宮城1000本編

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 BRM713宮城1000km 女川龍飛(竜飛) 1000 準備編に引き続いて。
□1日目: 順調快調、一転…
 仙台から女川には電車で。仙台で輪行の人たちを数人見かけましたが、石巻で2車両に短縮されて同士がいっぱい(°ー°) 気持ちが高まります。
 そして天気は曇りから晴れの予報に。
女川駅
女川の駅舎と空が美しい。
名前を聞いたことある方や、ママチャリやオーディナリーといった変わり種自転車が全国から集まり、お祭のようでした。
 参加者が多くて混雑しないか心配でしたが、出発して間もなくアップダウンが始まり、いい感じにばらけました。私も序盤からほぼ一人旅に。ペースは、最近Zwiftから推測したFTPをできるだけ越えないパワーで走るようにしました。今まではFTPが分かっておらず、調子のいい序盤でFTP走のような感じになって、パワーが段々落ちてくることにストレスを感じていました(汗)。この抑えたペースのおかげで、600kmくらいまではいつもより疲労は来ませんでした。
 北上川沿いは向かい風。しかし信号も少なく、よいペースで最初の通過チェックのコンビニに到着。ちょうど昼食時間でしたが、食べ物の選択肢は十分あってラッキーでした。さて、ここまで「津波浸水区間」を示す看板をいくつも見て、こんな小高く見えるところまで…と、地震・津波の脅威を垣間見ました。実際来ないと実感できないことってありますね。
 この次のコンビニPCは137km先Σ(°□°) 連続で走るのは70kmまでしか経験ないんですが…。行けるところまで行こうと走ると、だんだんと自販機に寄りそう参加者が目に付くようになりました。かく言う私も、60kmで暑さと冷たいもの欲しさで休憩。

ここの自販機は右側だけど、トイレもあり参加者に人気だったよう。
さらに50kmほど漕ぐと他の人に巡り合い、気を紛らわせられるようになってそのままPC1のコンビニに、ちょうど夕飯時間に到着。R宮城のスタッフさんが応援に来られていて、ゆべしをいただいた(多謝!)。盛岡で早めに泊まる人もいるかと思いきや、全くそういう気配の人はおらずさらに先へ。
 同じペースの人と次の通過チェックに。直前がかなりの坂で覚悟していたらあっけなく到着。

正覚院(しょうがくいん) 御堂観音の山門。暗いw
かなり先に行ったと思っていた人たちもいて、結構にぎわっていました。きっと走力があって夕飯休憩を長く取れたんだろうな…。
 この後はほぼ1人で、ほぼ300km地点の初日泊まるキャンプ場を目指しました。キャンプ場手前は10%を越える激坂。この日一番の坂でした。予想より2時間早く到着して、これは十分休めそうと思って見回すと、
炊事場がどこか分からない&それっぽい場所に行くのに斜面を行き来しなければならない
ことが判明(^^;
夜露で濡れたふかふかの草に覆われた斜面を、自転車を転がしながらビンディングシューズで歩いて水場を確認しに行く元気はありませんでした。電灯は少しあるものの、ちょっと外れたところは真っ暗でしたしね。
□2日目: つらい再スタートから念願の…
 1泊目は諦めてとりあえず進むことに。朝食を買う予定だったコンビニに寄ると、仮眠している人がいて(Volt1700を直射して起こしてごめんなさい)、雑談するとちょっと気が楽に。ここで長めの休憩を取ることにして、トイレで体や顔を拭いたり日焼け止めを塗り直したり、皮膚保護クリームを塗り直したり、体を整えました。長めに休憩するも全然眠れる気配はなく、仮眠はせずに次の通過チェックのコンビニに向かいました。
 ここからは霧がひどく、アイウェアを頻繁に拭きながら進みました。効率は悪いけどしかたない。コンビニに着くと、やはり仮眠している人がいました。仮眠できるかと私も目をつぶってみましたが全然ダメで、単なる長めの休憩になりました。私はどこでも眠れるタチではありますが、いつでも眠れるわけではないようです。…時間を無駄にしてしまった。
 25kmほど先はドロップバッグを送った町なので、ついでにその周辺のコインランドリーで洗濯することにしました。到着すると、そこは本当に洗濯機と乾燥機だけ(涙)。トイレがあれば着替えて洗えるのに…。とりあえず一部は洗濯し、ドライシャンプーで髪をさっぱりさせたり、サイクルコンピューターやスマホの充電作業をしながら次を考えます。泊まらないと充電のタイミングも悩みどころですね。そして出した結論は、眠れる気配が全くないので、ドロップバッグを回収できる時間まで待たずに次に進むことでした(後で営業所から電話があり、自宅への返送をお願いしました)。プランBを準備していなかったことを後悔。

蕪島神社(かぶしまじんじゃ)。東北はウミネコの繁殖地が多いらしい。ウミネコから落とし物をもらいそう。
 青森県に入ると道路の凹凸がきつくなり始めました。雪国では、チェーンをつけた大型車で道路にひびが入る→水が浸み込む→凍る→膨張してアスファルトが割れる、ということが繰り返されるかららしい(ベテラン参加者さんから聞いた)。400kmを過ぎてから、凸凹による手の痛み、お尻の痛みが段々と出てきてつらくなってきました。しかも車の交通量が多く、ひび割れを避けたくても車が猛スピードで傍を走っていく。何の自信があってそこまで攻めるのか、こけたらどうすんのや、という距離感。その連続でずーっと集中して走っていると、不思議と作業ゲーのように、ほぼ無意識でギアを変えたり抜重したり車を気にしつつひびを避けたりできるようになってきた。でもあまりに現実感がなくおかしいと感じたので停車して休憩することに。ちょうどそこには囲いのあるバス停が。スタートから28時間くらいのことでした。
 
 青森市内に入ると一気に晴れて、浅虫温泉周辺の青い海に緑の島のオーシャンビューは最高だった。でも余裕がなくて写真はない(^^;
 ここから津軽半島をぐるっと回る。海岸沿いを走っていると、進行方向とは逆からブルベっぽい格好のランナーがまばらにやって来る。後で調べると、第4回 みちのく津軽ジャーニーランという、弘前から竜飛に行ってまた戻るという263kmのランの大会の参加者だったようです。アタマオカCデスネ。 話し掛けるとしんどいだろうと思い、心の中でお互いの完走を祈りました。

海の向こうに夕日で光る下北半島。神々しかった。
 竜飛岬に向かう手前で、明らかに私よりペースが速い人たちとなぜか一緒になり、つられて手前のコンビニで休憩して夕食に。私のこの日の走行距離は70km残すところ、まだ100kmとか150kmとか走るとか(*_*)

津軽海峡冬景色歌謡碑。ロールケーキに見える。
龍泊ラインは熊出没区間とのことで、一緒に行きましょうと誘っていただき、苦手な登坂をがんばって付いていきました。下りは爆風、霧で視野も不良。それでもあっという間に見えなくなり、技術力の差を実感(^^; いやほんとにありがたかった。通過チェックのコンビニでブルベあるある話をしてお別れ。
 さらに数十km進んで、予定の宿泊地 芦野公園オートキャンプ場に到着。寄り道できるほどの走力がない私にとっては、キャンプ・テント泊こそが今回のブルベ外での楽しみでした。600km以上はるばる運んできたテントを組み立て、体をきれいにしながら着替え、バックパックでずっと背中で蒸し暑さを放ってきたウォッシュバッグで洗濯。ただすごく風の強い日で、洗濯物を外に干す気にはなれずテントの中に広げました(^^;

芦野公園オートキャンプ場は大人気。
□3日目: お尻が痛い
 早朝、生乾きの服を着て、テントを片付けて再出発。ドロップバッグを宅急便営業所で受け取って荷物を整理し、もう使わないテントやバッテリー、雨具などをアルミシートに包んで返送しました。この作業、主にサドルバッグの詰め直しに意外と時間が掛かってしまい、次が通過チェックでなくPCであることを忘れていたこともあり、次のコンビニPCは思ったよりぎりぎりとなりました。途中で他の人に会わなければ危ないところでした(^^;
 ここからいよいよ八幡平(はちまんたい)。アルプスのようなそびえ立つような山ではなく、台地状火山というらしいのですが、山と呼ばないのも分かる気がしました。ただ走ると激坂ではないものの、ずーっと長い登りでした。
 でも実際は、登りそのものより尻痛との戦いでした。他の人に抜かされつつ、「ちゃうねんしんどくはないねん尻が痛いねん」と思いながら。2日目の400kmを超えてから、道路の凹凸で(誤) 坐骨棘 (正) 坐骨結節に尻痛が出て、また洗濯できず汗で濡れたままのビブで皮膚にテンションが掛かってあらゆる股の接触部が痛い状態に。寝て少し改善するも、コンビニで休憩して皮膚保護クリームを塗り直しても、再び痛くなるまでの時間がだんだん短くなってきました。座り方を変えて圧迫されるところを変えると今度はそこが痛くなり、挙句の果てに自分の皮膚同士が擦れて、ありとあらゆる”お尻”が痛くなりました。700kmを超えてからはずっとそんな感じで、サドルへの荷重を減らすべきと思っていても、腕・体幹の筋力が残っていなくて脚と腰で何とか時々立ち漕ぎもどきをして耐えました。尻がダメになるとバランスも悪くなるようで、いつもなら足を止めずにボトルで給水できるのに、足を止めないとふらふらするようになり、さらなるペースダウンにつながりました。

田沢湖より北にある、宝仙湖。写真では微妙だけど夕焼けで趣のある風景だった。

斉内の河川公園。夜は趣が感じられなかった。
□4日目: お尻が痛い Part 2
 コンビニに替えのお尻があればいいのに、なんてくだらないことを思いながら、深夜に最終のコンビニPCに到着。ラスボスは秋田-宮城の県境、国道398号線。斜度はたいしたことないけど長いよ、と誰かが教えてくれました。
 まだ眠気が来ず、山の中での力尽きるのは避けたいなーと思いながら走っていると、遠くの複数の街灯がいわゆる大型UFOの窓のように見えた。違うよ、と一度振り払っても同じように見えて思考から離れないので、眠気は感じていなかったものの、ちょうどバス停が見えたところで休憩。そういえば1人で走っているのに、後ろの方でかすかに人の話し声がしていた。幻覚と勘違い・見間違いとの違いは、簡単に修正できるかどうか、内容が一般人からみて理解可能かどうか、だと思いますね。その判断力が残っているうちに休憩せねばなりません。私の経験が誰かの参考になれば。
 あとはただ国道398号線を登り花山峠を越えるだけ。

早朝の山々。4時には明るくなる。もっと開けた絶景ポイントがあったけど通り過ぎてしまった…。
お尻の安寧のためには、ただただ漕ぎ続けるしかない。脚と腰だけに頼った立ち漕ぎもどきは膝に負担が掛かるけど、100km切ったので何とかなる―。そしてやはり右膝と左腰が痛くなりました。また、サドルバッグはこなき爺のごとく、立ち漕ぎ時に揺れや重さを地味に増強させます。荷物を送り返したときに詰め替えに失敗したようで、後端が下がってきて段々負荷になりました。下りでは歌って眠気を飛ばし、お尻の代わりに腿裏で後方に荷重を掛け、サドルバッグの重さにもここでは助けられ、前足を腹でロックして普段より減速し、いつもより慎重に下りました。
 最後7kmは真っ直ぐ。ちょうどサイコンの電池が切れて、前の人について行こうとしたらめっちゃ飛ばしはる。いまさらここがんばるとこちゃうよなーと思いながら追いかけたら40km/h以上出たので安全のため自粛。でもその最中はお尻は痛くなかったので、本当はこういう走り方をするべきなんだろうなぁ、と思っていたらほどなくゴールに到着。オシリヲトリカエシタゾ!
□振り返り
 お尻が痛かったせいで700km以降はガクッとパワーが落ちて、そのためか疲労は600kmとあまり変わりませんでした。お尻さえ痛くなければまだ走れる体力が残っていましたが、痛くなければきっと体力を削ってもっと速く走ろうとしたでしょう。速く走れば早く終わって楽、と思っていましたが、そうでもないことが今回分かりました。今後走り方が少し変わってくるかもしれません。
 今回初の長距離なので最初からお尻の心配はしており、メリーズ するりんキレイおしりふき トイレに流せるタイプを持って行きましたが、これがウォシュレットのないトイレでのお尻ケアに役立ちました。また皮膚保護クリーム プロテクトJ1はとても優秀で、皮膚が途中で剥けることはありませんでした。
 控えめに言っても、晴天に恵まれた今回のコースは景色がよく楽しかったです。参加者が多くていつ走っても誰かと一緒になって話せるし、自転車も装備も人それぞれで見て楽しめる。PBP 1200kmはもっといろいろあるんでしょうね。
 1週間ほど経って体の回復は8~9割といったところですが、早くもブルベロスです。飛行機輪行をクリアしたので国内ならだいたいどこにでも行けます。次はどこに参加しようかな(・∀・)
[場所・宮城][場所・岩手][場所・青森][場所・秋田]

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