11月から新年度となったブルベ。今年度のSR獲得をブロンプトンで達成したくて、先月は600kmに挑戦して完走した。
次に出走の都合がついたのは京都発の300km。前回脚と足を痛めてしまって足指にしびれ感は残るものの、がんがん踏まなければ大丈夫にはなったので予定通り出走した。
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<目次>
□ 計画・準備
□ ブロンプトン仲間
□ ラストミニット・チャレンジャーズ
□ 所感
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□ 計画・準備
実は300kmはあまり得意な距離ではない。200kmほどではないが、トラブルがあったときに時間を取り戻せる余裕があまりないので、そこそこ急がないといけない。今回のルートは京都から伊賀経由で和歌山・紀の川沿いに出て、根来(ねごろ)まで行ってまた戻り、JR桜井線・奈良線に沿って京都に戻る。
85km先のPC1までに累積標高の45%分を登るので、ここに間に合うかどうかが不安要素である。地図を見たところトンネルはほぼなく、間に合うかどうかは信号の数次第だろうと、あまり気にしないことにした。
12月なので気温を心配していたが、この日は季節外れの3~19℃の予報。冬のウェアだと足が回りにくいが、秋のウェアで行くことができ、最初だけレインウェアで防寒することにした。
前回までは前輪のパンクにしか対応できなかったが、今回はすり減った後輪のタイヤ交換と伸びきったチェーン交換をして臨んだ。まだ完全には手順を覚えていないが、動画を見れば思い出せるくらいにはなった。しかし、前日の仕事帰りに後輪から異音がするので急遽ショップに持って行ったところ、フェンダーが後輪に接触していて応急処置でフェンダーを外してもらった。タイヤのビードが不均等に上がっているのではないか、とのお店の見立てだった。自己整備のデメリットである。
□ ブロンプトン仲間
前日晩にスタート地点付近のホテルに泊まり、まあまあ眠ることができた。ただ数日前から腸腰筋の張りが悪化して、右の腹部と腰の凝りと痛みがひどかった。痛みが悪化しなければいいなと思いつつ受付に向かう。

受付に着くと、前回でもお会いした紫芋兄さん(多分最近日本で一番ブロンプトンでブルベを走っている)がおられたのでご挨拶。しばらくして、もう1台ブロンプトンと見覚えのある人がいることに気づく。前回600kmのゴールで熱心にブロンプトンについて質問されてきたさこっちさんである。200kmからぼちぼち走る、と言っておられたけども300kmでデビューですか…。輪行の手軽さがやはり最高なのが、ブロンプトンでの参加の決め手らしい。
車検が済んでそろそろ出発という頃、ふと見回すともう1台ブロンプトンの参加者がいることに気づく。メタルカラーのブロンプトンだったので、以降はメタルさんとお呼びする。
— 門川彩雷 (@ayalalmngl) December 8, 2023
出発前ぎりぎりだったが、快く写真を撮らせてくださった。
4人もいたら一緒にローテーションできたら…と思ったが、ペースは本当にバラバラだった。私はまず足の合いそうな(寄生させてもらえる)ロードの人を探しに追いかけていった。全体の参加人数が多かったので、平坦でも登坂でも同じような速度域で行く方がたまたま見つかり、しばらくは後ろにつかせてもらった。しばらくするとさこっちさんが追いつき、平坦27km/h台の結構なペースで前を引っ張っていかれたので、私にとってはややオーバーペースだったが助かった。少し後ろでは、紫芋兄さんとメタルさんがブロンプトン談義をしていた。
24km以降、本格的な登りに入ると皆ばらけていった。どこかで、ブランドは分からないが車高高めのミニベロの参加者が颯爽と抜かしていって、かっこよかった。

49km フォトコントロール 多羅尾御斎(おとき)の杜。徳川家康が、本能寺の変の際に越えて逃げ帰ったとされる峠。
予定よりほんのちょっと早く着き、調子よくないなりにいい調子だ。Twitterを見たり写真を上げたりして少し後続を待つも誰も来ず、次のPCまで時間的な余裕がそれほどあるわけではないので先に進むことにする。下りはぐねぐねで狭くて見通しが悪く、スピードが出せなかった。でも、山中のひんやりした空気を味わい、すがすがしい林の景色を見ながらゆっくり下るのも悪くない。
しばらくするとコンビニが見えた。ここを逃すと次のPCである道の駅針テラスまでしっかり補給ができる場所がないのは分かっていたが、フロントバッグに十分にお菓子(ただし賞味期限切れや普段好んで食べない物)を持って来ていたのでスルーして時間短縮に努めた。しかし、この日は朝3℃までしか冷えず登坂もしたので、飲み物が心許なくて左側の自販機を見つけてすぐに1本買い足した。
道の駅針テラスまではアップダウンを繰り返しながら登る道だった。信号はほとんどなかったので多分間に合うだろうと信じ、速度も確認せずに淡々と漕いだ。

ほぼ予定通り、グロス16km/hを維持して道の駅針テラスに到着。自転車が集まっているのが見えたのでそちらに向かい、すぐそばのコンビニで昼食を買う。ちょうど店を出たタイミングで紫芋兄さんが入って来るところだった。脚が疲れていたので、少し離れたイスに座って食べていると、紫芋兄さんはおもむろにフロントバッグから折りたたみ椅子を取り出した!200g ちょいとはおっしゃるが、ただでさえ車体が重いのに、必須ではない物を持って来るところがブロンプトン乗りの愛すべき性質である。私も到底食べ切れないお菓子()を詰め込んでいる…。
しばらくしてメタルさん、さこっちさんが到着。4台ともトラブルなく、登坂多めのこの区間をパスできたのはすごいと思った。メタルさんは先を急がれて先発されるが、紫色兄さんとさこっちさんと、ここからは一緒に走ろう、トレインで行こうという話になる。単独走で距離を積んでいくのは正直ロードバイク以上にしんどいし、最初に記した通り調子がよくなくて気を紛らわせたかったし、さこっちさんのブロンプトン初ブルベ完走を後押ししたかった。
ここで、私がトイレに行っている間にトラブル発生。風で私の車体が倒れ、ハンドルのエルゴグリップのエンド部分が外れてしまった。取り付け直すが、後から乗ってみると角度がイマイチだった。終盤で肩が痛くなったのに関係しているかもしれない。また、早く出発したかったのだが、PC1出発時には借金20分となってしまった。
□ ラストミニット・チャレンジャーズ
これから先、RWGPSでは平坦に見えていたが、延々とアップダウンの繰り返しだった。3人の登りのペースは見事にバラバラで、ローテーションできたらいいなという淡い期待は打ち砕かれ、トレインと言えるのかもわからない状況で走っていた。が、道中が”修行”でなくなるのがグループライドのよいところだ。シンプルなルートではあるが、本当にミスコースが発生しない。

途中で飛鳥を通るが時間的余裕がなくスルーしなければいけないのが残念だ。さこっちさんによると、この辺りはブルベの定番ルートらしい。
134km地点のPC2のコンビニには貯金20分くらいで到着。PCクローズと同時にしんがりで出発した。ここからもアップダウンの繰り返し、かつ全体的にはやや登り基調だったようだ。相変わらずバラバラになりがちだったが、お二人に私の登りが速いと言われたので登りであまり踏まないようにして、下りでも踏まずに追いつかれるまで待つようにした。平坦区間になるとお二人が前を引いてくださるのだけど、今度は速くて私がついていけない(^-^;; 頭が空っぽになるくらい漕ぐのに必死になる。そして登坂もなぜか置いて行かれる。どうして…?
かなりアップダウンがあり、「行きの下りは帰りの登りかぁ」とげんなりしつつ進む。折り返しのロードの集団とすれ違う。みんな手を振ってくれたりおじぎで挨拶してくれたり、小径車に優しい。一方、勾配は小径車に無情だ。174km地点、PC3は道の駅ねごろ歴史の丘。直前の急勾配を乗り切り、貯金を30分に増やして到着。

皆でサイクルラックのほうに駐輪する。ブロンプトンはお座りできるからラック不要なのだけど。お店からは離れていたが、みんな普通の靴(フラットペダル)なので楽々歩ける。ここでは私は軽食のみの小休憩のつもりだったが、お店に入ると紫芋兄さんがラーメンを頼んでいるではないか。時間の余裕はないが、つられて黒あわび茸バーガーを注文する。私たちにつられて、さこっちさんもラーメンを注文、一気にたいらげる。「絶対完走したい」と言われるさこっちさん。増えた貯金を全て消費してもポジティブなメンタルでいられるギリギリ隊の鑑でもあった。

またしてもクローズ時間に出発。イスに座って食べたことで体が回復し、私の腰の痛みは強く漕がなければ大丈夫になっていた。バーガーを注文したのは正解だったのだ。来た道を戻るのでアップダウンに戦々恐々としていたが、下り基調だったのと追い風が味方をしてスイスイ進んだ。
PC4のコンビニは往路のPC2のコンビニと同じだ。往復で大量のサイクリストが来て多量に食料を買っていったものだから、店員さんに「後どれくらい来られるのですか?」と不安そうに聞かれた。「私たちで最後です。」と言うと、安堵の表情が見られた。貯金はといえば、また30分に戻っていた。よしよし、これでパンク対応の時間が確保できたぞ。…と思っていたが、食事・雑談でなかなか出発にならない(^-^; クローズ8分前に再出発。
ここからまたしばらく来た道を戻る。ややこしい道もあったが、さこっちさんの適切な案内に助けられた。街灯があまりない道も、後ろから照らしてもらえば楽々だった。242km地点、PC5のコンビニに貯金25分くらいで到着したときには誰も残っていなかった。時間は22時前。休憩・防寒対策をしたら、またやはり貯金ゼロに。ギリギリ過ぎる(^-^;;
残り約50km地点で、先頭を引いていたさこっちさんが、荒れた路面に突っ込んでパンクに見舞われた。「先に行ってください」とのことだったが、こういうときのために一緒に走っているようなものなのでお手伝いする。主に紫芋兄さんがw ちなみにさこっちさんは、ちょうどJR線沿いなので輪行して帰ろうと思ったらしい。
コースプロファイル的に、トラブルがなければゴールまで30分は貯金ができると見込んでいた。手際よいチューブ交換のおかげで、まだ3人の完走は堅い。トラブルがなければ。慌てるとよくないので、残りは私が先頭でペースメーカーをすることにした。ちょっと急ぎたかったが、ちょっとペースを上げると離れてしまうのでそれまでのペースを維持することにした。残り34kmの時点で時刻を確認すると23:43、タイムは17時間43分であった。残りは17km/hで行けるだろうから、15分残しでゴールできるだろう。運要素は仕方ないが避けられるパンクは避けて行こうと思い、このペースでよいので確実に行こう、と後方に予想到着時刻をお伝えした。
残り10kmになるとさすがに疲れてきたが、信号も増えてきたのであまりタイムには影響しなかった。ゴール近くは辟易するほど車が路駐していて、歩行者も路上をうろうろしていて無秩序であった。こういう道に慣れている紫芋兄さんの案内でカオスを抜け、最後はゴールの光の見える方へ。We are ラストミニット・チャレンジャーズ!
3台ゴールしました!
#BRM1209 pic.twitter.com/rs5uBbGFAu— 門川彩雷 (@ayalalmngl) December 9, 2023
メタルさんもだいぶ前にゴールされていたそうで、ブロンプトン4台全員が完走、さこっちさんの初ブロンプトンブルベ完走といううれしい結果であった。
□ 所感
申し合わせたわけでもなく、ブロンプトン複数台が集合するという偶然。そしてゴールまで一緒という貴重な経験ができた。おかげで体の負担は軽く、回復も早かった。今後もっとブロンプトンブルベ仲間が増えることを期待しつつ、レポートを書き続けることにする。
次戦はだいぶ先になるが、今年度こそこの調子でブロンプトンでのSRを獲得したい。

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