夏に3泊4日の自転車キャンプツーリングに子どもと行けたことに味を占め、3連休を確保して2泊3日のキャンプツーリングを計画しました。行先は和歌山県伊都郡九度山町。以前、丹生川(にゅうがわ)のほとりのキャンプ場に泊まったことがあり(過去記事)、素敵な所だったのでまた行きたいと考えていました。1年ほど前に新しいキャンプ場、九度山福山野営キャンプ場ができたことに気づき、ずっと候補地に挙げていたのですがようやく行くことができました。
ウェブサイト
予約: ウェブサイト参照(インスタグラムのDMが一番スムーズだそうです)
□特徴
・本物のリバーサイド
・星がきれい
□利用期間
・多分通年。ウェブサイトで空き情報の確認を。
・宿泊の場合: チェックイン14:00/チェックアウト11:00
日帰り可(10:00~15:00)、アーリーチェックイン+500円。
早朝出発の場合はオーナーと相談を(記事参照)。
□利用料
・1人1泊 大人1000円、子ども(6~15歳) 500円(税込)
・駐車場 車1000円、バイク500円
・AC電源 400円
・ゴミ処理 200円
・キャンセル: 5日前から全額
(雨が一日中降る場合、川が増水で危ない場合は不要)
□その他
・レンタル品・薪販売などあり
・サウナ、ドラム缶風呂あり(要予約)
・水道なし(川の水のウォーターサーバーあり)
・洗剤使用不可
・仮設トイレ: 簡易水洗式の洋式
・美味しい肉を注文できる(人数が多い場合)
※詳細は事前に問い合わせを。
□周辺施設
・買い物: 橋本市内で
・温泉: やどり温泉(ウェブサイト)…6.5km
金~月・祝日のみ営業。レストラン20時ラストオーダー。
せっかく和歌山に行くのなら、自転車向けモバイルスタンプラリー WAKAYAMA800(ウェブサイト)を攻略したいもの。今年度Season 5は、クリアしたポイント数が少なくても、提案されたルート・コーストを走ってポイントをチェックすれば”ルートクリア賞”に応募できるようになっていました。ルートはサイトにログインするとGPXファイルをダウンロードすることができ、今回私が参考にしたのは以下のルート。
ROUTE2. 紀の川の原風景を走る。

1日目は大阪から電車で喜志駅に出て、「自然食品の店しおん」で何か食べ、そこから時計回りに「道の駅 紀の川万葉の里」、「丹生都比売(にうつひめ)神社」をチェックし、上の地図より東側に出てから九度山福山野営キャンプ場へ。2日目は高野方面に出て別のキャンプ場に1泊。3日目は下り基調で、「たまゆらの里」と「かじか荘」をチェックして、JR海南駅から帰るという予定にしました。なお実際の行程は予定通りにはいかず、この3日だけではスタンプラリーのコースを制覇できませんでした…。でもキャンプ・ツーリングそのものはとてもよい経験になりました。
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<目次>
□ ニタマに会いに行こう
□ 紀の川向かい風ロード
□ リバーサイドキャンプ
□ お風呂の旅
□ 矢立へ
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□ ニタマに♪会いに行こう!
今回もチャイルドトレーラーにロードバイクの乗せる方法で大阪から輪行し、まずはJR和歌山駅を目指します。前回のキャンプとの1番の違いは、乗り換えをおんぶではなく子どもに全部歩いてもらったことでした。トレーラーを押すときは両手が塞がるので、ロードバイクはベルトでトレーラーに固定し、子どもは蛍光ベストを改造した腰ベルト式手作りハーネスでつないで移動します。
JR和歌山からは和歌山電鐵貴志川線に乗り換えですが、和歌山電鐵の和歌山駅にはエレベーターがありません。
※参考サイト: NPO法人ちゅうぶ 「和歌山電鐵貴志川線バリアフリー調査!」
2人乗りチャイルドトレーラーの幅はほぼ車イスと同じ大きさなので、最近は事前に車イスでの乗り換え情報を調べておくようになりました。個人の実体験の情報発信というものはありがたいもので、750m離れた隣の田中口駅にはスロープがあることも分かりました。これくらいの距離であれば子どもでも歩けます。
※参考サイト: アシカなくてもトドまらずの世界 「車椅子で和歌山電鉄に乗せてもらい、旅行しました」
実際には、JR和歌山駅から徒歩15分くらいで田中口駅に到着。途中で電車や道草が気になって立ち止まる子がいるので、やはり時間が掛かってしまいます。あわよくばと狙ったギリギリの電車には間に合わず、30分待ちとなりました。

田中口駅構内から撮影。車イス用の扉は踏切内にあるので、電車発着時間に余裕があれば大丈夫なのだけどどきどきしてしまう。上記の参考サイトにもあったように扉自体が大きく、車イスユーザーにはちょっと開閉が難しそう。

基本は単線です。

たま電車に乗りたかったのですが、来たのはチャギントン電車。初めて見ました。
乗車位置は決まっていて、乗り込む際に結構な段差があります。トレーラーは後ろをぐっと押して前輪を上げることができるので余裕ですが、車イスの場合は人手が必要です。で、乗り込むと傾斜がきつく、反対側のドアに向かってトレーラーが転がりかけて慌ててロックをしました。また床がワックスをかけたかのようにとても滑りやすくて焦りました。要注意です。

整理券を取ると子どもも真似をして取りました。

複線になっている駅もあり、途中でたま電車を見ることもできました。
貴志駅に到着。


ニタマ駅長、お仕事中。「ニャンニャン♪」と言って喜ぶ子ども。ニタマは落ち着いていて大人の対応。
□ 紀の川向かい風ロード
きりがよいところで、WAKAYAMA800のチェックポイントになっているお店「しおん」に寄ります。食事ができればと思ったのですが、この日は仕出しのため食事提供はお休みでした。店内には凝った調味料がいっぱい。そして2匹のプードル(?)がいました。この看板犬に子どもが夢中になり、撫でるわ撫でるわ撫でまくり。しっぽを振って付き合ってくれる、とてもかわいらしい看板犬たちでした。…君がそんなにも動物が好きだったとは、初めて知ったよ。
外のベンチに座って持ってきた軽食を食べ、輪行を解除していざ出発。「道の駅 紀の川万葉の里」に向かいます。子どもは間もなくぐっすりとお昼寝。
紀の川沿いにはサイクリングロードがありますが、チャイルドトレーラーで通ってよいか確認するのが面倒だったので(自転車+トレーラーけん引は原則車道しか通れません)、平行している車道を進みました。車道の交通量はそれほど多くなかったので、まずまず快適でした。が、私が紀の川沿いを走るときは、なぜか上流に向かおうが下流に向かおうがいつも向かい風なのです。この日もばっちり向かい風で体力を消耗してしまいました。途中で見かけた高校男子運動部のママチャリ集団のほうが速かったなぁ…。
「道の駅 紀の川万葉の里」にチェックイン後、セブンイレブンかつらぎ町東渋田店で休憩がてら食料を追加購入。ここで曇り予報だったのに小雨が降って来ました。ここまで思ったよりしんどくて、ここから「丹生都比売神社」に登っても何とかキャンプ場への予定到着時刻には間に合いそうでしたが、登る気力が一気にそがれました。それでもちょっとだけ登ってみましたが、前回のキャンプツーリングのときよりもテントの重量や着替えや防寒着など荷物が増えていたためか、すぐに足付きしてしまいました。小雨はすぐに止みましたが、心が折れたので直接キャンプ場に向かうことにしました。
□ リバーサイドキャンプ
国道24号線から紀の川フルーツライン(県道4号線)に出られないかとスマホでGoogle mapを見ながら進みましたが、ものすごい坂が見えたので断念しました。

南海高野線 九度山~高野下駅の途中から紀の川フルーツラインを見上げて。

龍王渓の丹生川橋梁(参考サイト: 九度山町観光情報)。この風景が好き♪
赤瀬橋の交差点を東に曲がり、それほど勾配が強くない丹生川沿いを登っていきます。
一度通り行き過ぎてしまって、戻ってきて九度山福山野営キャンプ場に到着。


この看板と橋が目印。
道路からはテントが見えなくて、「あれっ?」と思っていると、

おー、この階段の下か・・・荷物どうしよ、子ども降りられるか??
などと戸惑っていると、サイトに降りていたオーナーさんと息子さんが私たちに気づいて、声を掛けてもらえました。

荷物はこの袋に移して、ケーブルで袋を吊った簡易昇降機(発電機+ウインチ)で川岸まで降ろして、サイトまではキャリーに積んで運んでいただきました。
子どもは階段を怖がることなく予想外にも危なげもなく自分で降りていこうとしていましたが、最初はオーナーさんに手伝っていただいたので助かりました。
この日は私たちを含めて3組の利用で満員でした。私がサイトの案内を受けたりテントを立てたりしている間、子どもは他のキャンパーさんの犬にぞっこんで、犬を撫で繰り回したりリードを持たせてもらったり、いつもは何となくお手伝い(半分邪魔)をしてくれるのですが、全然来てくれませんでした( ノД`)シクシク… とてもよくできたワンちゃんで、はしゃぐ子どもに対して少し迷惑そうな顔をしていたように思いましたが、”子どもだからしょーがないな”という感じで逃げたり吠えたりせず大人な対応をしてくれました。オーナーの息子さんもたくさん遊んでくれて、この晩も翌朝も「おにぃちゃん(は)?」「犬ねんね?」とずっと言っていました。飼い主さん、息子さん、その節は大変お世話になりましたm(_ _)m
こちら、本当の川サイトで、数歩歩けばすぐ川に入れます。

子どもも川に行きかけましたが、「行けるのは大人だけだよ」と1回言うだけで、勝手に行くことはありませんでした。もう少し大きくなって、きちんと準備すれば夏には川遊びができそうです。

事前に予約するとドラム缶風呂が使えます。自分で薪で沸かして入るのだそうです。ここより高い所にあるトイレからだと見えてしまいますが、夜は灯りもないし、サイトのほうからは見えなくなっています。焚き火が上手になったらこういうのも挑戦してみたいなぁ…。

最近流行りのサウナもあります。

この写真の真ん中がトイレです。
トイレは仮設の水洗でした。子どもと一緒に入るには狭かったので、扉半開きで外で待っていてもらいました。虫が湧きやすいとのことで、使用時以外は扉は開けておいてくださいとのことでした。この日はもう肌寒い秋だったので、臭いも虫も大丈夫。手洗いの水は川の水がウォーターサーバーに入っていて、コックをひねると蛇口のように水が出てきます。GRAYL(グレイル)の浄水器 ウルトラプレスピュリファイヤー(500ml)を持って来たので、こちらの水をもらって2Lほど浄水し、飲水(非加熱は私だけ)・食事用にしました。
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(楽天市場)(Amazon)
外で遊びたがっていた子どもを何とかテント内に誘い込んでおやつに。今回は初めてアライテントのカヤライズ2+DXフライシートを使いました。

通気性のよい自立式のメッシュインナーテントに、前室が広いフライの組み合わせです。普通のキャンプにはオーバースペックな山岳テントです(笑)

前室はこの通りで、テーブルや靴を置いても余裕があります。
ここ最近はソロ用テントを2人で使っていたので、2人用テントにしてご飯エリアと寝るエリアを何となくですが分けやすくなったのはよかったです。ただ短辺が入口となっているので、奥から入口のほうに回り込まれて入口に居座られると何もできないのがデメリットです(^-^;
□ お風呂の旅
一段落した頃には暗くなってきていましたが、ここから6.5km離れたやどり温泉に向かいます。行きは登りで累積標高146mです。前照灯1つとヘルメットにヘッドライトを取り付けて行きましたが、道は街灯がなくてかなり暗い上に凸凹している所もあり、それでも気を付けて走行しました。私が愛用しているヘッドライトはペツル(Petzl)のティキナなのですが、ヘルメットにユニアダプト(楽天市場)というクリップを貼っておき、ヘッドライトを付けられるようにしています。

(Amazon)

粘着テープは3Mで固定はバッチリ。
前照灯をヘルメット用マウントで取り付けるより軽量なのと、ヘッドライトは角度が変更できるのでヘルメットを被ったままでの作業がしやすくなので、最近この方法に変えました。

ゆっくり登坂して30分ほどでやどり温泉に到着。駐車場にサイクルラックがあります。入口は階段を登ったところにあるので、全く温泉らしさの伝わらない写真(^-^;
レストランは20時ラストオーダーなので、まず食事にしました。メニューを見た子どもが鮎を指差して「こいぇ(これ)たべる」と欲しがったのでグルメだなーと思いつつ頼みましたが、実際に来たときにはあまり食べてくれませんでした(^-^; 疲れていて写真を撮っていなかったのもちょっと残念。いろいろ分けて食べさせてもちょっと足りない(ごちそうさまのポーズをしない)のでご飯をおかわりしましたが、数口食べて終了…。えぇ、残りの白米はおかずなしで私が全部平らげましたとも…。おいしかったけど、もっとバランスよく満腹になりたかったよ(^-^;;
お湯はほどよくぬるぬるした私好みの質感でした。しっかり温まって、今度はキャンプ場まで凸凹した道をゆっくりめに下っていきます。ヘッドライトを付けていると対向車からもよく見えるようで、やや狭い道でしたがすれ違いのときに必ず止まってくれました。まさか自転車だとは、それも子連れだとは思わないだろうなぁ(笑) 子どもはすぐに寝たようでした。この日は合計で56.5km、累積標高475mで終えました。
キャンプ場に着いて子どもを抱っこすると、起きて例の階段をほぼ自力で降りてくれました。テントに入って寝袋を掛けると即寝落ち。この半年でもう2人で寝袋に入るのはきつくなってしまったので、今回はモンベルのダウンシュラフ#3のジッパーを開いてキルトのようにして使いました。
私はお湯を沸かしてコーヒータイムに。

南の月と山。
月と星がきれいな夜でした。山に囲まれているので一部は隠れてしまいますが、北斗七星やカシオペア座がよく見えました(他の星座を知らない)。翌日結構な雨が降るなんて信じられないくらいでした。コーヒーを飲んだ後は、Docomoは圏外なのでネットをすることもなく、写真の整理を少しだけして寝ました。川のそばなので雨のようにゴォゴォとする音を聞きながら眠りにつきました。
朝は5:30に起床。エアマットに空気を入れ過ぎたようで反発が強すぎて、下にしたほうの腰が痛くなってあまり熟睡できませんでしたが、早く起きた特権として静かな1人の時間をしばし愉しみました。


見たことのない蝶も発見。名前知っている人いたら教えてくださいませ。
朝食の準備の途中で子どもが早々と平日よりも早く目を覚まし、前日お世話になった犬のほうにずーっと行きたがっていました。
□ 矢立へ
朝食はお湯で作れる簡単な物とバナナでわりとっとスムーズに済ますことができました。が、撤収は途中で子どものおむつ交換が追加になったり、ポールやペグで遊んで遠くに持って行ったり片付けさせてくれなかったりなど邪魔も入り、やたらと時間が掛かりました。チェックアウト時間は通常11:00になっており、オーナーさんが荷物を上げてくださるとのことでしたが、早くに出発したかったので、前日に発電機の使い方を教わって自分で上げました。初めての経験でうまくできるか不安でしたが、ちゃんとできました(^-^)b
ツーリング2日目、出発予定時刻を1時間半も過ぎてしまいました。丹生川沿いを下って、また赤瀬橋の交差点に。

この辺りは玉川峡(参考サイト: 九度山観光情報)といって、ちょっとした観光名所のようです。前夜、お風呂の旅で通った闇の中に滝があったようです(^-^;; また明るいときに来ねば…。
ここからは南海高野線・不動谷川に沿って、まずは高野町の矢立茶屋に向かって登ります。…次回Part 2に続きます。
[場所・和歌山]

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