妊娠・出産と自転車生活 Part 4 ~後期~

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~前回まで~
 Part 1: 自身の妊娠判明から自転車生活の計画
 Part 2: 妊娠中期のほぼ前半、今年のブルベ走り納めまで
 Part 3: 中期の後半、ローラー練・Zwift生活
ここまでの妊娠経過は順調。今回は後期(28週・8ヶ月~)について、経時的に書いていく。
□体調と経過の乖離
 24週以降は健診の間隔が4週に1度から2週に1度に縮まった。胃腸症状や頻尿は落ち着いて過ごしやすくなり、出産やその後の準備を始めた。一方の自転車生活も続けていて、室内ではロードバイクでローラー練・Zwiftを、屋外では用事の移動でブロンプトンを利用していた。いずれも自分の感覚を信じ、体と相談しつつ無理せずやっていった。
 28週、なぜか安静時心拍が60台前半に下がっていた。もともとは74~78bpm。血圧は正常。普通、妊婦は循環血液量が増加するが、心拍出量が増加して末梢血管抵抗は減少し、血圧は変わらない~少し下がる。
 収縮期血圧 = 心拍出量 × 末梢血管抵抗
 心拍出量 = 1回拍出量 × 心拍数
なので、普通は心拍数が80~90台の頻脈になり心拍出量が増加し、血管抵抗が下がり、循環血液量が増えても血圧は変わらない。私のように心拍数が下がったとすると、1回拍出量が普通以上に上がらないとつりあいが取れないので、おかしいなと思った。心拍出量が実は上がっていなくて、末梢血管抵抗が上がっているのか…? と、不安を抱いていた。妊婦の徐脈についての調べても、私の検索力では胎児の徐脈のほうばかり引っ掛かってきてしまい、原因は結局よく分からなかった(最終的に妊娠高血圧症候群が判明し、妊娠高血圧症候群では末梢血管抵抗が上がったり循環血漿量が減ったりするとのことなので、もしかしたら予兆だったのかもしれない。)。同時期の健診で「赤ちゃん小さめだねぇ。でも異常はないし正常範囲ですよ。」と言われている(後に、妊娠高血圧症候群による子宮内発育不全ということが判明する)。

ブルベをするようになってから体調把握のために買った血圧計。活躍してくれた。
 運動に関しては、1日1時間ほど歩くようにと勧められていたが、体重が増えたことで昔捻挫した膝に時々痛みが出るようになった。ローラー練・Zwiftは膝への負担は少なく、消費カロリーが出るので励みにもなり、格好の運動となった。妊娠前からやっていてよかったと思うことだった。ただ、児が小さめなのが気になり、負荷を掛けるトレーニングは控え、30~45分程度、楽なペースで漕ぐに留め、胎動を感じたときはさらにペースを落とすようにした。Part2にも記したが、腹をよけてペダリングするとがに股になるのは避けられず、膝に負担が掛かるためビンディングはやめてスニーカーで乗った。そのせいもあり、日を空けて乗るとつい体の動かし方を忘れ、車体に踵が当たってバランスを崩しそうになるという、通常では起こらないようなこともあった。
 30週、上腹部も飛び出すようになり、座って前傾姿勢になって作業をすると上腹部が苦しくなり、ドカッと座るような姿勢になることが増えた。通勤は車でしていたが、体をよじっての後方確認がしにくいと感じるようになった。腹が邪魔になってブレーキを踏み続けるのも少ししんどかった。ちなみにこれにはコツもあって、左足を踏ん張ると右足もきちんと踏めるようになるので、AT車の人は試してみてほしい。
 腹に加えて胸も大きくなるので、人によってはブラジャーのサイズが問題になろうかと思う。私はこの時期から普段は授乳ブラを使うも、運動時はいつものミレーの網シャツをちょっときついなと思いつつも使えていた。あまり追加でいろいろ買わずに済んだのは助かった。
 この頃の体調としてはなんとなくしんどいという程度で、電車通勤だったらつらかったかもしれないが、車通勤では体力的には問題なく、こんなもんだろうと自覚的には元気だった。ローラー練・Zwiftでは、ギアを上げると足がだるいと感じるようになり、100Wくらいで漕いでいた。
 ほぼ同時期から足がむくむようになった。朝起きたときにもむくみが残っており、普通よりきついんじゃないか、と思った。周りに尋ねてみても、「それくらいむくむよ」「むくみきついね~」「くるぶしまではむくんでいないから、ひどくはないね」と様々で、全く当てにならず(汗)。ただ周囲にに妊娠高血圧症候群になった人もいたので、毎朝血圧を測ることにした。ちょうど健診の日、下の血圧が80以上となってびびったが、「この程度なら心配いらない」と言われた。実はこのとき尿蛋白も±になっていたが、異常とは言われなかったし、尿の量が少なかったのでおりものが混じって影響したのかなと思っていて気にしていなかった。
 31~32週頃から、3本ローラーに乗るとバランスが悪くなったと感じるようになった。体重が増えてサドル荷重となり、30分くらいでお尻が痛くなるし、体幹の筋力が落ちてハンドル荷重にもなっているようで手も痛くなりやすかった。ブロンプトンのほうも、体重が増えたせいか段差での抜重がイマイチうまくできず、停車時に無意識に右でも左でも足が出ていたのに少し迷うようになり、安全に乗れている気がしなくなりやめた。健診で運動制限は最後までなかったが、児が小さめと言われていたのが気になり、ローラー練の強度を鼻で息ができる程度までさらに落とし、70~80Wののろのろ運転で仮想空間を走った。結局35週いっぱいまで続けた。
 33~34週、足を曲げると上腹部・胃部のあたりの圧迫感が強くなり、腹部やら臀部やらの圧迫感のため、ずっと楽に座っていられる姿勢がない。ちなみに、私の場合は児が小さかったので腹部の出っ張りも小さく、日常生活に明らかに不便を感じ始めたのがこの時期だったが、胎児体重から逆算すると平均で30~31週にこうした体型の問題が出てくると思われる。この週数までこれくらい動けるんだ、ふ~ん、とは単純に受け取らないで欲しい。念のため。
 34~36週、自分の体重は過不足なくちょうどよい増え方をしているのに、児の推定体重は-2SDを切ってしまった。-2SDがどの程度かというと、だいたいマイナス3週相当。36週は臨月と言われ、一般によくお腹が突き出て足元が見えないとよくいうが、多少見にくいがそこまでではない。前屈も以前と同じくらいできる。足の爪切りだって、足を斜め後ろに足を引けばできる。立ったままソックスが履ける。サイクルジャージの上はきつめだけど今までのが着れてしまう。その格好でスポーツ店に行くと、太ったとは思われているかもしれないが、走ってきたんですかと挨拶される。そのくせ、洗い物は蛇口が遠くてしにくい。体重が増えて膝が痛いのに、胎動はしっかりしていて元気なのに、どうしてこの子は小さいのか…?
 児が小さいので、別の病院でエコーの精密検査を受けることになった。悩んでも仕方ないな~と思いつつ気持ちも落ち着かないまま、検査の前日、いつものように血圧を測った。そこで初めて血圧が140/90mmHgを超えた。あーやっぱり(妊娠高血圧症だ)、と思った。検査当日も高め。受付で昨日から血圧が高いと伝える。精密検査の結果、推定体重は前の病院より100gほど小さくて不安が増す。体重のことに気を取られ過ぎていて、血圧を抑えてもう少し大きくなるのを待つのかと思ったら、「(ほぼ正期産なので)常識的に考えたら早く出したほうがいい」「すぐ○○病院に行ってください」と、急転直下となる。
 次回、出産・帝王切開と術後に続く。 [ブロンプトン・その他]

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