コロった話

　今は元気にしていますが、少し前に第9波のCOVID-19感染症に罹りました。ぼちぼち4年になるこの名前が恨めしいですね。現在、恐らく続発症であろうめまいのないメニエール病、内リンパ水腫で片耳の聴力が落ち、耳鳴りもあって日常生活において若干不便です。皆様ご自愛ください。あと、回りで風邪症状がある人がいるとき、また感染者と接するならマスクは有用です。
　ことの始まりは子どもが夕食を「食べない」と言った日から。いつもよりイヤイヤがひどく、でも3歳児ならありがちなことと思っていたら夜に熱発。解熱剤を挿肛して休ませる。3日前から咳していたけ元気だったし、最近は一晩で解熱することもあったので深刻には捉えていなかった。翌朝も高熱だったので珍しいなと違和感を覚え、小児科を受診してインフルエンザとCOVID-19の抗原検査を受けさせるとCOVID-19が陽性。対症療法の薬をもらう。子どもの発熱は徐々に治って3日で解熱。下痢、よく寝る、偏食などはしばらく続くも発症から5日で完全回復。子どもは強い。
　一方私は、1ヶ月前に迷いつつも6回目のワクチン接種を職場(医療関係)で受けたので、不顕性感染か軽く済むかと思っていた。期待はむなしく、子どもが発症した2日後に軽い咽頭痛、3日後に発熱が始まった。真正面から子どもの咳の飛沫を浴びる毎日だったから避けようがない。市販のアセトアミノフェンを夫が買って来てくれていたので、飲みまくって対応。市販薬の用法・用量の表示を見ると、用量が少な過ぎてこれでは効くばずがない。知識がないと少ない表示通りの用量を守って効かないと嘆いている人もいるだろうなと思いつつ、体重換算して適量を飲む。一応効くが、すぐ熱が上がる。
　発熱は3日間ほど続いた。日中は下がっても夕方になると上がるのが続く。ある日は喉が痛くて眠れず、熱はないけどアセトアミノフェンを飲んだ。食欲はないが、先によくなった子どもに食べさせないといけないので強制的に3食とも何か口にすることになって、それはよかったことかもしれない。ちなみに、早々に自主隔離した夫も感染したが、こちらはワクチン接種2回のみでしばらく打ってないが、発熱2日のみで済んでいる。浴びるウイルス量が少なかったのだろう。
　発症4日目、肩凝りがひどかったので入浴剤を風呂に入れて入ろうとしたところ、匂いがしないことに気づく。いろんな物の匂いを嗅いでみたが、”ごま油にわずかに匂いが存在すること”しか分からなかった。子どもの排泄や腐敗物のチェックを視認に頼らなければならないのか…と呆然としたが、よくなったり悪くなったりしながら幸い10日ほどで100%回復した。嗅覚障害は8割の人は回復するらしい。回復しかけの頃、好きなコーヒーが思ったほど美味しくなくて、”そんなことはないだろう⁉︎”と思って思いっきり匂いを嗅いでから飲んだら美味しくなった、という貴重な経験をした。
　熱が下がるとものすごく鼻水が出た。咳は軽かった。仕事に戻ったときには、体力と暑熱順応の低下で自転車通勤が結構しんどかった。
　症状が落ち着いてきてホッとしかけた発症から11日目の朝、左耳の聞こえ方がこもっていることに気づく。以前も子どもの風邪がうつった後に中耳炎、それから内耳炎になったことがあるので、また同じことが起こったのかと思った。翌日、左右の耳で半音の半分くらい音の高さが違って聞こえるようになっていた。耳鼻科に行って検査を受けると、左耳は反対より10dBほどの気導も骨導も落ちていて、以前と違っていきなり内耳障害になっていた。先生は「メニエール病、内リンパ水腫かもね」と言って、イソバイドという滅茶苦茶まずい薬とアデホス・メコバラミンのセットに加えて、ベタメタゾンを3mgから漸減する処方を出してくれた。でも飲んでも聴力は改善せず、3日目からはぶーんという耳鳴りが出るようになってしまって落ち込んだ。聞こえ自体はそれほど悪くないが、感音難聴の成分があるので雑音がやたら響いて、聞きたい音声が聞き取りにくくて不便だ。
　今は聴力がよくなることは諦めて、しばらく薬を続けてできるだけ悪くならないように努めたいと思っている。聴力も耳鳴りも少し改善したけれど、自称ハイアマチュアの楽器奏者の自分にとってはもうポンコツで、老後の楽しみの半分近くが失われた気分だ(もう半分は自転車なのだけど、こちらも最近体のトラブルが増えている)。
　というわけで、まだまだCOVID-19にはお気をつけくださいという話でした。