【ブロンプトンブルベ走行記】 BRM920宮城1000km (恐山1000): Part3 走行編(前半) ~恐山

ブルベ
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 6年ぶりの1000kmのブルベはブロンプトンで。

 いよいよ走行編。前半は471kmの恐山まで。計画通りに走れたのか…?!
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<目次>
□ 前日
□ 雨、岩手の川を辿る
□ 恐山

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□ 前日
 有休は前々日から取っていたが、それまで仕事がほんッとに忙しくて準備ができず、前々日は準備が一段落したところで子どもが体調を崩し、DNSになるんじゃないかと思われた。が、普段戦力不足の夫があっさり送り出してくれて、無事伊丹から仙台に飛ぶことができた。

 仙台空港から仙台駅までは自走で。東北にはブロンプトン取扱店が仙台にしかなさげで、飛行機輪行でダメージがないか確認するのが目的の1つ。もう1つは、モンベル仙台店で予約していたレンタル熊スプレーを受け取るため。この記事を書いている現在は熊被害が災害級になってしまってサイクリングやアウトドアどころではないが、この頃はそこまでではなく、”東北は熊がよく出るからできるだけ対策しよう”くらいの気持ちだった。ブロンプトンだと他の人とペースが合わないため、夜間の単独走行は避けられないと踏んで、わざわざスプレーを携帯することにしたのだった。

モンベル仙台店の雰囲気はまさに都会のオアシス。

熊スプレーをゲット。
bear_spray.jpg

フードポーチに仕込む。
 仙台から小牛田(こごた)乗り換えで古川駅まで。車窓から稲刈り後の田んぼを眺める。


9月というのにすでにこの哀愁。翌日からはたくさん見るのだろうけど、写真を撮る余裕はないだろう。
 古川駅から予約していた快活クラブに歩いて移動。荷物の整理をして夕飯を食べに行く。大阪より5℃ほど低いが、気温差以上に肌寒く感じる。

まるまつという和風レストランで鶏の照り焼きとサーモンクリームうどんを。錦秋麺と書いていたから、翌日錦秋湖を通るから頼んでみたのだけどさ、記事を書くにあたって調べてみたら特にそういう名産品があるわけではないと知って狐につままれているなう。それはともかく、ボリュームがあっておいしかった。

□ 雨、岩手の川を辿る
 洗濯をしたので遅めに寝たが、それでも6時間は睡眠確保。意外なことに、他に参加者は見当たらなかった。外に出るとまだ雨は降っていなくて拍子抜けした。雨具は降り始めたらすぐ着用できるようモンベルのU.L.ナップサック(#1133369)に入れて背負った。走り始めにちょうどよい防寒具にもなった。
 重い荷物の一部を自宅に返送し、総重量約20kgで受付に向かった。

ブロンプトンブルベ仲間の紫芋兄さんと。仕事終わりに岡山から電車で来るも、古川駅までの終電がなかったというなかなかハードスケジュールだったそう。他にもTwitter (X)で交流のある方々ともご挨拶。祭りだね、ワクワクするね♪
 平坦な17kmまではロードに26~27km/hでついて行く。完全に雨が降っていなかったのは最初の15分だけ。いつから強くなるのかと気になる。登り基調になると1人旅へ。…とそこになぜかめちゃ速いはずのじ~そさんがおられて雑談。ブロンプトンも乗るのだとか。颯爽と去っていかれたら雨が強くなった。スタートから1時間で雨具フル装備に。今回は防水ソックスも履くことにしていたのでかなり時間が掛かってしまった。
 とはいえ、信号が少ないのでグロス23km/hで34.6km、通過チェック1 江崎醫院の看板に到着。

この周辺でお祭りの準備をしていた。
 チェックポイントではひさしぶりに参加者を数人見るも、またずっと1人旅に。雨はあまり強くなかった。暑くもなかった。東のほうなので日の出が早く、曇りで時刻の感覚が皆無。69km地点で少しだけルートを外れてコンビニ休憩。この先しばらくコンビニはないのだけど、他に1人の参加者がいただけ。皆速いな―、と思う。

まだグロス19を維持して、70.6km 通過チェック2 河崎の柵跡の看板。スタッフのくろみつさんに出迎えていただく。

かっこええ認定いただいた。
少し進んだ所の道の反対側に、テレビで存在を知った某石碑が。

松井元哉先生の第113回医師国家試験 不合格発表閲覧之地 石碑。自転車旅中、多分先ほどのコンビニや道の駅方面に向かっていて、待ち切れずに開けちゃったんだろうな、などと想像する。”私は完走するゾ。”というよく分からない気合いが入る。気温はちょうどいいくらいのはずだが、停まって風が吹くと肌寒さを感じる。
 高館橋を渡って北上川を越え、平泉の観光地に入る。


時間帯のせいか天気のせいか、あまり混んでいなかった。

89.4km寄り道、卯の花清水。最近、湧き水を見つけるのが楽しみだ。今回はコンビニまで2kmかつ涼しいのでありがたみは少ないが。

サワガニがいた。
 91.7km 通過チェック3 ファミリーマート奥州平泉店では、軽食の他に電池を買う羽目になった。大丈夫と思っていて電池を替えていなかったリアライトのほうが電池がなくなったのだ。1000km以上では交換して来るべきだった。
 次第にそこそこの雨になってきた。アップダウンがあり脚に疲労が出てくる。こういうときは、6速のブロンプトンのギアで2+と3-の間が欲しい。思うように進めなくてつらい。
 12時過ぎ、133.2km地点、通過チェック4 ファミリーマート北上横川目店に到着。まだグロス18を保っている。昼時だが空腹感はなく、軽食のみ摂る。

紫芋兄さんに追いつく。八戸で仮眠予定とのことで、そこまでご一緒することにしてリスタート。
 道の駅錦秋湖の前のトンネルには交互通行があったが、スタッフさんの試走による事前情報のおかげで、あまりストレスなく乗り切れた。

154.8km地点、通過チェック5 ほっとゆだ駅。見ての通り、結構な雨である。
さっきのコンビニからしばらくは補給地点が乏しい。ここから先の50kmほど先のAコープで休憩を兄さんに提案。”スーパーだと果物を買えるからいいですね”みたいな話をした。
 一緒に走り出すが、兄さんは調子が悪いのかいつもより遅く、差が広がって170km地点で完全に姿が見えなくなってしまった。待つか…でも6年ぶりの1000km、ブロンプトンでは初挑戦、ゆっくり待つ余裕もない。加速はせずに、マイルドな強度で進むことにした。1000kmあるのだから、どこかでその体力の余裕を充当すればよいだろう。…と考えていたが、次第に雨が強くなり、マイルドに漕いでいたら寒くなって来た。申し訳ないが休憩先まで急ぐ。
 206km地点、右側にAコープが見える前に、 すぐ先の左側になぜか予習で見落としていたコンビニが見えたのでそこに突撃した。ローソン雫石でんく店、グロス17.5。17時前だが、もうライトを付けたくなるくらい暗い。3枚入りの雑巾を買い、お腹と背中に1枚ずつ挟んで防寒対策する。1枚余ったのはその場にいた参加者に押し付けた。兄さんにメッセージを送るが、到着されないので先に出発する。メカトラでDNFとなったそうだ。

□ 恐山
 アップダウンがありながらもやや高度が下がったようで、寒さは和らいだ。18時前に222.8km地点、通過チェック6 ローソン盛岡下太田店に到着。イートインがある神ローソン。夕食を食べながら参加者と情報交換できるのがありがたい。

雨粒が写るくらい降っていた。
 このすぐ後、盛岡駅を抜けるのはかなり面倒だった。自歩道がなくなってしばらくすると自転車禁止の標識が出るという作り。事前情報からストリートビューで車道は確認できていたが、歩道から下の道路に続く通路を降りたらば、チェーンに囲まれた。自転車にアンフレンドリー過ぎる。仕方がないので自転車を持ち上げてチェーンを越えて車道、上の道路の側道に出た。
 これから先は登り基調。雑巾を体の前後に挟んでいたので時々暑かった。国道4号線、東北の主要道路にして雪国の典型的なひび割れ・凸凹・穴(ひび割れに入った水が凍って膨張してアスファルトが傷む)地獄が始まる。路面状況の分からない所には突っ込まないように、いつもよりも車線の真ん中寄りを走った。交通量はそこそこあったが多いというほどではなく、スペースを保って抜かしてくれる車が多く、助かった。
 ファミリーマート 岩手沼宮内バイパス店で休憩を挟み、23時に302.9km地点、通過チェック7 セブンイレブン二戸福岡田町店に到着。グロスは17を割り込んだ。

夜食をしっかり摂る。この辺りが一番雨が強かったか。防水ソックスのおかげで、水溜まりに躊躇なく突っ込めるのはよいが、足裏の水を踏んでいる感触はあり、気持ちよいものではなかった。
 日が変わり2時前に343.3km地点、通過チェック8 ファミリーマート八戸湊町店に到着。雨のせいか、この辺りから遅れ始める。他に数人参加者がいて、もう降らないだろうという会話を交わして、防水ソックスとレインジャケット以外は全部脱ぐ。

少しだけ進んで346.7km地点、通過チェック9 鮫駅。グロス16を切った。まだ400kmも進んでないのにこれではヤバい…と直感して先を急ぐ。
八戸鉄鋼団地
 真夜中でも一際明るい八戸鉄鋼団地前を通過。夜の工場は景色があまり見えない中で気分転換になる。しかしそれも長くは続かず、予定外の眠気で400kmに到達せず大休止することにした。通常なら眠くならない距離と走行時間。直前の仕事やら育児やらの負担、睡眠負債が効いてしまったようだ。気を取り直して、


おいらせ町のガンダム理髪店ことスズキ理容(ガンダムカット)。
その20分後、三沢市で明け方。

まだ5時になってない。日の出が早い。2日目の朝が始まる。

六ヶ所村の高瀬橋より。よい天気になりそうだ。
 393.7km地点、通過チェック10 ファミリーマート六ケ所平沼店に25時間弱で到着。普段に比べると1時間ほど遅い。朝食を食べていると、前日に会った参加者に再会。単独で走っていると自分が一番最後という気がするので、誰かに会うと元気が出る。

鷹架(たかほこ)で見た風車。風力発電もしているとは知らなかった。まさにエネルギーの村。

泊で海が見えたときちょっと感動して、ここまで報われた気がした。ここまで海沿いを走っていても全然海が見えなかったのだから。
 ローソン 六ヶ所泊店で休憩を挟み、その後ちょっと登る。サドル前方での圧迫・擦れによる痛みに耐えられなくなったので、仕方なく停車してサドルを前傾させてみることにした。少しだけ角度をつけるつもりが傾け過ぎたが、試しにそのままで行ったところ、最後までいい感じだった。普段なら前にずり落ちてきてしまうような角度だが、やってみないと分からないものである。
 10時過ぎ、予定より1時間半遅れで456.8km地点、通過チェック11 ミニストップむつ横迎町店へ。


何でも六甲山をものさしにする関西北摂の民。いよいよこのブルベのメイン、東北に住んだことのある人から必ず勧められる恐山に向かう。
 むつ市街から恐山までは往復コース。こういうときは荷物の”落とし物作戦”をしたくなるが、ここは東北。恐山周辺でも熊が出る。食料は入ってなくても化粧品が入っている。人の臭いの強い物に慣れさせてはいけないという話も聞いたことがあり、覚悟を決めてそのまま登って行く。最初は緩い勾配。最後のほうにぎゅっと凝縮された登り。やっぱり荷物が重い。それでも風が涼しく、ヒルクライムにしては快適。

恐山冷水。冷たくておいしい。体験したかっただけで、脚を休めたかったわけではない。多分。

 本命に到達する前に一旦下る。次第に強くなる硫黄臭。いきなり目に入る緑色の湖。この世の物とは思えない荒涼とした景色。写真では伝えられるべくもなし。




470.8km地点、通過チェック12 六大地蔵。
雰囲気を味わいたい気持ちはあったが、硫黄臭が苦手なので早々に撤退。登り返しは20%らしい。最初のカーブは何とか登ってみたが、以降は無理せず押し歩きした。一度押し歩くと、勾配が緩んでもしばらく乗車できない。下り切ったら少し時間に余裕はできるのだろうか。
 次回、後半に続く。

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