2021年9月11日、本来なら日本中で蛍光ベストを身にまとい、自転車にたくさんライトを取り付けたサイクリストが見られるはずだった…。BRM 100周年にあたるこの日、200kmのBRM911を走ると記念メダルがもらえるのだった(Audax Japan
BRM100周年についてのお知らせ)。が、大阪では半ば常態化していた緊急事態宣言の影響で、私が参加予定だった泉佐野発高野山行は約1か月延期に。ロードバイクに乗るのは通勤の代車に使った数回を除けば、ほぼ約3ヶ月ぶりとなってしまった。さらに8月は風邪を切っ掛けに月の半分が体調不良という始末で、体重が予期せぬ形で1kg減。ようやく体力が戻って来た感触が得られたところで少し不安があったが、それ以上に従来のワイワイしたブルベが楽しみだった。
□準備
天気予報は、この記事を書いている今となっては想像できないくらい、季節外れの暑い予報だった。暑さ対策のため、直近2回のブルベで暑さでバテたことから反省し、通気性抜群のタスキ型ベストを選択(オダックス近畿ではOK)、ボトルは500ml×2本体勢とした。上は100年記念ジャージ(Audax Japanのページ)。帰りはりんくうの湯に入ってから電車に乗る予定で、着替え一式もサドルバッグに入れ込んだ。
前日子どもが寝た後、夫に留守を頼んで輪行でなんばのホテルに宿泊。本来の日だったら、家族皆でりんくうタウンの高級ホテルに泊まる予定だったのに…(で、翌日私だけ別行動で高野山で一度合流して応援してもらうという謎プランだったw)。なんばは不慣れで駅の出口がよく分からず、自転車を担いで15分ほど歩き回る羽目に。道には少々酔っ払いがいるものの人が少なく、まだ人出が戻ってない印象だった。予定よりチェックインが遅くなったものの、5時間弱は睡眠が確保できた。
□移動とスタート
起床して早い朝食を済ませてホテルをチェックアウト。当日スタート地点まで輪行することはあまりないので新鮮だった。
おはようございます pic.twitter.com/dlTfMy0KC2
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 8, 2021
これからの走行を応援されているかのようだ。
来たときよりも酔っ払いがふらふら歩いていてミナミらしさが感じられた…。酔っ払いと距離を取りつつ駅に向かうと、行きで迷ったのが拍子抜けするくらいにすぐ着いた。電車内は肌寒かったが、幸い少し眠ることができた。
りんくうタウン駅で輪行を解除してスタート地点へ。受付場所がよく分からず、ブリーフィング直前に着いた。人、たくさんいる!
ぼちぼち pic.twitter.com/UfZvqHlIzV
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 8, 2021
人が多かったので、分散スタートで早めに出走できた。スタート地点から車道に出るまで少し道がややこしかったが、他の人についていけばよいだけ。懐かしいこの感覚!
ロードバイクに乗るのがひさしぶりのため、調子を取り戻すのに20kmくらい掛かるだろうと思っていたら、実際本当にそうだった。もっと早く勘を取り戻したいのだけど、いつもこれくらい費やしてしまう。
200kmは段違いに速い人が少なくない。全体的にペースが速く、ついていくのが大変だった。そして天気は紛れもなく晴れ。暑い。初っ端の大阪~和歌山の県境を越える登坂もあり、25km地点の通過チェックのコンビニですでに飲料を500ml消費していた。当初はおにぎりでも食べようと考えていたが、飲み過ぎのせいだろう、この時点ですでにサンドイッチとゼリー類しか胃が受け付けなかった。
さらに登坂は続く。黒川峠の手前が一番きつかった。足付きしたら二度とサドル上に戻れない気がして、ギリギリまでがんばることにした。でも不思議とそのギリギリは来なかった。実は、前回のブルベの後でクランクセットを交換した。そのおかげか、ペダリング時にガコガコいう感じが格段に減って回しやすくなった。またクランクも短くなったおかげか、坂がきつくて回しにくいと感じることもなかった。ただし速度は遅いままだったけど。
約45km、登りが一段落したところで両太腿と両下腿が攣りかけたため、降りて路肩で休憩。8月の体調不良で体重、筋肉が落ちて、脚にエネルギーの蓄えが少ないような感触だった。休んでも疲労が回復しにくかった。またひさしぶりで下り方も下手になっていて、最初はあまりスピードが出せなかった。後半になってようやく下り方を思い出すレベルだった。
□高野山
とにかく登りでよく抜かされる。速くすいすい行って寄り道をして楽しむスタイルの人たちに、後ほど談笑しながら抜き返されるパターン。何回同じペアやグループに抜かされただろうか(笑) 私はと言えば、登りの終わりに近づくにつれて腰が痛くなり弱っていた。着替えの入ったサドルバッグは、小さいのに後ろで存在をアピールしてくる。登坂には影響が少なくない重さだった。ただ、高野山に登るのは実はこれが3回目で、とにかく長い登坂であることは覚えているし、過去登り切れたことは自信として残っているので耐えられた。両足が攣りそうになった1回を除いて、休憩なしで高野山までたどり着いた。
高野山なぅ pic.twitter.com/dbsay41XXj
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
高野山大門前
PCではないけれど、ファミリーマート高野山店で休憩を取った。65kmほどのこの時点で、先ほどのコンビニからさらにボトル2本分の飲料を消費していた。予定ではここは小休止にして次のフォトチェックポイントでカレーを食べるつもりだったが、水分でお腹タポタポで食べられる気がしない。コツコツ食べていく方法に切り替え、ここでサンドイッチとプリンなどを流し込み、Twitterを見るなど少し長めの休憩を取ってリスタート。
ついでに高野山のWAKAYAMA800のポイントも取得。WAKAYAMA800は毎年豪華な賞品が当たるスタンプラリー。末永くスポンサーがついてほしいと思うので、ちゃんと観光に一役買ってまっせ~、と県外から来たアピールで参加しておく。なぜか和歌山押しのわたくし、2ndシーズン以降毎年Googleマイマップを作成しているので、興味がある人は利用してみてください。
2021WAKAYAMA800 ~4th season~
高野山は涼しかったのに、下り始めたらすぐ暑くなってがっかりしてしまった。登ったり下ったりして次のフォトフォトコントロールの昭和食堂へ。
#BRM911泉佐野200#BRM1009泉佐野200 pic.twitter.com/tUWanWQcPU
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
残念ながらカレーを食べる胃の余力はなく、軽く手持ちの補給食を食べたりTwitterを見たりするなど、少し長めの休憩を取った
□天川村
ここから天川村(奈良県吉野郡)へ。それはアップダウンも軽く、文句なしのよい道、よい景色だった。
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
キャンプ場がたくさんあって、夏休みなんかで釣りの練習をしながら毎日渡り歩いたら楽しそうだなーと妄想した。
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
フォトコントロールの近くに商店があり、アイスかソフトが売られていたと記憶しているけれど、食べる気力はなくて近くの自動販売機で飲料を補充した。ペットボトルが捨てられなかったのが誤算だったけど、バックポケットに入れて次のPCまで持って行くことにした。コースとしてはここでだいたい半分。次のコントロールまで、登りは少しだけで、あとは下り基調だった。
□なつかしの紀ノ川
なんとなく見覚えのある道を進み、和歌山ブルベでおなじみのファミリーマート五條病院前店へ。後半に入ってから今回初めてのPCである。シュークリームとカフェラテをささっと流し込んでいると後からどんどん人が来たので、邪魔にならないようにできるだけ早く出発した。
紀ノ川沿いは向かい風だった。私がブルベで紀ノ川沿いを走るときは、上流下流どちら向きに走っていても向かい風である。1時間後スタートの人のときは追い風だったそうで、時間帯によるのだろう。途中、かきの郷くどやまに寄って、WAKAYAMA800のポイントを取得。紀ノ川沿いの反対側にはポイントが3ヶ所あり、そちらを走ってもよいという話を途中で小耳に挟んだが、この頃にはもう早く帰りたくなっていてそこまではしなかった。
最後の通過チェックのコンビニは朝と同じコンビニ。飲み過ぎでスポーツドリンクには飽きていて、補給がてらにオレンジジュースを飲み、ボトルの中身は麦茶にした。往路と同じ県境の道をまた登坂しなければならないのでそれなりにしんどかったが、気の持ちようなのか高野山に行くときと比べると短いと感じた。
市街地に入って間もなくゴール。特に欲しい物もなくて、チロルチョコを購入し、ブルベカード提出場所まで移動。スタッフさんが建物の外で誘導していてすぐに分かった。
完走しますた! pic.twitter.com/SrwbdnQBxj
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
コロナ対策で前の人と間を空けて部屋に入っていくので、まるで役所に何かの手続きをしに来たような雰囲気だった。走り終わってワイワイとできる日はまだ遠そうだった。
にわとりメダル、げっとだぜ! pic.twitter.com/z18VgTj2hN
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) October 9, 2021
ちなみに、Twitterのタイムラインの皆さんは記念メダルを丁重に扱っていて、にわとりメダルなんて呼んでる人は皆無だったorz
帰路、輪行前にりんくうの湯へ。お尻に石けんや湯が沁みる…。そういえば、皮膚保護クリームを塗るのを忘れていたっけ。200kmならこの程度で済むのだなと、そういうこともひさびさに思い出した。
この翌週、翌々週と、SRが掛かったブルベが残っていて、途中までは「余力を残して走ろう」と思っていたものの、最後のほうでは忘れるくらい没頭していた。まぁ実際の走りは、特に前半は暑さで通常の力も出ないような状態だったけれど(笑) すでに認定が取れている200kmを時間とお金と体力を掛けて走ることに少し迷いはあったが、結果として記念メダルは手に入れられたし、次の走りにもつながることになった。
次回は、「神さまのいるほうへ」。
[場所・大阪][場所・和歌山][場所・奈良]

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