諸事情で200kmブルベをブロンプトンで完走した去年。
過去記事: 赤いブロンプトンで紅葉狩りブルベへ ~本編~
今年度はブロンプトンでのSRを狙ってコースを選びつつエントリーしていたが、故障でショップにお預けとなり300・400kmは挑戦できなかった。完治の時期の見通しがつかず、通勤にも支障があるので結局新車を買い、何とか広島600km〜広島・ゆめしまなみ海道・下灘〜の1週間前に受け取ることができた。
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<目次>
□ 準備
□ 広島出発
□ しまなみ・ゆめしま
□ 今治・松山
□ 伊予
□ DNF満喫
□ 所感
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□ 準備
1週間で旧車両と同じ仕様にするにはちょっと時間が足りなかった。ハンドルグリップやブレーキレバーの角度調整、フロントライトマウントの移植、リアライトマウントの移植、サドル交換&位置調整、サドルハイトインサートの調整(サドル高上限設定)、と書けばこれだけなのだけど。グリップやブレーキレバーの角度は乗ってみないと分からないし、フロントライトマウントの取り付けは一旦ブレーキのキャリパーを外すから気を遣うし、リアライトマウントは旧車から外すときにネジ頭をなめそうになる。サドルはデフォルトで取り付いていたのが慣れ親しんだ純正ではなくなっていて、適当に余っていたロード用のを取り付けたら厚みが純正と違うので、サドル高の調整(サドルハイトインサートの取り出し=めんどい)が必要だった。サドルを外すとやぐらの部品がバラバラ落ちて散るし。準備は概ね間に合ったが、睡眠時間をだいぶ削ってしまった。
新車になってよくなったことももちろんある。折り畳むときの抵抗がすごく軽い。漕いた感触も軽い。ペダルの折り畳みでフレームに傷がつかない仕様に改良されている。リアの反射板の固定(リアライトマウントに変更)がプラスネジから六角のメガネレンチ仕様になって、横から操作可能になっている。ギア操作がラビットイヤーからサムシフターになっていて、ハンドルを握ったままの操作がしやすい。またハンドル周りがスッキリしていろいろ物をつけやすくなった。
天気予報が1日目夜から2日目早朝まで雨というのも気になった。フロントバッグの紐に穴を開けたキューシートを固定するという方法で運用しているが(次の写真(旧車))、雨でバッグにカバーを掛けると固定できなくなってしまう。

まぁキューシートなくてもサイコンのナビがあれば大丈夫なので、雨のときはバッグに仕舞うことにする。カバーを掛けると補給食も走りながら取り出せなくなってしまうが、そのときは止まるしかないだろう。いろいろと面倒そうだと思った。
□ 広島出発
前日夜、終電1つ前で広島入り。ブロンプトンの輪行は速いのでストレスが軽いし、予定の電車から遅れることも少ない。可能ならばブロンプトンでブルベを走りたい理由の1つだ。
広島に着くと小雨だった。ホテルまで中途半端な距離で、さっさと輪行解除すればよかったのにうっかり半分ほど歩いてしまった。雨は段々強くなって、いつもブルベ前日は夜食を食べてから寝るが、コンビニに寄れなくて着いたらそのまま寝ることになった。ホテルは中途半端に個室化していて蛇腹式のスライドドアの開閉音がうるさく、完全ドミトリーのほうがマシなくらいだった。
早朝も雨だった。スタート地点に向かう途中の、広島カープ色の強いローソンで朝食と補給食を準備する。
またついカープグッズを買ってしまった。 pic.twitter.com/MqV9epyX7T
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 24, 2023
最近は野球を見る暇もないが、実はカープファンなので、ついカープグッズを買ってしまう。ついでに、雨天なのにグローブの替えを持って来ていなかったので適当な安い手袋を念のために買った。どうせならカープの手袋が欲しかったなぁ。
朝食を立ち食いしていると、ブルベ参加者が続々と立ち寄って行く。スタート地点はすぐそこで、誰かに付いて行ったら着いた。よい天気ではないのに参加者は多い。PBPイヤーだからだろうか。ミニベロの参加者はパッと見た限り他に見つからなかったが、ランドナー風、パニア付きの自転車は数台見掛けた。しまなみだもの、思いっきり旅行気分にしたいよね(゚-゚)(。。)ウンウン 今回のコースはこちら↓

スタート時には小雨かほぼ止むくらいに天気は好転した。誰かの後ろを走らせてもらいたいなと思うも、ちょっと頑張りが利かなくて付いて行けない。数日前にもブルベに出ていてやっと回復したところでもあるし(過去記事: 完走!!@BRM321神戸200VT)、これに合わせて飲んでいたプラノバールの効果が切れてしんどいことになっていた。近いペースの人に付かせてもらうも、さっきまでの雨で泥除けがない自転車の後ろは要注意であった。
途中でうっかりロードバイクに付いて行こうとしたら、右膝周りに痛みが出たので諦めた。なんだか腹痛も少しあった。
PC1 セブイレ
雨は上がったけど寒い。#BRM325広島600km pic.twitter.com/riQco17ENu— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 24, 2023
38km地点のPC1のコンビニには予定時刻通りに着いた。今回のコースはフェリーに3回乗るので時間が読みにくく、最後のフェリー乗り場までは17km/hを目安にして、以降は15km/hの参考時間から貯金がどれくらいか、を見ながら走ることにしていた。 まぁノープランに近い。
昨晩夜食を食べ損ねたからか、ミニベロだからなのか、すでに空腹で朝ごはんを追加するくらいの量を食べた。雨は上がったのでレインウェアを仕舞って再出発。しばらくすると、「お家に帰り着くまでがブルベです」の応援幕と車を発見。まだまだ始まったばかりだけどうれしい。


途中で撮影した牡蠣筏(かきいかだ)と工場の写真。特別な風景というほどではないけれど、自転車で走っているといい景色だなと思うものだ。
一方で、50kmくらいからお尻が痛くなる。適当に選んだサドルは幅が狭くて使っていなかった物で、通勤レベルでは全く問題ないが、坐骨結節がサドルの縁の硬くなり始めた部分に当たる。姿勢がロードよりアップライトなので、体が跳ねると坐骨結節がサドルにガンガン当たる。さらにこの日はシームレスでないショーツを使っていたので縫い代部分が直撃。何百kmも耐えられないと判断し、途中のコンビニで昼食のついでに着替えとプロテクトJ1塗りを敢行。
ずっと1人旅でなかなか進まない状態だったが、何とか目安時間に109km、通過チェックの尾道渡船・尾道(土堂)のりばに到着。参加者1人と乗船。
船乗ったやで。#BRM325広島600km pic.twitter.com/SRkAfYD2ND
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
□ しまなみ・ゆめしま
向島に着いてからしばらくは交通量が結構ある。なかなか進まなくてちょっと焦る。一方で、フェリーの休憩のおかげかお尻の痛みはマシになり、腹痛も急になくなった。この調子で…と行きたいところだが、因島に入るとそれなりにアップダウンがあり時間が掛かる。観光客がゆったり走っている傍を、それなりの速度で荷物もそこそこ持って蛍光ベストを着て先を急いで走っているのは明らかに異質であった。2つ目のフェリー乗り場、135km地点の生名島(いきなじま)フェリーのりばも目標通りの時間に到着したが、もう少し速ければ20分前の1本前のに乗れたのに…というタイミング。
2つめ乗るよ!#BRM325広島600km pic.twitter.com/PhjdJlOXPR
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
予定外の休憩時間が発生してしまっている。そして一緒に乗る参加者はこのたびはいない…。やはりフェリーの時間が鬼門になっている。
生名島に到着してぐるっと回って来た人とすれ違い、速度差を実感しながらも慌てず急ぐ。生名島から佐島→弓削島(ゆげしま)へとゆめしま海道を通って、146km地点の通過チェック、防波堤アート「天の花」 に。
防波堤 アート#BRM325広島600km pic.twitter.com/a9gskJZnYI
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この後、弓削島の東側、急に登りがきつい所が現れてビビる。下りも新車に体が馴染んでいなくて飛ばしにくい。
弓削島から佐島に戻り、狭い道をやり過ごし、噂の激坂を超えて160km地点。
Uターンなやつ。#BRM325広島600km pic.twitter.com/0pz4lOR8r8
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通過チェックのUターンブルーライン。段々ツイートが投げやりになってきている…。激坂だったが短いのでこれくらいなら立ち漕ぎでやり過ごせた。せっかくのブロンプトンなので、”お座り”状態で写真を撮りたくていろいろ角度を探る。傾斜になっているのでなかなか立たないのだ。
佐島から生名島、岩城島(いわぎじま)へと方向に気を付けながら橋を渡っていき、次のチェックポイント172kmに到達した。最初はどの建物が分からず、隣の店のレシート取得でもよいということだったのでパンを買う。店から出るとポイントがわかったので、レジの時間がずれてるわーと思いながら写真を撮る。
レシートの時間が大幅にずれていたので なんとなく写真に。#BRM325広島600km pic.twitter.com/Lncix7DNr3
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
ここでキューシートを見ると、次のフェリーが6km弱、25分後と判明。登り基調ではなかったはずだし普通の道なら間に合うはずだが、初見なので確証はない。パン食ってる場合じゃねえ!食べかけのパンをフロントバッグに仕舞って走り出す。1人だと全部のチェックを自分でしないといけないので効率が悪い。
フェリー間に合ったぜ!気づかなかったらやばかった。
#BRM325広島600km pic.twitter.com/zG9IzX3GbW— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
177.5km地点、三光汽船小漕港(おこぎこう)に到着。まぁ間に合ったのだけど、30分ごとのフェリーで目標より1本遅い30分の遅れ。結局のところ、一番最初のフェリーで少なくとも20分前・2本前に乗っていなければ1本前に乗ることはできなかったということになる。条件がよくても難しかったかも。
船では無料乗船キャンペーン中で、どこから来たか書けば人間は無料、自転車運賃だけで済んだ。そして生口島(いくちしま)の洲江港(すのえこう)に上陸。そして大三島(おおみしま)へ。大三島はたいへんよく登った。
暗いw#BRM325広島600km pic.twitter.com/fhdwthHoQU
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
207km地点、通過チェックの宗方港(むながたこう)港務所。Twitterに写真を上げると、明るいうちに皆通過していることが分かる。
この後さらに大三島の南側を登る(反時計回り)。1人旅で暗くてやる気が維持できにくくなる。しかし、風も少しあったが向かい風がきついということはなく、淡々と耐えた。DNF後に聞いた話では、登りはここが一番大変な所だったらしい。
伯方島(はかたじま)もぐるりと時計回りに漕いで、
よいしょっと。#BRM325広島600km pic.twitter.com/wKkv0EMR6M
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
235km地点の通過チェック、A コープはかた。 Twitterを見るとここで買い物できた人もいるようだが(19:00閉店)、ばっちり閉まっている。ツイートのコメントが適当になっていく。ルート上にあるはずの伯方のコンビニで夕食予定だったが、どうやら重なっていた復路のルートを見ていたらしい。予習が足りない。補給食は十分持っていたので不安や狼狽はなかったけれど、まだ休めないのかとガッカリした。
伯方島から大島に行く途中で見近島キャンプ場を通る。過去の600kmブルベではここに泊まったが、今回は時間帯が合わないので宿泊予定にはしていなかった。もし前半でDNFしたら泊まるつもりで、テントとシュラフを持って来ていた。実際のところ、まだ走っているので素通りする。使わなかったので置いてくればよかった…。こういう中途半端なことを考えていたのが結局重さに反映されて負担になっていたのだろう。
大島に入ってまた結構な坂を登って、
サンセット過ぎまくってナイトロード。#BRM325広島600km pic.twitter.com/EHGdT7KroO
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
250km地点の通過チェック、堤防アートのOOSHIMA 泊サンセットロード。サンセットどころか21:30やで。
□ 今治・松山
大島を出る橋を渡る前にコンビニで夕飯。しっかり食べることができて、体調は悪くなかった。その後、長~い全長4.1kmにもなる来島(くるしま)海峡大橋を越え、ついに四国入りする。しばらくは信号は点滅になっていて走りやすかった。

多分伊予亀岡の辺りだろう、石油備蓄基地のライトアップが壮観で、思わず写真を撮った。
大浦あたりでは珍走団と並走。集団走行だけで危険運転というほどではなかったが、うるさいし怖いので勘弁してほしい。道の駅に集結しており、時期的に送別会なのかもしれないと思った。
松山市内に入ると信号が点滅でなくなり、都市部に来たなと感じた。何とか311km地点、道後温泉のコンビニPCに貯金時間を増やして辿り着く。
まだ生きてます。#BRM325広島600km pic.twitter.com/oFBMEtYbi5
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 25, 2023
今から思うと、このコメントはフラグやね…。ここで買ったみかんジュレが最高においしかったのだけど、他の所で見つけられなくて残念だった。店から出ると数名の参加者が到着。いろいろ作戦会議をされていたが、ずっと走り続ける計画の人もいるようだった。ロードなら余裕だろうと思っていたが、そこまででもないらしい。
□ 伊予
雨がたまにポツポツ降っていたのでレインウェアを着てからコンビニを出て、しばらくは信号峠を進む。雨の中走りながらサイコンやスマホを充電すると水没で起動しなくなりそうで、28km先の道の駅を休憩ポイントに定めていた。雨が少しずつ強くなってきた頃、荒れた道のアップダウンがあった。後日同じ道を晴天かつロードバイクで通過したときは問題を感じなかったが、このときは嫌だなーと感じた場所だった。
次のチェックポイントの下灘駅で折り返しとなっていて、戻って来てから休む方法もあったが、早く休みたかったのでチェックポイントに行く前に道の駅に入った。モバイルバッテリーで貯金時間がなくなるまで機器を充電するつもりで、体のケアをして、マットとアルミブランケットで休みながら待った。心身・機器とも充電されたところで、温かい飲み物を飲んで、予定より早く出発した。
残り4kmほどで下灘駅に着くはずだが、サイコンは8km先で曲がる案内をしていて、”おかしいな”と思った。それとほぼ同時に、時間貯金ゼロになる時刻を、下灘駅からの復路で道の駅に入った場合のリミットと間違えていたことに気づき焦る。実際には20分の遅れで、十分に取り戻せる可能性があったのに。そして”4km先というのは間違いなんだ”と思い込んだ。スマホにもルートを入れていたので確認すればよかったのだが、このとき2~3mmの雨。スマホの操作性も悪く、確認を怠った。
そこそこの人数の参加者とすれ違い、”皆もう戻って来ていて速いな~”と思いつつ、8km進んだのにまだ駅は見えない。松山という文字がやたら目に入るようになる。キューシートは雨天のときに取り付けられる所を準備しておらずフロントバッグの中。ただ、この表示や案内は確か下灘駅より後の段でキューシートで見た気がする…。おかしいとようやく気付いて歩道に上がってスマホを開けたときには、下灘駅より遥か彼方手前に戻っていた。下灘駅、いつ通り過ぎたの??
呆然としていると、後ろから来た参加者に話し掛けられる。DNF検討&低速走行中の方で、この辺りの地理に明るく、フェリーで本州に渡ることを考えているとのことで案内していただくことになった。電車で帰ることしか考えていなかったので、その他の選択肢の案がとても助かった。
□ DNF満喫
狐につままれた感覚のまま、「下灘駅を見落とした」としばらく言っていたが、真実はそんなわけなかった。Googleマップのタイムラインを確認すると、道の駅から逆走していただけだった。道の駅に入るときに右側に渡ったはずなのだが全く記憶になく、自信を持って左折で出発してしまったのだ。狐だってこんな低レベルのことを実績にはしたくないだろう。実は過去にも逆走系の失敗は2度、雨で確認を怠った失敗は1度あり、うち1度はDNFになっている。これでもブルベを始めてから方向音痴はだいぶ改善されているのだから、悲しいものである。
松山観光港から広島港に行くフェリーに乗ることになり、荷物の整理をしているともう1人DNF仲間がやって来た。3人でひたすら、時々居眠りしながら、次の600kmの候補を早速調べながら、DNF談義に花を咲かせたのであった。
フェリー飯! pic.twitter.com/URlS4JohFN
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) March 26, 2023
せっかくなのでたくさん食べる。新しくて素敵な船だった。
広島港から広島駅まで路面電車があると教わり、ご挨拶もそこそこに来た電車に適当に乗ったら、多分自転車で行った方が早かったルートであった。まぁこれも広島観光だと割り切って車窓を眺め、広島駅でかき弁当ともみじまんじゅうを買って帰宅した。
□ 所感
今回の走行距離は367kmだった。新車で行ったのはリスクが高かったと後から思った。準備に時間が掛かって事前の睡眠時間が削られた、グリップの角度が少しよくなかった、サドルがベストではなかった、いきなり長距離走ったせいか最後のほうで内装ギア切り替えが不良だった、など。雨天の準備も不十分で、特にキューシートを雨の中でも確認できるようにはしていなかった。
逆走を防ぐ方法としてDNF仲間に提案してもらった案は、
・往路と復路を分割してサイコンに入れておく
・Ride with GPSのナビ機能を使う
という方法だった。帰宅してから家族にも聞いてみたところ、「復路になってから休憩すればよかったのに。そうしなかった時点で疲れていたんだよ。」と真っ当なコメントが返って来て、ぐうの音も出ねぇ…。
もう少し、もう少し走っていたかったという気持ちが今回は残った。次の600kmはもっと登る予定なのでロードバイクで参加するつもりだ。次ブロンプトンで参加するブルベは全く決めていないが、まずショップに持って行って1ヶ月点検を受け、サドルを替え、グリップの角度を替え、旅行で乗り回してから考えたいと思う。[場所・広島][場所・愛媛][ブロンプトン・ブルベ]

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