□ サドル位置とポジション
□ 前照灯と尾灯
□ ハンドル周り
□ バッグ類
□ 輪行
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□ シューズとウェア
使用したブロンプトンの種類は6SL(6段変速)、バーハンドルタイプ。本編には□ 動機と勝算 について記したので気になる人は読んでみてほしい。本当はもっと距離を走ったことのある先輩方の体験談を知りたいのだけど、何だかいろいろ計算している人よりもノリとパワーで乗り切っておられる方が多い気がする…。
最初に準備したのはシューズだった。ブロンプトンの左側のペダルは折りたたむことができるようになっている。「折り畳み自転車を畳むことなんて、ほとんどないでしょ?」と謎の煽りを受けることが時々あるが、通勤の日は毎度完全に折り畳んでデスク横に置いているし、平均すれば月1回以上輪行もする。また、出先で歩くことも多いので、ペダルを変えてビンディングシューズを使うことは考えていなかった。問題はシューズ選びで、今まで適当に選んできた結果、足のトラブルを招いたこともある(過去記事: きつめのサイクリング後に足根管症候群になった話)。
・ゴアテックス(GORE-TEX)であること(雨天でも乗るため) ・アウトソール(靴底)が硬いこと ・足首を過度に覆わないこと ・歩きやすいこと の条件を満たしそうなシューズを、何とかネットで探した。本当は実物を試着できればよいのだけれど時間的余裕がなかったので、”衝撃吸収性を謳っていないゴアテックスのウォーキングシューズ”を選び出して通販で購入した。

ミズノ(MIZUNO) ME-05 (Amazon)・(楽天市場)
結論から言うと、アウトソールは確かに硬めで反りにくくてよいものの、背面(甲側)は軟らかくてビンディングシューズのようなホールド力はない(ウォーキングシューズだからね)。アウトソールに横向きの溝がないため、雨天ではペダル上で滑りやすいという欠点もあった。が、しばらくは使ってみることにして、このシューズにお気に入りのインソールを突っ込む。

ソールスター(SOLESTAR) ツアー グラスファイバー (Amazon)・(楽天市場)
ロードバイクのときは同じソールスターのカーボンのインソールを使うようになって、ツアーのほうは少し使っただけで余っていたので入れてみたところ、サイズが若干合わなくて中で動くものの、紐を締めれば問題なく使うことができた。カーボンより軟らかいけれど、足が疲れると歩くときにO脚っぽく感じるくらいのサポート力もあった(甲側にホールド力がないためか、傾く感じがする)。

紐はゴムでギュッと締められる物に変えた。紐よりも着脱が簡単で、ペダリングしやすいよう足首側だけ強く締めることも多少はできる。
このシューズの構成にしたところ、今まで発進時に負けていた電動自転車といい勝負ができるようになった。心なしか、足の筋肉への負担も減った気がする。それまで一生懸命漕いだ力は速度ではなくアウトソールの変形にでも変わっていたのだろう。シューズのアウトソール、インソールの剛性が大事であることを実感した。
ウェアはロードバイクのときと同じくビブとジャージを普段から着用しているが、ビブは手持ちの中で少しゆったりめの物を選んだ。ブロンプトンの乗車姿勢はアップライトなので、ぴったりすぎるビブだと上半身の紐が引っ張られる感じがした。
一方で、全く前傾姿勢にならないわけではないので、メガネは元々ロードバイク用に作った物を使用している。RUDY PROJECTの度入りレンズon調光レンズ(商品名は多分IMPULSE flip up、レンズはimpactx2black)で、視力が悪いのでこれしか選択肢がない。普通のメガネに比べてサイクリング用のメガネは上に広くなっていて、前傾姿勢でもフレームが邪魔になりにくくなっている。視野が広く取れるので無意識の首・肩の動きから来る負担が軽減されると思っていて、アイウェアを作っていない人に会うとつい勧めたくなる。
□ サドル位置とポジション
2015年以降のモデルには、サドルハイトインサートと言って、サドルの高さの上限を決めるアイテムが標準装備となっているが、私が買ったのはちょうど2015年で付属していなかった。サドル高をきっちり決めて乗る習慣はなかったので、乗ってみて高さが合っていないと感じたら信号待ちでちょっと調整する、というやり方で特に不自由と思ったことはなかった。だけど、ロングライドを走るとなるとできるだけいい位置に長く座りたいので、シートポストの長さを5mmごとに調整してみた。いいか悪いか分からないが、私はサドルの高さに結構鈍感な体質らしい。通勤での使用がメインなのでストップ&ゴーに重点を置いて、サドルにまたがったまま足がぎりぎり地面に着くくらいの、あまり高くない高さまでにした。
ブロンプトンのようなワンサイズの自転車の欠点は、背の低い人ではポジションの最適解を出すのが困難なことだと思う。

これだけサドル高が低いとかなりアップライトなポジションになるのは仕方ないとしても、一生懸命漕ごうとするとハンドル位置がやや遠く感じるときがある。一生懸命漕ごうと前乗りになると、急ブレーキを掛けたら体だけが前に飛んでいきそうなポジションになってしまう。なので、サドルを最大限後退させて、前乗りになり過ぎないよう自分なりに安全性を重視した。またサドル高が低いため、下りでは後輪の荷重が足りないと感じたので、荷物をサドルバッグにも詰めて1kg程度補助することにした。リアキャリアがあるなら問題にならないのかもしれない。
サドルを上げたらブレーキレバーを握るのに手首を曲げなければならなくなったので、少し前方に向けることにした。ブロンプトンのブレーキは左右バラバラに簡単に角度が変えられるのがいいところだと思う。レバーを前回りにすると畳んだときにケーブルが車体に干渉しそうだったが、許容範囲だった。
前傾姿勢が取りやすくなる方法を考えたが、DHバーはハンドルに取り付けるスペースがないし、生かせそうなポジションが思い浮かばなかったので今回は検討しなかった。それでも長距離で少しでもポジションに変化を付けたくて、ブルホーン型のハンドルグリップを導入した。

エルゴン(ERGON) GP5 グリップ (Amazon)・(楽天市場)
これの先端を角のように前に向け、登りのときは前のほうを握って体の位置を前に保ちやすくした。こうすると腕を曲げる力にだけに頼らず、肩や大胸筋など広く筋肉を使うことができる。ただ実際にやってみると、途中で肩回りがバキバキになってしまった。


折り畳んだときにハンドルがデフォルトのネジ?で固定できなくなってしまうのも少し面倒くさい。また、グリップが後輪のリムやスポークに当たるようになってしまったので、リムに緩衝材を当ててからハンドルバーステムとヒンジより前の部分をマジックテープで固定している。一応この状態でも、輪行袋として使っているIKEAのDIMPAに収納することができる。

イケア DIMPA (IKEA商品ページ)・(Amazon)
エルゴンGP5の中心寄りは細くなっていて、とても握りやすい感触になっている。私が買ったのはSサイズだが、Lサイズも存在する。グリップとホーンとは別々に角度を変えることができてポジションの自由度は高い。ちなみに、手のひらの母指球が完全にグリップに乗ると楽だけど、車体がコントロールしにくくなることに気づいたのは面白い発見だった。
□ 前照灯と尾灯
400km以上のブルベも念頭に、前照灯・フロントライトは2つ準備することにした。1つはハンドルから吊り下げるようにして、そほど暗い道のない通勤ではCATEYEのGVolt70を使っている。もう1つは、前輪のブレーキの上、もともと白色の反射板が標準で付いている部分に、Trigoのマウントブラケットを取り付けることにした。

Trigo フロントライト マウント ブラケット (CATEYE・GoPro)
(Amazon)・(楽天市場)
標準でCATEYEのライトとGoPro、筒状の物のホルダーが付属していて、通勤ではライトの代わりにドライブレコーダーを取り付けようと思っていたのでこれにした。しかし問題が。

ブロンプトン本体とマウントの間にあった純正のワッシャー(アールワッシャー)を使うと、マウントとキャリパーブレーキを一緒に固定するには分厚過ぎて、固定が不十分になりかねない気がした。なので薄めのアールワッシャーが欲しくて、別のライトマウントを結局買ったのだった。
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キーレイ ブロンプトン センターフォークステー (楽天市場)

取り付け後。フロントバッグと干渉することはない。
尾灯・リアライトも2つ準備することにして、1つはもともと使っていたCATEYEのリフレックスオート TL-LD570Rのブラケットをリアフレームに付けていたので、それに普段ブルベで使っているタイト TL-LD180を取り付けた。リフレックスオートは暗さと振動の両方に反応して光るタイプで常時点灯してくれないので、夜に長い信号待ちをしていると勝手に切れて不便だから。もう1灯はシートステーに取り付けることにした。折り畳むときにリアライトをいちいち取り外さなければならないのがちょっと面倒だった。
□ ハンドル周り

写真左から、ボトルケージ代わりにApidura (アピデュラ)のフードポーチ、シリコン製のスマホホルダー、ガーミンのサイクルコンピューターの台座、CATEYEのライトブラケット。スマホホルダーは真ん中に取り付けるタイプがあるが、ハンドルを固定するネジがめちゃめちゃ硬く、仮に外せたとしても物を挟み込んだ上で強く締め上げなければならず、安全面から自分の力で触ってよいネジではないと判断してやめた。
□ バッグ類
ブロンプトンはフロントバッグが純正・サードパーティーともたくさん種類がある。純正製品はデザインが洗練されていて憧れるのだけど、やたら重いのが難点。通勤のバッグは容量が38Lで大きすぎるので小さめの物を探した。いろいろ悩んだが、最終的に通勤用バッグを買ったショップで購入した。
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LALALA Company ブロンプトン ミニツーリングバッグ (楽天市場)
Sハンドル対応でフレームとレインカバーが付いてこの値段、フレーム・肩紐を取り付けた実測で1.1kg。コストパフォーマンスがよいと思う。左右に網ポケットがあり、走りながらここから物を出し入れしやすい。



商品説明は女性をターゲットにしている文面だけど、写真のように少し上に出っ張るもののA4(13.3インチ)のノートパソコンも余裕で入るので、男女問わずビジネス用としてもアピールすればよいのに、と思う。ロールアップ式の口になっているので多少たくさん物を入れても外には出て来ない。

フロントバッグの上は平らになるので、ここにキューシートを取り付けた。キューシートの四隅に穴を開けて、単語帳の開閉できるリングでバッグのストラップに固定した。
荷物を全てフロントバッグに入れることもできたが、□ サドル位置とポジションで記したように、下りでの後輪荷重を補助するためにサドルバッグに荷物を分けた。荷物の重心が高くなるのは本当はあまり好きではないが、身長が低くてもクリアランスを気にせずにサドルバッグを何でも付けられるのはうれしい。
ハンドルバーステムにはトップチューブバッグを取り付けてみた。下の写真の一番手前に写っている。

走行中に補給食でも取り出せたらと思ったが、ファスナーを開閉しにくくて使いにくかった。
□ 輪行
上のほうで記したように、輪行にはブロンプトンの輪行袋(?)として有名なIKEAのDIMPAを使っている。最軽量級だと思うが、かさばるのが欠点。今回はぐるぐる巻きにして半分に折って太めの輪ゴム2本で束ねて、フロントバッグに入れておいた。5つ上の写真で、パソコンバッグと一緒に写っているのがそれ。
普段はDIMPAに入れたブロンプトンを肩掛けでえっちらおっちら運んでいるが、今回のブルベでは駅構内の移動が多かったので、コロコロさせたかった。そこで安くて軽量で背負うことのできるキャリー、プロマリンの2ウェイキャリーを買った。

プロマリン 2ウェイキャリー (Amazon)
これで駅まで自走したのだが、背中が真っすぐになって姿勢の自由度がないわ、発進のときにキャリーの車輪がサドルに当たるわで、とても漕ぎにくかった。いざブロンプトンをキャリーに載せてコロコロさせて移動すると、車輪が2つしかないので想像以上に引くのに力が必要で、手が痛いくらいだった。また必要に迫られない限りはもう使いたくないと思っている。
ブロンプトンでのブルベは登りで足腰・肩回りが疲れ切ってしまったけれど、休めるペースで走っていると普段目に留まらない景色が目に入って来た。味をしめて今年度はブロンプトンでSR獲得をと考えていたが、メンテナンス不足で問題点が見つかり、解決するまでは遠出には使えなくなってしまった。挑戦はまた来年以降に持ち越しとなった。[ブロンプトン・ブルベ]
ブロンプトンでブルベへ行くために
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