ブロンプトン T Line Exploreで行くブルベ: イバラキイバラキイバラキ プチ600→荒天DNF

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 昨年かつだいぶ前のことになってしまったが、2024年はブロンプトンでのブルベ・SR獲得を目標とし、無事果たすことができた。

この3週間後、”イバラキイバラキイバラキ ~petit (プチ)~”を600kmの認定の保険としていた。大阪府の茨木から金沢市の茨木までの300kmを往復するコースで、往路のみ300kmと同時開催だった。Twitter (X)で交流していた韓国のブロンプトンランドヌール ソンさん(Twitter)が来日、300kmのほうに参加されるのに合わせて、紫芋兄さん(Twitter)、さこっちさん(Twitter)と一緒に参加した。
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<目次>
□ 準備
□27で
□ 敦賀、越前、東尋坊
□ めざせ、茨木ハウス
□ アフターブルベ
□ T Lineはいいぞ (まとめ)

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□ 準備
 前回の記事に少し書いたが、このとき妊娠4ヶ月。体重は平時より+2kg。第1子のときは5ヶ月で400kmを完走していたので(ロードバイクでだけど)、体力的にはまだまだ余裕がある。とはいえ楽に楽しく走りたかったので、普段の相棒C Line Exploreではなく、2月に買ったブロンプトンのフラッグシップモデルであるT Line Explore (チタンモデル・12速)を選択。グリップをエルゴン(ERGON) GP5に変更し、トゥーフィッシュ(TWOFISH)のクイックケージアダプター(ミズタニ: 商品紹介サイト)で2ボトル体制にして、マイブルベ仕様にする。

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GP5の角があまりカッコよくないのだけど、これが巡行時に便利なのだよなぁ。
トゥーフィッシュのクイックケージアダプターも、前回の600kmブルベで固定力がよいことを確認済み。

 天候は往路後半で雨が降り始め、夜間~早朝に強まり、かつ帰路は向かい風になることが分かっていた。

金沢で仮眠し、帰路3人でトレインが組めればワンチャン…。でも、すでに600kmの認定を取れていることから、無茶しないよう決めていた。
 前日晩、紫芋兄さんの呼びかけで茨木某所で皆で食事会。ソンさんの流暢な日本語のおかげでブルベ談義が弾む。昔独学で韓国語能力試験の初級を一応クリアした私だが、その後使い続けていないので全く言葉が出てこない。子連れで参加したのであまりゆっくりもできずお先に退散。翌日の作戦会議は特になかったけどどうなるのだろうか…?
certificate_2002.jpg
昔はよく勉強したものだった。

□ 27で
 当日朝、体力温存のためタクシーでスタート地点付近のコンビニへ。食料を買い込んで受付に向かう。300kmも600kmもスタート時刻は一緒で、我々は先発組。夜から荒天が予想されていたためDNSが多かった。折り返しのPCまでドロップバッグを運んでいただけるので、ありがたく申し込む。ブリーフィング、車検後、写真撮影。
Bromptons
左からソンさん、さこっちさん、私、紫芋兄さんの車体。ブロンプトンの集合写真は今までいくつか撮ったことがあるけれど、この出発前のワチャワチャ感のある、なんなら車体が一部切れてしまっている写真だけども結構気に入っている。
 さっと出発したげなソンさん、雑談多めでゆっくりスタートの日本組、スタート時間を何分か過ぎてスタート。スタートし始めてしばらくは平坦区間。さこっちさんが27~28kphで鬼引き(ブロンプトン基準)してくださる。

100均のビーチサンダルでな!!
ちな、紫芋兄さんもサンダルである。

ソンさんの投稿より拝借。
私もブロンプトンはフラットペダル運用なので使い勝手を尋ねられることがよくあり、”インソール、アウトソールとも剛性があったほうがいいです”と答えるのだけど、うまく漕げれば何でもありだな、と思う。
 京都から一山、二山越えて大津へ。登りは圧倒的にソンさんが速い。なんたってSR600をブロンプトンで走破されるのだから。先に登ってはカメラで私たちを待ち構えていてくださる。
 48km地点、PC1の大津のコンビニに余裕をもって到着。しばしの休憩の後、ここから琵琶湖の西側の平坦路を進む。しばらくは信号も多いがそれでも快速だ。とある信号待ちのとき、「27でいいですか」とソンさん。27km/hで先頭を淡々と引かれて行く。何かグルメでも、とさこっちさんが誘うもなびかず、私も何か観光地を紹介せねば白鬚神社を思いつくも反対車線への横断はできないし、で本当に休みなしだった。重量アップ中の私にはPC1までのさこっちさんの鬼引きもソンさんの27km/hも、会話ができないペースだった。T Lineでなきゃ脱落してるねミ★
 気づけばさこっちさんがハンガーノックで脱落していた。ソンさんはPC2をスルーし掛けたので必死に止める。

ちょっとばらけたけど皆で走っていてよかったね。
私はというと、ハイペースで胃がしんどかった。もう昼前で暑くなってきたのもあっただろう。

□ 敦賀、越前、東尋坊
 滋賀県から福井県まで国道161号線で抜ける。県境は文字通り国境峠(くにざかいとうげ)と呼ばれる峠を383mまで登らなければならない。Wikipediaによると国境峠は俗称のようで、七里半越(しちりはんごえ)、山中峠(やまなかとうげ)、愛発越(あらちごえ)、海津越(かいづごえ)などというらしい。登りはやはりソンさんが速く、ついで紫芋兄さんがガッツを見せて追いかけて行った。この峠、下りが長かった。帰路はきついだろうなーと思いながら下った。途中の自販機で休憩していたソンさんと紫芋兄さんと合流し、次に見えた140km地点の敦賀のコンビニで休憩。予定より少し余裕のある時刻だった。ソンさんはエネルギー効率がよいのか、かなり少食で驚かされた。
 10kmほど進み、PC3 葉原区公会堂に到着。
葉原区公会堂
この少し先、集落を抜けた後の信号待ちの長いおどろおどろしいトンネルを進む。
Habara tunnel
後から調べると、葉原(はばら)トンネルという旧北陸線跡らしい。狭くて暗かった。
 それからびゅーんと下って日本海側に出る。福井の山の舗装路は、グルービング工法という縦溝で雪対策をされていることが多いが、これがブロンプトンと相性が悪い。快適な速度で下ろうとするとハンドルが左右にぶれる感覚が必発する。剛性が低いために起こるシミー現象とされている。でもT Lineなら大丈夫。下りが安全に飛ばせるのは本当に快適だった。
 海岸線沿いは何度か走ったことがあるが、風が裏切らなければ快適に進める。183km地点、PC4のコンビニに順調に到着。ここで、さこっちさんの100均サンダルの裏が案の定ペダルでボロボロになったため、マリンシューズに履き替えていた。底が少し硬いタイプで少し剛性あり(いや、あるといってもだな…)。そしたら、さこっちさんが鬼速になってついて行けなくなった(^_^; 気づけば皆バラバラになっていた。
 途中のドラッグストアでトイレ休憩をして出ると、紫芋兄さんの背中が見えた。なかなか追いつけないでいると、その先のファミマでさこっちさんとソンさんが休憩していた。少し雨が降り始めていたこともあり、雨装備にする。とはいえ、まだ暑かったので、私はレインジャケットのみ着た。そうこうしていると時間が結構掛かってしまい、空腹を感じていなかったこともあって補給がおろそかになってしまった。
 PC5の雄島(おしま)橋の手前で、さこっちさんの提案で東尋坊に寄った。
Toujinbou
雄島橋のほうを写したので、これでは東尋坊っぽさというか、柱状節理がよく分からない。周りのお店は開いていなかったけど、ソンさんには気に入っていただけたようでよかった。
 そしてPC5 雄島橋。
Oshimabashi
雨ブルベあるあるで、写真はこれで最後。休憩が多くて、前のPCから貯金が増えておらず、グロスは16.5km/hくらいだった。仮眠して折り返すには心許ないペースだ。

□ めざせ、茨木ハウス
 そこで、速すぎるペースもしんどいが、一応復路も念頭に入れてペースを仕切ろうと、先頭を走ることにした。しかし、出発してすぐ空腹を感じた。さっきのPCで停車中に何か食べればよかったのに…。信号待ちもなかなかなくて、空腹だと手もうまく動かなくて、時間を掛けながら何とかナッツとプロテインバーを摂取。やっと復活してよいペースで引けるようになったので、”お待たせしました”と後ろを振り返ると、さこっちさんと紫芋兄さんがいなかった。風が強い所はソンさんが引いてくださったが、復路は風雨が厳しくなるから、3人がバラバラになるようでは完走は厳しいだろう。DNFを考えるようになった。上のタイトルのように、目指す所が大阪の茨木”市”でなくなった。
 石川県に入り、256km地点、加賀のコンビニで夕飯休憩に。麺類が好きなのでカルボナーラパスタを選んだが、数口食べて塩味しかせず、3分の1ほどでまずくてどうしても胃に押し込むことができなくなった。忘れていても突如やってくる悪阻、遠慮していただきたい。仕方なくインゼリーで補給する。
 再び4人揃って出発したところで、雨脚が強くなってきた。トンネルで雨をしのぎながらレインウェア下を着た。着々と時間が失われていく。300kmまでなら残り50km。ソンさんの完走が堅くなり、全体的にペースが落ち着く。と思ったら、急にお尻が痛くなってきた。T Lineのサドルはクッションが少なく、足がよく回っているときはペースを保つのに適しているが、ペースが落ちて来るとちょっと硬くて痛い。
 気づけばまた二人旅。300kmまで残り15kmを切った頃からソンさんのペースが落ちてきた。眠気と空腹のせいだったらしい。普段のペースならもうとっくにゴールされているだろうから、何だか申し訳なかった。前を代わり、8km手前のコンビニで休憩することに。休憩しながら話していると、泊まる予定のホテルのチェックインまで1時間しかないという。”ゴール前にホテルに寄れば間に合う…!”と思った私、コンビニ前を通過したさこっちさんをソンさんが招き入れたにも関わらず、ソンさんと一緒に先に出発。さこっちさん、その節はごめんなさい(^_^;
 金沢の市街地に差し掛かって何度かホテルに寄ることを勧めるも、”ゴールに行きます”と言われたので茨木ハウスへ。ソンさん、無事完走。後から到着した紫芋兄さん、さこっちさんとともに私はDNFを選んだ。

□ アフターブルベ
 さて、ソンさんの宿をどうするか…というところであったが、600km組の仮眠予定地だった快活クラブにとりあえず寄ってみたところ、パスポートで会員手続きができた。”旅人の実家”と呼ばれる快活クラブの魅力は伝わっただろうか…? 翌朝、皆で朝食を食べに行く約束をして各々の部屋へ。朝食はお寿司🍣🙌…の前に、マクドナルド🍟を食べたところで、ソンさんとは旅程の関係でお別れになった。また会いましょう。
 お寿司を食べて、まだ呑むという2人より一足先に、文明の利器で帰阪。Twitterを眺めていると、600kmで続行した方々は荒天で海沿いの通行止め・山への迂回に遭遇していた。普段余裕の時間にゴールを決める猛者たちが39時間台でゴールされていた…。600kmの認定の保険だなんて、とんでもなかった(汗)

□ T Lineはいいぞ (まとめ)
 T Lineは男女の力の差を埋められる機材。このブルベは本当にT Lineで行ってよかった。速度の維持が楽で、下りでシミー現象が起こらず過度の減速が不要、少々荒れた舗装でも突き上げがない、凸凹を軽く乗り越えて前に進む感触がある。サドルはちょっと硬いけど、しっかり足が動いていた250kmまではお尻の痛みはなく大丈夫だったし、乗り込み次第でもっと長距離にも使えると思う。カーボンレールなので、交換するにも選択肢が狭まるのがちと難点か。
 これにて2024年の私のブルベは終了。現在出産後のリハビリ中である。

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