妊娠・出産と自転車生活 Part 5 ~出産・帝王切開と術後~

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~前回まで~
 Part 1: 自身の妊娠判明から自転車生活の計画
 Part 2: 妊娠中期のほぼ前半、今年のブルベ走り納めまで
 Part 3: 中期の後半、ローラー練・Zwift生活
 Part 4: 後期で妊娠高血圧症が判明
後期で胎児が小さい子宮内発育不全がはっきりして、精密検査の前日に日課の血圧測定で高血圧が判明。大病院に急遽入院して産む方針へ。
□元気な病人
 精密検査を朝一で受け、血圧の経過を先生に話すと、すぐ紹介先の大病院に行くよう告げられた。医者がすぐと言ったら、本当にその足ですぐというのが原則(急変することもあるし、紹介先も待っているので)なのだけど、急な展開に呆然としながら、やっぱり自宅に一旦戻ってしまうのが人間の性。だって産院に入院する荷物は家にすでに準備していて、家族がいつ来れるか分からなかったのだから。いつもどちらかというと急かすほうの立場だから、逆の立場になったら言うこと聞かなくてあかんなぁと思ってしまう。
 荷物を持って最寄り駅からタクシーで病院へ向かい、外来でみっちり問診と検査を受けて病棟へ。大部屋を覚悟していたがきれいな個室でラッキー。と思っていたら、実はCOVID-19流行第2波に入りつつあるときで、新入院患者は全員軽く隔離されていたのであった。双方マスク着用のみで担当医・看護/助産師が特別な格好をしてはいなかったので最初は気づかなかったが、必要な物品を自分で買いに行こうとしたら止められ、PCR検査の結果が出るまで病棟も検査のとき以外は出ないように言われた。
 病名は正確には妊娠高血圧腎症。胎盤と腎臓に臓器障害が出ていると説明を受け、最悪母子ともに命の危険がある病人なのだと実感した。自覚症状は何もなく、元気な病人だった。
 病状に余裕があるため、分娩誘発を行うことになった。1日目・2日目は頸管拡張。処置の瞬間、めちゃくちゃ痛い(>_<) 経産婦でないので余計に。想像しうるmaxの陣痛が10としたら、5くらい。3日目は点滴で分娩を促進したが、薬剤を極量まで増やしても陣痛の痛みは5くらいで進まず、夕方に帝王切開となった。  手術室で硬膜外麻酔と腰椎麻酔を施されると、足が持ち上がっているような感覚がまず出て、痛覚がなくなった。でも触覚が残っている変な感覚のまま手術が始まり、若干どきどきした。腹部をぐりぐり押された後、「ホギャ」という産声を聞いてひとまず安堵した。体重は推定よりも小さい約1600gで呆然としたが、あとはNICUにお任せして自分のことに専念する。 □術後の体の動かし方
 手術当日から翌朝にかけて、麻酔が切れてきてから痛み止めを2回使った。出産後の腹痛を後陣痛というが、そういうものがあると知らず、術後に7レベルの強い痛みが来た。普通は出産前の陣痛が最大なのであまり話題にならないのだろうが、私の場合はいわゆる陣痛が弱かったため、この後陣痛が最も強い痛みとなった。誰でもいいから教えておいてよ(怒) あと、なぜか子癇(しかん)予防のマグセントの血管痛も同じくらいつらかった。
 腰椎麻酔が切れてくると、足が段々と動くようになり感覚が戻ってくる。…はずだけども、右足は麻痺が長く続いて、自分で完全な横向きになることができなかった。翌朝になっても右太ももは上がらず、感覚もやや鈍い状態。足先は動くようになったしまあ待つかぁ、でも離床できないなーと思っていると、朝一で様子を見に来た担当医が「硬膜外麻酔減らしますね~」とささっと指示を出して行った。硬膜外ってそんなに効いているのかと半信半疑だったけど、その後はススッと麻痺が引いて昼には動くようになった。
 さて離床はというと、下腹部を切っていて力むと痛むので普通に起き上がることができない。電動ベッドで背中を立てても、最後の起き上がりにも実は腹筋を使っていることに気づく。痛みで遅々として移動が進まない。ふと思い出したのが、やまめの学校の堂城賢(たかぎ まさる)氏の「自転車の教科書 ー身体の使い方編ー」に出てきた腹筋の使い方。

自転車の教科書・身体の使い方編

両手でベッド柵を持ち、絵のようなイメージで上腹部を斜め前に出す。と、嘘のように起き上がれてしまった。
 ベッドから立ち上がるときも、痛みで普通には立てない。けれど、同じ本に「仰向けに寝て片足で人を簡単に持ち上げる方法」が紹介されていたことも思い出し、「立とう」とは思わずシンプルにただ「両膝を伸ばす」と念じて立つと、スッと立つことができた。看護師さんもちょっと驚いていた。自転車の本にいろいろあれど、読んでてよかった、自転車の教科書。ありがとう、堂城先生。
□術後の経過
 出産してしまえば血圧が下がるかといえば必ずしもそうではなく、体中の水分が血管内に戻って来て血圧が高くなることもあるそうだ。術前は薬は不要だったが、術後2日目から190/110mmHgなど高値を叩き出し、降圧剤の内服が始まった。水が戻って来るというのは本当で、夜間に2回強い尿意で目が覚め、そのたびに痛みに耐えて壁伝いでトイレに行き、1回600mlというすごい量の排尿をするというのが3日続いた。術後1週間、退院時の体重は妊娠前より+1kgだった。順調に増えていた体重のほとんどは水、むくみだったようだ。
 退院後、夜になると微熱が出たりしんどくなったり体調が落ち着くのにさらに1週間掛かったが、術後2週間ちょっとでローラー練/Zwiftを再開することができた。
 次回、産後(現在進行中)に続く。

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