妊娠・出産と自転車生活 Part 3 ~中期(後編)~

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~前回まで~
 Part 1では自身の妊娠判明から自転車生活の計画、Part 2では妊娠中期のほぼ前半、今年のブルベ走り納めまでについて書いた。今回は中期の後半(21~27週・6~7ヶ月)についてまとめた。
□妊婦のお供、ローラーとZwift
 胎動を感じ始めるのは一般に20週くらいからと言われている。私はやや鈍く、21週頃から何か虫がガサガサしているような感覚を下腹部に感じるようになった。体型の変化も進み、臀部や胸の脂肪が増えたと感じるようになった。ビブのサイズはSではややきつく、以前使っていたMサイズを引き出しから引っ張り出してきた。腹が重力で引っ張られて前屈みがちになるので姿勢をよくするよう心掛けるものの、どうやっても姿勢に違和感を感じる。でもバランスが悪いと感じることはまだなかった。腹が邪魔でがに股ペダリングになって膝に痛みが出たことに気づいてからは、ビンディングシューズはやめてスニーカーでロードバイクに乗った。といっても、実走は1回だけで家でローラー練ばかりになった。外で乗るのが怖くなった、というわけでもなくて、私だけではなく全国的にローラー練に勤しむ人が増えていた。そう、新型コロナウイルス騒動(以下、コロナと略す)である。

私のZwift環境についてはこちらの記事
 コロナの話は後回しにして、ローラー練についての話を進める。週1回Zwift練に通っていたスタジオは、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19と略す)流行への対策で休業し、そのまま無期限閉鎖となってしまった (結局コロナの話かよ…)。気心の知れたスタッフさんがいて、妊娠中でも配慮したトレーニングを一緒に考えてもらえそうな所だったので残念で仕方なかった。私の家には負荷なし3本ローラーがあり、ペダル式パワーメーターを使ってZwiftをしていた。きっちりとしたトレーニングはできないが、FTPの設定を変えてしんどさを以前の記録と比べることで、ある程度パワー・体力を把握するのに参考になる。もともとのFTPは160Wだったが、22週のときには140W設定でも心拍がすぐに上がってしまってしんどくて完遂できなかった。それでも練習を続けていると心拍は上がりにくくなり、FTP 130W設定であれば、適度に運動したなという満足感が得られた。普段の生活でも、例えば階段昇りなどでも2割くらい早く息が切れやすいと体感していたので、数字的にはあまり矛盾していないと思う。ちなみに、この時期のしんどいと感じる脈拍は160bpm以上だった。
 24週になると、坐骨神経痛と思われる臀部痛の頻度が増え、特に寝起きが強かった。腰椎の問題かもしれないし、梨状筋症候群かもしれない。自転車には支障なかったが、痛みがあると重い物が持ち上げられず、引越しなければならなかったのに作業がなかなか進まなかった。
 27週になると、胸より腹のほうが出っ張っているようになった。歩幅が小さくなり、歩いていて人に抜かされることが増えた。胃の圧迫感が少し出てきた。Zwiftをすると体重増加が抑えられて便通も改善したので、Zwift様様だった。ローラー練/Zwiftは転倒リスクと心拍のモニター/コントロールができる環境なら、妊娠中の運動に適していると思う。妊娠後期になり体重が増えて膝痛が再発して散歩がつらかったときも、それなりの運動量を確保することができた。
□COVID-19流行と仕事
 私の仕事は医療関係、職場は中規模病院のCOVID-19とは直接関係ない部署だ。妊娠中期後半から上司の計らいで宿直が免除されて夜間の負担が軽減したのに加えて、COVID-19流行で外来患者が減り、春の気候がよい時期だったことに加えて人が出歩かなくなって救急も減り、会議は中止または時短になり、予想に反して ものすごく暇 楽になった。市中感染がほとんどなかった第一波の時期は、感染力の強いたちの悪いウイルスだなとは思うものの、スタンダードプリコーションと手洗い・マスクである程度乗り切れるだろうと、わりと冷静でいられた(地域と立場によってはまた違う感覚だったかも)。COVID-19関連の業務に人を出してくれという通達もあったが、いろいろ考慮されてそれも免除された。産休に入るまで、仕事量の面ではたまたま、恵まれていたと思う。
□COVID-19流行と妊婦
 一方、妊婦という立場からはCOVID-19流行は非常に厄介であった。COVID-19にならずとも疑いや濃厚接触者となれば、当然普通の産院では診てもらえない。COVID-19のみで帝王切開の適応にすべきとする根拠は一応ないはずだが(日本産科婦人科学会HPより新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応(第 5 版))、ニュースでは無症状か軽症そうなCOVID-19の妊婦が帝王切開を受けてインタビューを受けている(COVID-19が原因なら病状を添えるか学会の方針も伝えるべきで、別の理由があるならそれを添えないのはフェイクとまではいかずとも煽り報道だと思う)。多少の知識はあれど、(煽り)ニュースが気にならないわけではなく、軽症のCOVID-19で帝王切開になるのは嫌だ、という気持ちはずっとあった。なので、COVID-19をそれほど恐れていなくても、濃厚接触者にすらならないよう、私生活で他人と無制限に会うような生活はしなくなった。そもそも、店の営業時間短縮でふらっと気軽に行けるところもなかったし、予約していたキャンプ場も営業中止でキャンセルされた。屋外での活動であるサイクリングなどで感染が広がるとは考えにくかったが、職場からもいわゆる”自粛の要請”の通達があったので、早々にローラー練に切り替えることにした。
 また、いろいろな妊婦へのサポートはガクッと減ってしまった。かかりつけの産院でも、第一波のときは立ち合い分娩は不可。頼りにしていた助産師外来や、その他のセミナー・勉強会みたいなのも全部中止。体験してみたかったマタニティフィットネスも中止。市の両親学級も中止。ミキハウスのオンラインのセミナーを受講したり、YouTubeを参考にしたりしてかろうじて沐浴・着替え・おむつ交換などを学んだ。当たり前に気軽に動画を見られるよい時代になったものだ。
 経過としては中期も特にトラブルなし。次回、後期に続く。

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