茨木発夜行(鈍行)岡山行き

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 今となっては夏の初めだったのか…。1ヶ月くらい前の話。
 ブルベで200kmを完走してすっかり調子を取り戻した(つもりの)わたくし、2週間空きで、次は300kmブルベに。本当は春先に別のを狙っていたのだけど速攻売り切れてしまい、代わりに自宅から近い茨木スタートのこの 夜スタート・片道 ブルベを選択。緊急事態宣言がなければ5月開催で、単純に短い距離から順にこなしていく予定だったのだ。自分のことを棚に上げて、このブルベを選ぶ人ってどんな物好きな人たちだろう? と疑問に思ってエントリーリストを見たところ、さすがに人数が少なかった。
□準備
 前回のブルベの往路の輪行時、恐らくタクシーに載せたときに変速の調子が少し悪くなっていた。ディレイラー調整をしたいと思っていたものの、やったことがなく億劫だったのもあり、まあ何とかなるやろ、と結局そのままに。パッキングは200kmのときとほぼ同じなのですぐ済んだ。帰りに新幹線に乗るので、身だしなみを整える物をいくつか追加。その他、1つ大きく変わったことと言えば、GPSサイコンGarmin Edge530の新規導入だ。

今までBryton Rider530を使っていたのだけど、USBでのGPXファイル転送がうまくいかなくなってしまった(ネットで転送もできるという噂も聞いたが未検証)。それと、ナビ機能はあるが逆向きでもアラートが出ないことにそろそろ嫌気がさしていた(それでDNFになったことがあるw→1年ぶり復帰ブルベ…→結果DNF)。Garminは値段と水没の報告、公式の稼働時間が20時間しかないことで今まで躊躇していたが、Edge530は防水性能がIPX7でRider530と一緒、私が使う機能のレベルでは24時間以上稼働することがTwitterのフォロワーさんからの情報で分かり、購入することにした。機能が多くて使い方が分からない点もまだ多いが、地図表示、カラー表示、曲がり角のアラートがとても分かりやすい。
 出走日の数日前、山陰や中国地方が大雨に見舞われた。岡山にも土砂災害の恐れありというニュースを見たのでコースを確認すると、1ヶ所通行止めになっていたが、容易に迂回できる場所だった。当日の天気は曇りだったが不安定のようだったので、山も走るなら降るだろうとレインウェア上下を用意した。
 夜スタートなので睡眠をいつもより確保しておきたいところだが、なかなかうまくいかない。前日はかろうじていつもより1時間長く眠れたが、午前中は仕事へ。帰宅途中電車で15分、帰宅してから15分ほど、ほんの少し意識が飛んだくらいしか眠れなかった。昼寝の途中で保育園から帰ってきた子どもは元気いっぱいではしゃぎ、続きの昼寝をせず、私を眠らせてくれない。子守りを夫に任せて準備を進めたが、はしゃぎ声をものともせず、なぜか夫のほうがたくさん寝ているではないか。おかしい…。それはともかく、先日のブルベのときと子どもの世話の準備・指示はあまり変わらず、前回よりスムーズだった。少しずつ留守番の機会を増やすのは大事なことだと思う。
□スタート
 少しでも休めるようにと、家からスタート付近まではタクシーで。これがちょっと問題で、運転手さんに気を遣われて輪行袋を持たれて積まれてしまい、結果、変速の不調がさらに悪化してしまった。「(自分でやるので)大丈夫です」と言ったのだが…。今更だけどディレイラーガードを付けたほうがいいのかもしれない。
 受付に行くと夜遊び仲間が集まっていたが、日程変更の影響か人数は思った以上に少なかった。ブリーフィング、装備チェックを済ませて出走。だが、なかなか誰も出発せず、私が先頭になってしまった(^^;; 「私、逆走DNFした人だよ? ついてきて大丈夫と思っているん?」などと思いながら走り始めた。それに復帰後まだ3回目、後ろに気を遣う余裕はあまりになく、走りにくかった。
 有馬までは通勤や練習でわりと知った道で、深夜のおかげで車が少なく、比較的快適に走れた。しかし、気温は期待ほどには下がらず、そこそこ暑かった。
 有馬は3年前、ブルベを始める少し前に1回来たことがある。そのときは途中で何度も足付きしたし、船坂交差点の手前は押し歩きだったんだよねぇ。と、感慨に浸りながらちまちまと登る。今は蛇行もせず登れるけれど、遅い。


久しぶりに登った記念に写真を撮ったが、この後の有馬グランドホテルの激坂をすっかり忘れていた。しんどかった。
 
 コースは前半にきつめの登り、後半はほどほどの登りで済むパターン、と読んでいた。有馬を登れば、後は気が楽になる。


PC1のコンビニ手前の交差点で目を引くコレがあったので、思わず近づいて写真を。信号待ちをしていたから気づけたもので、ちょっとラッキーな気がした。
□修行(前半)
 コンビニでは軽く補給して出発。ここから姫路に向かう。日中の姫路の道路は車が多くてストレスで、あまり通りたくない場所。夜間なら少し気ゆっくり雰囲気を味わえるかも、と思っていた。姫路市内に入る山中で小雨に降られたが、市街を目指しているうちにすぐ止んだ。姫路城付近は、路地をうろちょろしているうちに迷って、結局見える所に出なかった。こういう寄り道は最初から計画を立てていないと自分の性格上できないので、まあ仕方ない。90kmくらいから平地でも速度が落ちてきていたこともあって、ちょっと焦りもあった。
 速度が落ちてきたため、後ろから2人に追いつかれた。基本的に追いついたほうが速いのだから抜かしてくれたらいいのに、抜かしてくれないし、先頭になってもくれない。22~24km/hしか出てない人の後ろにつくメリットなんてそれほどないやろうに…。先頭になったので私は手信号をするし信号の変わり目を見計らって速度を調整するが、一方後続は微妙に離れていて前照灯のライトアップの助けにもならないし、私がミスコースしても後ろから教えてもくれない。しかも1人は右斜め後ろに”並走”(実際には並走ではないが、車から見たら並走っぽい幅に近い)していて、またブルベならではの明るい前照灯が車のライトと区別がつきにくくて、非常に邪魔だった。車が少なくなった辺りで抜かされたが、本当にうざかった。
 市街地を過ぎると、暗くてただひたすら距離を稼ぐ作業ゲーのようになっていた。


PC2のコンビニにはオープン前に着き、前のオブジェで写真を撮影。オープン前に着くのは分かっていたが、代替の補給場所を考えておらず、手前8kmの右側のコンビニをスルーしていた。そのうちコンビニが見つかるだろう、と。しかし、次のPCまでほとんどコンビニはなかった。
□修行(中間)
 ある登坂の終わりで、標識を撮影している参加者(以降、Aさんと呼ぶ)に追いついた。私には特段興味の惹かれる物ではなかったため、そのまま下って一旦市街地に入り、Garminの表示でもよく分からないグネグネ道でミスコースをしたところで、Aさんが後ろにいたことに気づく。AさんのGarminが不調で、私の速度がちょうどいいこともあってついてきていたらしい。Garminでもよく分からないのでスマホのGoogleマイマップでルートを確認したところ、出雲街道・例の未舗装路に到達した。


キューシートに1行だけ記載されていた未舗装路の存在を私は見落としていて、ブリーフィングで初めて知った。迂回もOKと言われていたが、迂回路を考えるのが面倒だったし、距離がずれるのが面倒だったし、そもそも対策を何も考えていなかった。ただ貯金は十分にあったので焦ることはなく、歩けばいいやとは思っていた。アップダウンのあるグラベルに悪態をつきながら、Aさんとしんどさを共有できたおかげで心が折れずに済んだ。コンビニで朝食を摂りたい、トイレに行っておきたいという雑念は、この区間だけはどこかに消えていた。
 グラベルを終えて、コンビニ探し再開。ちょうど勝央サービスエリアが途中にあり、Aさんと別れて補給とトイレ休憩をした。


食堂も開いていて、がっつり食べてもよかったが、ジェルも残っていたので軽食に留めた。PC2の手前で、別のコンビニで休憩を取っていたAさんにまた追いつく。
 PC2の手前で、左のクリートがはまらなくなった。まだ登り下りがあるので、クリートがはまらないと危ないなぁと思っていたが、


グラベルで歩いた影響だろうか、先端のグリップ部分がもげている。原因が分かれば何とかなるもので、手前側をはめる感触をつかんでペダリングした。実際はまっていたようで、登りの立ち漕ぎでも下りでもずれる気配はなかった。
 事前に通行止めがある判明していた429号線に入るときに、地元民らしきMTBの男性が親切に通行止めのことを教えてくれた。429号線は草刈り中だった。お年寄りたちが「今日は自転車がいっぱい通るねぇ」と岡山弁のイントネーションで言っていた。道路をこう整備する人がいなければ自転車で走れなくなるかもしれないのだからありがたい。
 PC2を私より先に出発したAさんは、迂回地点で停まっていて道を調べていたので、例によってスマホでGoogleマイマップを見ながら先行案内した。予報では曇り~雨だった天気はどこへやらで、山の中にも関わらず、この頃にはスマホの画面が見にくいほど日が照り付けていた。登坂は苦手だというAさん、実際私より少し遅いが、この暑さで、薄いとはいえネックゲイター装着で走っている。。 本当の実力的にはもっと速いやろう(汗)
□修行(後半)
 あまりの暑さで私は飲料ばかり消費して、お腹タポタポ気味に。PC4のコンビニに着いたときには固形物が入らなくなっていた。プリンでカロリーを詰め込む。塩分が足りないのかと、塩タブレットを食べても飲料の消費は改善しなかった。
 私とAさんのグロースの速度はどうやらほぼ同じになるようだった。一緒に走ったほうが何かとメリットがありそうだと思い、Garmin不調のAさんが後ろ、私が前を行く形で残りの行程を同行してもらった。結果、車の交通が多い道路もストレスが少なく走れた。会話もあったので、距離がなかなか減らないことにイライラしなくて済んだ。
 少し私が迷惑を掛けることもあった。途中、キューシートが風にあおられて片方の固定が外れ、その弾みでCatEyeのサイコンがふっ飛んで、道を戻って探す羽目になった(わりとすぐに無事に見つけられた)。ディレイラーの調子が悪くてちょうどいいギアが選びにくくて、速度も安定しなかった。
 また、残り20kmほどの所で、この暑さの中なのにふと寒気を感じ、灼熱サイクリングのときの熱中症のなりかけを思い出した。ヤバさを感じ、飲料も足りなくなりそうで、臨時でコンビニ休憩した。Aさんも飲料を購入していたが、なんと真水…。ガチで暑さに強い人である。Aさんが残った水をくれ、でも私は熱中症気味で真水を飲むわけにはいかないので、水を全身に振りかけた。冷たいのは一瞬、涼しいのは再開して最初の1kmくらいだったと思うが、以降、飲料の消費スピードが格段に減った。猛暑という気温ではなく水をかぶることにここ来るまで考えが及ばなかったが、暑熱順化が不十分だったのだろう。自転車通勤しているとはいえ比較的涼しい時間帯だし、汗をなるべくかかないよう一生懸命漕がないようにしているので、長距離・日中になると体が対応できなくなるのだろう。あと、PBP記念反射ベストは思った以上に暑い。雨や寒い日はいいが、タスキでも問題ないときは、今度から夏はタスキにしよう。


瀬戸大橋を撮る気分的な余裕もできた。
そしてゴール。レインウェア持参したのに全く使わず。雨どこ行った!(`へ´)


すでによき思い出に変換されつつある。
□帰宅
 児島駅で輪行し、手荷物はシートゥサミットのウルトラシルナノデイパックへ。

今回は丸めた状態でトップチューブバッグに入れていた。重い物を入れると紐が肩に食い込んで痛いが、そうでなければ容量も18Lと大きくて便利である。買った当時は個人的に一押しアイテムだったが、今はマイバッグが流行ってコスパのよい物が増えたなと思う。
 トイレで身だしなみを整えて電車に乗り、新幹線では初めて特大荷物スペースを予約して乗った。1回だけでは何とも言えないけれど、便利になったと思う。
 帰宅すると子どもは夕食中だった。ベビーフードのおかずの存在に夫が気づいておらず、ご飯ものを2品食べさせられていたが完食していた…。食い気より眠気な性格なのに、ずいぶんと食べるようになったものだ(嘆)
□後日
 意外にも、当日は夜まで眠気は全く出なかった。が、その後3日間ほどは午後に強烈な眠気に襲われていた。筋肉痛は出なかったが、眠気とだるさのため、自転車通勤も帰路の半分は輪行にする日が何日か続いた。走行速度が遅かったからか、ブルベ腹は軽く、1~2日ほどおやつが多めになったくらいで済んだ。しばらく続いていたポンコツぶりも、今回は大丈夫だった。自信が取り戻せたブルベだった。
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