前編はこちら。
予定より1時間20分ほど早く有人PC兼仮眠所に到着という、順調な1日目だった。
リスタート・多賀・加賀
ここの自転車置き場に着いたとき、「やっと追いついた」と言って橙色のロードバイクの参加者(以下、オレンジロード氏)がやってきた。序盤で近くにいたので見覚えがあるが、とっくに先に行ったはずでは。私と同じくここで仮眠していくそうだが、どうやら寝過ごし名人とのこと。600kmブルベに準じて貯金ゼロの23時に起きると言うと驚かれたが、その時間に起こしてほしいと頼まれる。大役だ。ドロップバッグを利用して快適そうな仮眠グッズを揃えている手練れな御仁であった。私はというと、パイプイスを3対並べてアルミブランケットを掛けて寝た。社会人1年目のとき、こうしてよく職場に泊まったことを思い出す。仮眠所を利用する人は少なかったので、イスをもっと潤沢に使えばもう少し快眠できたのに。
再び自転車置き場に向かうと、顔なじみのうにゃさんがちょうど到着したところだった。オレンジロード氏ともお知り合いのようだ。ちょっと前を引いてもらいたいところだったが、話が長いので先に出発。
平坦だが体が寝ぼけていてスローペース。ドロップバッグに仕込んでいた長袖ジャージの暖かさがちょうどよい。


1時間も経たないうちに雨が降って来たのでコンビニへ。2日目の天気は、当初より改善して降り始めが午後の予報だが、初日スタート前に濡れて体が冷えたのが頭にあって、早めに長袖ジャケットからレインジャケットに着替え、防水ソックスを履いた。レインジャケットは防寒性の低いモンベル ドライシェル(廃番・#1130486)を持って来てしまったが、結果的には登りでも着ている時間が長かったので暑くならなくて正解だった。前回の1000kmから使い始めたモンベルの防水ソックス、GORE-TEX オールラウンド ハイソックス(#1118611)は、後日レビューを書こうと思う。
琵琶湖をほぼ見ることなく琵琶湖東岸を走り、3時過ぎに443km地点、ファミリーマート 木之本千田店に到着。しばらくコンビニがないので補給食を買っておき、カフェラテで気合いを入れる。たまに刺激を入れるために酸っぱいグミも買う。
椿坂(つばきざか)峠に向けて、長く登って行く。熊鈴を使う。椿坂トンネルは走りやすかった。


日が出てくると、頭がすっきりしてくるのはよいが、天気はというと少し風が出てきた。風向きは一定でなく漕ぎにくい。7時頃、504km地点でセブン-イレブン 越前粟田部店で朝食にする。70km以上先のフォトコントロール付近のコンビニまでもたせるつもりで多めに食べて、おにぎりやセブンイレブンならではの個包装の黒糖わらびも携帯する。
永平寺辺りでオレンジロード氏に追いつかれた。付かず離れずでしばらく走った後、永平寺町松岡B&G海洋ゆめセンターで私がトイレ休憩で離脱。さすがにもう会わへんやろ。それにしても、この日は出るべき物が出ない。このまま食べ続けて大丈夫なものか、少し心配になる。
ここから登ったらしいがあまり記憶にない。そして石川県加賀市へ。まだ10時台なのに、次のフォトコントロール手前12kmで大粒の雨に降られる。まだ補給不要なのに、ローソン加賀動橋店の軒先でしぶしぶトマトジュースを飲みながら、テムレス・レインパンツも足してフル装備にした。
予定より貯金1時間でフォトコントロールに到着。


風は強めだが、雨はまたやんで日が出ると暑いのでレインウェアを脱ぐ。出発のタイミングでオレンジロード氏到着。いつの間に後ろに回ったのかが謎。
志賀・とぎ
ほどなく大雨に見舞われ、道端でまた雨フル装備にする。交通量が多くて走りにくく、気分転換に昼ご飯にする。吸水タオルを使って水気を拭いてから入るので時間が掛かるが、普通の店舗がよい。うどんの気分だったところにちょうど現れたこがね製麺所にした。

強い雨が降ったり晴れ間が出たりしながら、段々曇りだけになってくる。追い風というほどの恩恵はないが、脚の負担は減らせただろうか。停まると風で寒い。
風は雨とセットなので、雨が止んでいるときは恩恵が少ない。交通量が減ると気が緩んでペースが落ちる。なかなか都合よくはいかない。途中で速そうな2人組に「能登のほうに線状降水帯が」という情報をもらう。もっと速い人は遭遇したのかもしれない。
金沢市を過ぎ、延々と海岸沿いを走る。途中でカフェラテ休憩を挟むが、概ね順調に進んだ。フォトコントロールの20km手前、志賀町(しかまち)まではコンビニがそれなりにあったが、海岸沿いの山道っぽい道路(県道35号・志賀富来(とぎ)線)に出るとぱったり店がなくなった。”本当にこの先に道の駅やらコンビニやら存在するのか…?”と思った。海のほうでは、風が何かを通り抜けるわけでもないのに、キュウキュウ鳴くような音を立てていて恐怖を感じた。

道の駅とぎ海街道すぐそばのファミリーマート志賀富来店で夕飯にする。店員さんに「何かイベントですか?」と尋ねられるとともに、「今日から寒くなったんですよ」と言われる。温かい物を食べたり飲んだりしたが、風が強くて食べにくいし寒い。
さて折り返し。風が強いが苦手の向かい風がずっと続く、という状況ではなかったので何とかなった。横風は小径車の恩恵で影響を受けにくい。アップダウンはあったが、復路はなぜかそれほどしんどくなかった。時折、まだ道の駅を目指す参加者とすれ違い、軽く挨拶を交わす。
かなりの距離一人旅だった。でも退屈はしなかった。時折雨が止み、月明かりが道を照らした。一方、前方の金沢のほうに稲光が何度も見えた。音は聞こえないからこの辺りは大丈夫だろう。こういうときは速くなくてよかったと思う。
2泊目はルートから往復約5km外れたテルメ金沢 [楽天トラベル]へ。ホテル兼健康ランド的な温泉である。他の参加者は、内灘町サイクリングターミナル [楽天トラベル]に往路でチェックインした人が多かったらしい。こちらも温泉付き。石川県全体の”サイクリストに優しい宿”のリストが石川県観光公式サイトにあったのでご参考に。


雨は結構降っていて、近くのコンビニで雑巾を買って、駐車場のコインランドリーにまず入る。PEKOさんのULお着替えポンチョ(販売サイト(不定期))でレインウェアファッションになって洗う。運よく洗濯乾燥機が空いていて、時間に余裕ができた。夜食を食べたりチェーンにごま油を塗ったりして次の日に備えた。
温泉は広くていろいろな種類があって、うっかり長湯を楽しんでしまいそうになった。特に打たせ湯でマッサージできたのがよかった。休憩場所にはUSB充電ができるようになっていて、寝るにも充電にも快適であった。
加賀・敦賀
起きると明らかに胃腸も脚も回復していた。温泉効果はすごい。4時頃にリスタート。休憩を1回入れて加賀市へ。

大聖寺川(だいしょうじがわ)に架かる塩屋大橋からの眺め。景色がよいなと思って撮った1枚。

すぐ先に立派な建物あり。あわら市、もとは芦原の字だったそう。
越前海岸は見覚えがあるようなないような。南下で走ったのは多分今回が初めてだ。

クジラのように見える島は亀島と書いて「がめじま」と読む。難読。
天気はさほど悪くはなく、時折小雨が降るものの概ね曇り、風も爆風ではなくなっていた。とはいえ、小雨でも粒がしっかりしていてレインジャケットをなかなか脱げない状況。風も吹くときは煽られる。ちょっと嫌になってくる。
鉾島(ほこしま)。見事な柱状節理で思わず足を止めた。


置き方が悪かっただけで、風で倒れたわけではない。
海鮮丼かカニ丼を食べたいと思うも、さびれていて朝早いのもあって店が開いているかどうかが不明だった。カニは解禁前だったという話は終わってからTwitter(X)で知った。逆に道が混んでなくて、自転車で走るにはよい時期だったのだろう。トンネルをくぐるごとに賑わいが出てきて、やはり見覚えがあるようなないような道が続いていく。わりと登りがあって、距離のわりに思ったようには進まない。
853.4km地点、PC-3 ローソン越前海岸店にはほぼ予定通りの10:40に到着。早すぎる昼ご飯でたくさんは食べられない。雨は時々ざっと降るものの、日が出ると暑くて雨装備を全部しまった。態勢を整えたのでかれこれ40分くらい停車していた。

出発してしばらくして雨で寒くなり、結局またレインジャケットを着た。PCで費やした時間が無駄になってしまう。寒さのせいかトイレにも行きたくなり、ちょうど見つけたトイレは海鮮丼の店の隣だった。海鮮丼に惹かれて値段まで見たが、終電に間に合わせるのを優先で我慢した。自販機だけ利用して先を急ぐが、海の景色に飽きて徐々にペースが落ちる。
脚を止めずにいればいつしか敦賀市へ。次のPCの少し前、金ヶ崎臨港トンネルを出た所、下りで加速して登りに備えてスピードが乗っている状態の先に、穴ぼこが現れた。タイミング悪く右は車、左は路肩の段差に挟まれ、左斜めに避けようとしたが段差ではじかれ危なかった(Googleマップ)。


再び滋賀へ&ビワ半
この後滋賀への登りで暑くなって、レインウェアを脱いだ。国道8号線の長い登りは過去に経験済み。淡々と足を回せばつらくない。長い下りを経て、ほぼ予定時刻で913.4km地点、PC-4 セブンイレブン西浅井塩津店へ。…正確には、貯金ありで到着しているのだけど休憩時間が長くなってきていて、貯金ゼロ+20分停車と変わらない。軽く食べて、残り約90kmは一気に行くつもりで補給食を買い、これ以降は気温が下がると見込んでレインジャケットを早めの防寒着にした。
終電には間に合いそうだったので、あまり急がず進むことにした。少し登って、メタセコイヤ並木に到着。

人が多くて自転車と一緒には撮れず。いつかこの辺りの店にも寄ってみたいのだが…。
この先、以前(過去記事)も休憩したセブンイレブン今津南新保店に寄って、揚げ鶏とカフェラテを食べた。一気に行くつもりはどこにいったのか。
日が暮れて、残りはビワイチコース。…と思い込んでいたが道に見覚えがなく、雨も強く降って視界が悪かった。ミスコースもした。道をよく見ると、”ビワイチ上級者コース”という表示があった。ついに私も上級者か…?

終電プランに余裕の45分の貯金で最後のフォトコントロールに到着。2025年オダキング(オダックス近畿認定距離No.1)のたねがしまんさんが先客にいた。小腹が空いていて、一緒にすぐ先のコンビニに寄った。温かいスープを選んでルンルンで外に出たら、オレンジロード氏がすごい形相で到着したところだった。どうやらトラブルで遅れていたらしい。おぅ、お疲れ様☆
3人で休憩して出発しようとしたら、当車比爆速の女性が走り去って行った。たねがしまんさんのお知り合いで、無謀にも一緒に追い付こうとしたが無理だった。たねがしまんさんはすいすい進んで行って見えなくなり、残りはオレンジロード氏とパックで走った。琵琶湖東岸あるあるの向かい風では風除けになってもらって助かった。立派な日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)が目に入り、戻って来たことを実感して”旅”が名残惜しくなる。ゴール(フィニッシュ)はファミリーマート 近江八幡鷹飼町店。1時間以上の余裕があった。
フィニッシュ受付で食べたり着替えたり少しゆっくり過ごすことができた。

先ほどの女性と女子トークをしながら終電で帰宅。最後まで楽しかった”旅”だった。
振り返り
終わってから2ヶ月も経ってこの記事を書いている。直後に比べると薄れている記憶も多いが、逆に客観的に見られる部分もあるので悪くもない。自分自身で気づいていなかったことの1つは、”終盤で補給足りてないやん”という点。800kmを超えてから1回の食べる量が減って、店に寄る頻度が増えている。多分、バリエーションの少ない食事や補給食に飽きていたのだと思う。時間ロスにつながってしまうので今後の課題だと思う。
もう1点は、普段ブルベは旅とは認識しておらず、”リアルZwift”の感覚なのだが、このブルベは”旅”と感じたこと。体力と気持ちに余裕があって3日以上にわたるならば、私には旅と感じられるらしい。できれば、これから挑戦する1000km以上のブルベを”旅”として昇華させたいものである。トレーニング、がんばろう!


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